
こんにちわ、クセイノツヨイ映像制作会社「トビガスマル」代表社員の廣瀬です。スマホで撮った動画が「なんか安っぽい」「色がバラつく」「肌が不自然」——その原因の多くは、色補正 → フィルター → 効果という“順番”が崩れていること。順番さえ正せば、フィルターは短時間で統一感と世界観を出す最強の味方になります。
この記事では、動画フィルターの基礎と種類、目的別の選び方を押さえた上で、iPhone/Androidで使えるFilto/InShot/Vivid Glamの活かしどころを実務の視点で解説。さらに、重ねがけ・部分適用(マスク/キーフレーム)・エフェクト併用まで一気に駆け抜け、いま効くレトロ/Vlog/シネマティックの作り方も具体例で示します。今日の素材を、明日の“止まるサムネ・伸びる動画”に。
目次
動画フィルターの基本と効果:表現力をアップ
動画フィルターとは?基本を理解しよう
フィルターは、映像の色・明るさ・コントラストなどを一括で変える“見た目のプリセット”です。似た用語との違いだけ押さえておきましょう。
- フィルター:色味やトーンを一括変更(強度スライダーで調整)
- LUT:色を数学的に変換する“色変換表”(正確だが前後の調整が前提)
- エフェクト:グリッチ・光漏れ・粒子・ビネットなどの“質感/動き”追加
プロは 色補正 → ルック(フィルター/LUT) → 質感(エフェクト) の順で重ねます。先に露出やホワイトバランスを整えると、肌色が破綻せず、ルックの再現性が高まります。フィルター強度はまず20〜40%で様子見が安全です。
動画フィルターの種類:どんな効果がある?
- レトロ/フィルム:退色・粒子・色ズレでノスタルジックに(思い出/旅/Vlog)
- シネマティック:低コントラスト+色相分離(ティール&オレンジ等)で映画調
- Vlog/ナチュラル:低彩度・やわらかい階調で“生活光”を活かす
- ビューティ:美肌・肌色最適化・ノイズ抑制(人物中心の撮影に)
- ムード/季節:夕景強調・寒暖色のムード付け・フェードで空気感を足す
フィルター選びのコツ:目的とシーンに合わせる
- 主役は何か? 人物なら肌色優先(ビューティはかけすぎ厳禁)。商品ならブランドカラーが崩れないものを。
- 光に合わせる:屋外の快晴/日陰、屋内の電球色などで色温度を先に補正してから適用。
- 統一感の出し方:3カット(明るい/暗い/中間)でテスト→ベースを決め、全体に一括適用→各カットを微調整。
- 崩れやすいNG:黒潰れし過ぎるコントラスト、彩度の上げ過ぎ、過剰なシャープネス。
ワンポイント:アプリのヒストグラムやスコープ(あれば)をONに。黒は潰し切らず、白は飛ばし切らない範囲でフィルター強度を決めると、SNSでも破綻しません。
応用テクニック:フィルターを組み合わせてさらに魅力的に
複数フィルターの組み合わせ
仕上がりは重ねる順番で大きく変わります。基本は 補正 → ルック → 質感。
- 補正:露出・色温度・色かぶり・肌色をまず整える(コントラストは−5〜−15の控えめ)。
- ルック:シネ/レトロ/Vlogなど“世界観”を決めるフィルターを20〜40%で薄く。
- 質感:粒子(5〜15%)/フェード(5〜10%)/軽いビネット(5〜12%)を後段に。
- 人物Vlog例:補正→シネ系30%→粒子10%→ビネット8%
- 商品レビュー例:補正→ナチュラル系20%→彩度+5→ハイライト−10(文字やロゴが飛ばない)
- 旅/夜景例:補正→レトロ/フィルム25%→フェード8%→ハイライト−5→粒子12%
Tips:3カット(明・暗・中間)でベースを作り一括適用→各カット微調整。黒を潰し切らない/白を飛ばし切らない範囲でスライダーを止めると、SNSでも破綻しません。
部分的なフィルター適用
背景は冷たく、顔は暖かく…などはマスク+キーフレームで実現します。
- タイムラインにクリップを置く→同じクリップをPIP(重ね)で複製。
- 上のレイヤーにフィルター(例:ビューティ30%)。
- マスク(円/直線/グラデ)で顔や商品だけ残す→ぼかし(フェザー)20〜40で境界を馴染ませる。
- 被写体が動く場合はキーフレームでマスク位置を追従(2〜3点で大きく、細部は最小限)。
- 背景だけ色温度を下げたい:下層=全体補正、上層=寒色系ルック20%+反転マスクで背景に適用。
- 商品だけコントラスト強化:上層にコントラスト+10/シャドウ+5→四角マスクで商品に限定。
NG回避:顔のビューティを強くし過ぎると背景が“滲む”違和感。顔は弱め(20〜35%)、背景は粒子で質感を戻すと自然。
フィルターとエフェクトの組み合わせ
フィルター後段に“質感の微調整”を薄く足すと完成度が上がります。
- 粒子(グレイン):5〜15%。ノイズではなく“質感の接着剤”。人物では10%以下推奨。
- ビネット:周辺の視線誘導。中心が顔/商品なら8〜12%で静かに。
- 光漏れ/フレア:入れっぱなしは厳禁。カット頭/転換点に0.3〜1.0秒だけ。
- ブラー/グロー(微ハレーション):5〜10%でハイライトを柔らかく。やり過ぎは“眠い”画に。
完成レシピ(保存版):補正 → ルック30% → 粒子12% → ビネット8% → 必要カットのみ光漏れ短尺(0.5秒)。
Export:元素材と同じフレームレート/解像度(縦9:16は1080×1920)。再圧縮を避けるため、編集→書き出しを1度で完了させるのがベター。
動画フィルター最新トレンド:レトロ、Vlog、シネマティック
レトロフィルター:懐かしい雰囲気でエモさを演出
VHSノイズ、色ズレ(フリンジ)、粒子、色褪せ(フェード)で“時間の手触り”を足す定番。旅・思い出・イベントのBロールに強く、情報量を減らして感情を前に出せます。
- 合う素材:逆光・夕景・ネオン・室内のタングステン。
- おすすめレシピ:フェード8%/彩度−10/粒子12%/微弱ビネット8%/色ズレ5%。
- 失敗回避:テキストを重ねる場合はノイズ強度を下げる(可読性が落ちるため)。
Vlogフィルター:日常をスタイリッシュに
低コントラスト・低彩度・やわらかいハイライトで“生活光”を活かす方向。肌色を自然に保ちながら統一感を作れるため、人物中心の記録にマッチします。
- 合う素材:窓際の自然光、カフェ、街歩き、料理。
- おすすめレシピ:コントラスト−12/シャドウ+8/彩度−6/色温度±0〜+3(屋内はやや暖かく)。
- 失敗回避:露出差が大きい日は3カット(明・暗・中間)でベース作成→一括適用し、各カットを微調整。
シネマティックフィルター:映画のような雰囲気に
ハイライト抑制、軽いカラースプリット(ティール&オレンジ系など)、わずかなシアン影で奥行きを出す手法。やり過ぎない(20〜30%)がプロっぽさのコツです。
- 合う素材:人物の寄り、商品レビュー、ドラマ調のクリップ。
- おすすめレシピ:ハイライト−15/黒レベル+4(潰し回避)/シネ系フィルター25%/粒子8%/ビネット10%。
- 失敗回避:“黒帯(レターボックス)”は構図を整えたい時だけに。常用すると情報が圧迫されます。
実務メモ:どのトレンドでも肌色の破綻だけは避けるべき。ヒストグラムやスコープ(搭載アプリのみ)で、白飛び/黒潰れの手前で強度を止めるのが鉄則です。
よくある質問(動画フィルター)
Q. フィルターとLUT、エフェクトは何が違う?
A. フィルターは色やトーンを一括で変えるプリセット、LUTは色を数学的に変換する“色変換表”、エフェクトは粒子・光漏れ・グリッチなどの質感/動きの追加です。基本は 補正 → ルック(フィルター/LUT) → 質感(エフェクト) の順。
Q. 強度はどれくらいが目安?盛りすぎを避けたい
A. まず20〜30%で開始。人物は肌色が崩れやすいので35%以内を目安に。粒子は5〜15%、ビネットは8〜12%が無難です。
Q. 肌色が不自然になった時の戻し方は?
A. 先に色温度/色かぶりを微調整→フィルター強度を下げる→顔だけにマスク適用(ビューティは20〜35%)。背景に微粒子を足すと“戻り”が自然。
Q. 画質が落ちた…原因は?
A. 強いフェード/ノイズ/シャープのかけ過ぎ、または低ビットレート書き出しが原因。素材と同じ解像度/フレームレート、ビットレートは“高〜最高”を選択。
Q. 部分的にフィルターを掛けたい
A. クリップをPIPで複製→上レイヤーにフィルター→マスクで顔/商品だけ残し、フェザー20〜40で境界を馴染ませます。動く被写体はキーフレームで追従。
まずは今日の素材で試してみましょう
“破綻しない”最短3ステップ
- 補正:露出・色温度・色かぶり・肌色を整える(コントラスト−5〜−15)
- ルック:シネ/レトロ/Vlogのフィルターを20〜30%で薄く
- 質感:粒子5〜15%、ビネット8〜12%(必要カットのみ光漏れを短尺で)
書き出しは1080×1920 / 素材と同フレームレートを基本に。
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