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小紅書(レッド)で中国人観光客を呼び込む完全ガイド|岩見沢の雪がバズった理由と地方インバウンド戦略

代表社員 廣瀬高之

こんにちは。合同会社トビガスマル代表社員の廣瀬です。
2025年、日本を訪れる外国人観光客がついに過去最高を記録しました。
その波の中で、今や中国人旅行者の“旅の検索エンジン”となっているのが、小紅書(RED)です。

そんな中、私たちは次の記事に注目しています!

中華圏から多くの観光客が見込める旧正月「春節」が29日から始まり、北海道の観光地がかき入れ時を迎えています。札幌や後志管内のニセコ地区などに加え、今年はなぜか岩見沢市で中国人観光客が急増しています。海外でも有名な観光スポットがあるわけではなく、宿泊施設もけっして多くはありません。どうしてインバウンド(訪日客)が押し寄せるのでしょう。現地で謎に迫りました。
引用:北海道新聞

札幌から電車で40分──観光地としては“穴場”といえる岩見沢市。
ところがこの冬、「#雪遊び」「#子連れ旅行」といったタグが小紅書で一気に拡散し、
春節にはファミリー層の訪日ラッシュが現地を賑わせました。

投稿の主役は、観光協会でも観光課でもなく、小紅書を通じて体験を発信した旅行者自身
これは、ただのSNS拡散ではなく、中国市場における「旅の意思決定」がどこで起きているのか──
そのリアルを、地方が初めて体感した瞬間でもあります。

今回の記事では、岩見沢の事例をもとに、
「小紅書×インバウンド」をテーマに、地方自治体や観光事業者が押さえるべき成功のポイントを解説。

✔ なぜ岩見沢が注目されたのか?
✔ なぜいま小紅書なのか?
✔ そして、あなたの地域ではどう活用するべきか?

現場目線でわかりやすく、そして“明日から動ける”ロードマップとしてお届けします。

小紅書(RED)とは?中国人旅行者に刺さる3つの特徴

「小紅書ってインスタみたいなものでしょ?」 そう思っている方にこそ知ってほしい、小紅書(RED)の“本質”。

これは単なるSNSではなく、中国人旅行者の「検索」と「意思決定」を担う“旅のOS”です。

ここでは、観光誘致に活用するうえで絶対に押さえておきたい、小紅書の3つのキーファクターをご紹介します。

1. 月間3億人超えのMAUを誇る“口コミ検索プラットフォーム”

2025年3月時点の月間アクティブユーザー(MAU)は、なんと約3.2億人。 しかも、その投稿の95%以上が一般ユーザーによるUGC(User Generated Content)です。

特に強いのは、「旅行」「美容」「ライフスタイル」の3ジャンル。 この3つだけで全体投稿の6割以上を占めており、まさに日常と非日常の境目にある“体験消費”の検索が集中していることがわかります。

男女比も7:3まで拡大しており、旅に関心を持つ女性層を中心に、「誰かのリアルな体験」が旅の意思決定を左右する構造が出来上がっています。

つまり小紅書は、「広告」ではなく「共感ベースの信頼」で動くメディアなのです。

2. “行きたい”が行動に変わるメディア設計

小紅書のユーザー行動は、驚くほどストレートです。

  • 「目的地+ハッシュタグ」で検索
  • 気になる投稿を保存
  • プラン共有・相談
  • 宿泊・交通を外部で予約

この一連の流れが、ほぼアプリ内で完結してしまいます。

例えば「#北海道雪遊び」で検索すれば、2025年の最新投稿が写真+動画+クチコミ形式で一覧に並び、 「保存して家族とシェア→旅の下見→ホテル予約」という流れが自然に生まれます。

注目すべきは、企業の公式アカウントがなくても、現地を訪れた人の投稿が集客導線になるという点。 これは、地方観光にとって極めて相性が良い特徴です。

3. 中国本土だけじゃない、繁体字圏・訪日層にも拡大中

「中国向け=本土だけ」と考えるのは、もはや時代遅れ。 小紅書には、香港・マカオ・台湾などの繁体字圏ユーザーも多く、訪日インバウンド全体の“アジア圏可視化ツール”としても活用できます。

投稿言語は基本的に簡体字がベースですが、英語や日本語を併記することで保存率・共感率が大きく向上する傾向があります。

つまり、「中国人観光客に伝える」ではなく、「中国語話者の“旅心”を刺激するメディア設計」として活用すべきタイミングが来ています。

小紅書は、観光地の見え方そのものを変える力を持つプラットフォームです。 だからこそ、観光ポスターを貼るような気持ちで、まずは1投稿から始めてみる価値があります。

最新データで読む中国人訪日市場(2025年1〜4月)

2025年、日本の観光市場は過去にない追い風を受けています。

4月単月の訪日外客数は390万8900人と過去最高を記録。 中でも中国からの訪日客は76万5100人(前年同月比+43.4%)、 1〜4月累計では313万人超(+68.1%)に達し、ポストコロナの回復が本格化しています(出典:日本政府観光局)。

この背景には、春節・清明節・桜シーズンが時期をずらして訪れたことによる「分散型ピーク」の常態化があり、 旅のタイミングもニーズも多様化しています。

また、航空路線の増便・クルーズ再開により、地方空港への到着数は前年比1.7倍に増加。 東京・関西ではなく、地方都市が「穴場感」と「検索上位の取りやすさ」で選ばれる流れが強まっています。

岩見沢に中国人観光客が殺到した要因

実際、2025年2月以降、札幌の隣に位置する岩見沢市に、中国人観光客の姿が目立つようになりました。

「え、岩見沢って観光地だったっけ?」──そう思った方にこそ知ってほしい、“拡散の仕組み”があります。

1. “映える”雪景色 × 子連れ体験の共感力

きっかけは、上海在住の30代女性ユーザーによる1本の投稿。

「腰までのふわふわパウダースノーで、3歳児が埋もれて大はしゃぎ!」

添えられたのは、岩見沢の雪原で遊ぶ母子のリアルな写真と、 「しかもこれ、無料の公園なんです」という共感力の高いコメント。

この投稿が、小紅書で#親子旅行 #北海道雪景色といったタグで急速に拡散し、 数万の「いいね」と保存が集まりました。

派手な観光地でなくとも、“子連れで気軽に楽しめる場所”という文脈があれば、ユーザーの共感と行動を引き出せる──それを証明した一例です。

2. ハッシュタグ設計の巧みさ

投稿者がつけたタグは、実に戦略的でした:

  • #岩見沢雪景色(ニッチ)
  • #北海道旅行(ミドル)
  • #日本旅行(メジャー)

この「ニッチ〜メジャー」の3層タグ戦略により、検索面での網羅性が高まり、 結果として保存率は平均の2.3倍を記録。

こうしたハッシュタグ最適化は、投稿の「見られる時間」と「拡散寿命」を大きく左右するため、今後の自治体・観光事業者にとっても必須の視点となります。

【完全ロードマップ】小紅書(RED)運用5ステップ

小紅書を活用して中国人観光客を呼び込みたい自治体・観光施設向けに、実践的な導入ステップを整理しました。 すべて“明日から実行可能”な内容です。

ステップ 目的 アクション
① ペルソナ設計 投稿の一貫性を保つ 20〜30代女性やファミリー層を想定。
雪・自然体験・地元グルメを軸に投稿テーマを絞る
② 撮影導線の整備 UGCの自然発生を促す 施設に撮影OKマーク(簡体字+ピンイン)を掲示。
雪玉トングや手持ち看板など無料小道具も配置
③ KOCとのコラボ 信頼性の高い拡散 フォロワー3万人未満のマイクロインフルエンサーを優先招請。
交通費やレンタル品提供で負担を軽減
④ 投稿運用 検索・保存されやすくする 週2投稿を目安に。
ニッチ+ミドル+メジャーの3層ハッシュタグ+位置情報タグを設定
⑤ エンゲージ管理 LTV(再訪率)の最大化 投稿から24時間以内にコメント返信。
保存者にDMでクーポン or 限定体験情報を配布

コンテンツ制作で押さえたい7つのコツ

  • ストーリーフォーマット:冒頭に「悩み→解決シーン」を配置し、共感で引き込む
  • 縦動画(9:16):平均視聴維持率は静止画の2.4倍。スマホ最適化は必須
  • 自然光×ルミナンス50〜70%:雪景色の白飛び防止にはこの数値が効果的
  • キャプションは簡体字で300字+絵文字3個まで:読みやすさ重視
  • CTAを明確に:末尾に「保存して旅メモ📌」のような保存促進ワードを固定
  • レビュー引用:Googleマップ星4.5以上の口コミを中国語で要約し引用
  • EC導線:交通パスや体験チケットなど、タビマエ購入ができるリンクを設置

効果測定KPIと管理ダッシュボード例

指標 目標値 チェック頻度
保存率 15%以上 投稿翌日
位置情報クリック率 8%以上 投稿翌日
コメント返信速度 24時間以内に100% 毎日
フォロワー純増 月+1,000人 月次
訪問予約転換率 3% 四半期

Tip:無料の「Looker Studio」+RED Tracker(API連携ツール)を使えば、 PV→保存→DM→予約という流入導線をダッシュボードで可視化できます。

よくある失敗とその回避策

  • ❌ 日本語投稿のみ →簡体字+ピンイン併記でCTRが42%向上
  • ❌ PR案件ばかり →UGC比率70%以上を維持してアルゴリズム露出を確保
  • ❌ ハッシュタグ乱用 → ✅ 最大8個までに抑え、ニッチ3+ミドル3+メジャー2の構成に

FAQ:よくある質問

Q. 公式アカウントは必須ですか?

A. 必須ではありません。KOC(一般投稿者)中心の運用でも十分効果は出ます。 ただし、問い合わせ対応や予約導線強化にはアカウントがある方が望ましいです。

Q. PR投稿のルールは?

A. 中国の広告法に準拠するのが基本です。金銭や物品提供があれば、「广告」または「合作」タグを明示しましょう。
(※表記がないとアカウント停止の可能性もあります)

Q. 地方空港ルートを推したいときは?

A. 小紅書では空港路線も検索対象になります。 「#大连直飞旭川」「#厦门直飞高松」など、直行便の都市名+目的地のハッシュタグで可視化すると効果的です。

まとめ:地方こそ“小紅書ドリブン”で勝てる

小紅書(RED)は、検索・共感・行動をひとつにまとめた、中国最大級の“旅のエンジン”です。

岩見沢の事例が示したのは、「映える体験」×「一般ユーザーのリアルな発信(KOC)」×「ハッシュタグの設計」という組み合わせが、 大都市でなくとも爆発的な集客を起こせるという、地方にとっての勝ち筋。

実際、2025年の中国人訪日客数は、1〜4月だけで313万人を突破。 観光市場が本格的に復活した今、地方のプレーヤーにとっては“今こそ仕掛けるタイミング”です。

東京でも京都でもない、あなたのまちに── まだ誰も知らない“旅のストーリー”が眠っているかもしれません。

次の一歩は、今日からでも踏み出せます

  • まずは、自地域の“映え×体験価値”を棚卸し
  • 簡体字キャプション付きの試験投稿を週1本、無理なく始めてみる
  • 保存率・コメント率をKPIにして、PDCAを回していく

たった1枚の写真と、たった300文字の文章が、 あなたの地域に新しい“旅の入り口”を開くかもしれません。

このロードマップをヒントに、ぜひ
「小紅書×インバウンド」の“地方発・勝ちパターン”を育ててください。

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