
こんにちわ、合同会社トビガスマル代表の廣瀬です。
出張先や撮影現場、あるいはリモートワーク中でも「自宅と同じくらい安心できるネット環境が欲しい」と思ったことはありませんか?
今回ご紹介するのは、GL.iNetが開発したGL-AXT1800 Slate AXという小型ルーター。
コンパクトなボディにWi-Fi 6対応、VPN機能、広告ブロック、USBストレージ連携などを詰め込んだ、まさに「持ち歩けるネットワーク基地局」です。
私自身、撮影現場やハイブリッド配信などで通信トラブルを避けるためにSlate AXを導入・検証してきましたが、正直この小ささでここまでできるのか…と驚かされました。
この記事では、Slate AXのスペックや初期設定、リモートワーク・出張利用の実践方法、トラブル時の対処法までを、実体験ベースでわかりやすく解説していきます。
「Slate AXって、実際どうなの?」という方にとって、導入判断の助けになれば幸いです。
それでは、詳しく見ていきましょう!
目次
GL-AXT1800 Slate AXとは?注目のポイント
GL-AXT1800 Slate AXは、GL.iNet社が開発したWi-Fi 6対応のポータブルルーターです。手のひらサイズの筐体に、ルーターとして欲しい機能がぎゅっと詰まっており、特にリモートワーカーや現場系のプロユーザーにとって「持ち運べる安心基地局」として活躍します。
ここでは、Slate AXの注目すべきポイントを3つに絞って紹介します。
コンパクトでパワフルなWi-Fi 6ルーター
まず驚かされるのが、このサイズ感。Slate AXは約125×82×36mm、重さ約245gと非常にコンパクト。筆箱より小さく、出張バッグやカメラバッグにすっぽり収まります。
にもかかわらず、Wi-Fi規格は最新のWi-Fi 6(802.11ax)に対応。 5GHzで最大1201Mbps+2.4GHzで最大574Mbpsの高速通信をサポートしています。
特に撮影現場で複数台の機材をWi-Fi接続するときや、カフェでWeb会議するときも、Slate AXを中継させるだけで通信の安定感が格段にアップします。
コンパクトだけど、通信はガチ。これがSlate AXの魅力のひとつです。
VPNクライアント&サーバー機能
Slate AXのもうひとつの強みがVPN機能の充実度です。
OpenVPNやWireGuardに標準対応しており、出先から自宅やオフィスのネットワークにセキュアに接続することが可能です。
例えば、カフェやホテルのWi-Fiを使いながら、Slate AX経由でVPN接続すれば、盗聴や改ざんのリスクを低減できます。
また、Slate AXはVPNサーバーとして動かすことも可能。自宅に1台常設しておけば、出張先から自宅ネットワークにログインしてNASやプリンタを操作する…なんてこともできます。
VPN設定はWebブラウザからGUIで行えるので、専門知識がなくても比較的簡単に導入できる点も嬉しいところです。
豊富なインターフェースと拡張性
小型ルーターながら、Slate AXはポート類も充実しています。
- USB 3.0ポート ×1
- ギガビットWANポート ×1
- ギガビットLANポート ×2
- microSDカードスロット ×1(最大512GB)
- USB Type-C電源入力
これらを活用すれば、Slate AXを簡易NASやファイルサーバーとして使うことも可能。USBメモリやSSDをつないで、出先での素材バックアップやデータ受け渡しにも便利です。
また、モバイルバッテリー給電にも対応しているため、現場での長時間運用や災害時の予備ルーターとしても心強い存在になります。
このように、Slate AXは単なるトラベルルーターにとどまらず、「持ち運べる多機能ネットワークハブ」として、幅広い用途に対応できる製品です。
GL-AXT1800 SlateAXの初期設定
Slate AXは高機能ながら、初期設定はとてもシンプル。専門知識がなくても、スマホやPCのブラウザから簡単にセットアップできます。
ここでは、電源の投入からインターネット接続、Wi-Fi設定までの基本操作を順を追って解説します。
電源投入と初期アクセス
まず、付属のUSB Type-Cケーブルを使ってSlate AXに電源を供給します。 USB充電器やモバイルバッテリーでもOKですが、出力5V/3A以上のものを推奨します。
電源を入れると、LEDが点灯して起動開始。数十秒でWi-Fiがブロードキャストされます。
スマホやPCで、「GL-AXT1800-xxxx」というSSID(Wi-Fi名)を探し、本体底面に記載された初期パスワードで接続します。 (5GHz帯のSSIDは「-5G」が末尾につきます)
接続できたら、ブラウザを開いて「http://192.168.8.1」にアクセス。管理画面が表示されます。
初回アクセス時には管理パスワードの設定が求められますので、任意のパスワードを入力して保存してください。
インターネット接続設定
続いて、Slate AX自体をインターネットに接続します。接続方法は大きく3つあります:
- 有線接続(ルーターモード): ホテルや自宅のLANケーブルをWANポートに挿すだけ。ほとんどの場合、自動的にDHCPで接続されます。
- 中継接続(WISPモード): 周囲のWi-Fiをキャッチして中継。ホテルWi-FiやカフェWi-Fiに対応。
- USBテザリング: スマホとUSBで接続し、Slate AXにインターネットを供給。4G/5G通信を活かせます。
管理画面上で「インターネット」タブを開き、接続方式を選択して進めるだけでOKです。
Wi-Fi設定とセキュリティ
Slate AXがインターネットに接続できたら、自分専用のWi-Fi環境を整えましょう。
「ワイヤレス」タブから、SSID(Wi-Fi名)やパスワードを自分好みに変更可能。2.4GHzと5GHzは別々に設定できます。
セキュリティはWPA2/WPA3混合モードがデフォルト。対応端末が多い場合はそのままで問題ありませんが、セキュリティを高めたいならWPA3専用モードに変更するのもアリです。
さらに、Slate AXでは「ゲストWi-Fi」や「MACアドレスフィルタ」「ファイアウォール」など、中〜上級者向けの設定も豊富。必要に応じてカスタマイズできます。
ここまで設定すれば、Slate AXは「安全かつ高速なマイWi-Fi環境」としてすぐに使える状態になります。
GL-AXT1800 Slate AXの活用方法
Slate AXは、ただのポータブルWi-Fiルーターではありません。 VPNや中継機能、ストレージ連携、広告ブロックなど多彩な機能を活かせば、自宅でも出先でも“本気のネット環境”が手に入ります。
ここでは、実際に私たちトビガスマルでも活用している現場ベースの使用例を3つご紹介します。
旅行先での安全なWi-Fi環境構築
ホテルや空港のフリーWi-Fi、正直ちょっと不安ですよね。通信が暗号化されていないことも多く、情報漏洩リスクも否定できません。
Slate AXを使えば、そのWi-Fiを中継して、自分専用のセキュアなWi-Fiを構築できます。 VPNも同時にONにしておけば、カフェにいながら社内ネットワークにいるのと同じ感覚で作業が可能。
さらにSlate AXに接続した機器(PC・スマホ・タブレット)は、すべて同じネットワーク内に置けるので、データ共有や印刷もスムーズ。まさに“持ち運べるオフィス”です。
自宅でのセキュアなネットワーク環境構築
Slate AXは旅先だけでなく、自宅や小規模オフィスでも重宝します。
たとえば、既存のWi-Fiルーターが古くて不安定な場合、Slate AXをブリッジモード(アクセスポイント)で接続すれば、Wi-Fi 6対応の高速・安定なネットワークが手に入ります。
また、VPNサーバーとして常時稼働させておけば、外出先から自宅ネットワークにアクセスしてファイルやNASに安全に接続することも可能です。
しかもUSBポートを使えば、簡易NASやメディアサーバーとしても活躍。コンパクトながら拡張性の塊です。
AdGuard Homeによる広告ブロック
Slate AXには、ネットワーク全体の広告をカットできる「AdGuard Home」が搭載されています。
これをONにするだけで、接続したすべてのデバイスでブラウザの広告・アプリ内のトラッカーなどをDNSレベルでブロック可能。 しかもローカルで動作するので、ブラウザの拡張機能よりも軽くて速い。
私は出張時、Slate AXにAdGuard Homeを常時ONにして、動画視聴や資料ダウンロードをサクサク快適にしています。 作業の集中力アップにも効果アリですよ。
こうした機能をフル活用すれば、Slate AXは「ただのポケットルーター」を超えた、“持ち運べるネット環境の司令塔”になります。
GL-AXT1800 Slate AXのトラブルシューティング
Slate AXは高機能なぶん、設定や接続でつまずくこともあります。 ここでは、現場でもよく聞く「接続できない」「遅い」「初期化したい」といったトラブルの対処法をまとめました。
接続できない場合の対処法
まず多いのが「Slate AXのWi-Fiにはつながるけど、インターネットに出られない」という症状。
この場合、下記をチェックしてください:
- インターネット接続方法の確認: ホテルWi-Fi中継(WISPモード)やテザリングの場合、接続先のSSIDとパスワードが正しく設定されているか。
- ホテルの認証ページ(Captive Portal): 最初にブラウザで「http://neverssl.com」などを開くと、ログイン画面が表示されることがあります。
- DNS設定の確認: 特にVPN使用時は、DNSを「Cloudflare(1.1.1.1)」などに固定すると安定する場合があります。
どうしても管理画面に入れない場合は、「192.168.8.1」に直接アクセス、またはLANポート経由で有線接続を試してみてください。
速度が遅い場合の対処法
「Wi-Fi6対応なのに、なんか遅い…」と感じたら、以下の項目を確認してみましょう。
- 2.4GHz帯に接続していないか? ⇒ より高速な5GHz帯に接続しなおす
- Repeater(中継)モードの場合、元Wi-Fiの電波が弱い ⇒ ルーターの設置位置を変えるか、有線接続を検討
- VPN経由で通信している ⇒ OpenVPNよりもWireGuardのほうが高速です
- 他デバイスの同時接続が多い ⇒ 同時に動画再生・アップロードが重なっていないか確認
また、Slate AXのファームウェアを最新に保つことも重要です。 「管理画面 > システム > アップグレード」から、最新バージョンを確認・更新できます。
工場出荷時リセット
設定がぐちゃぐちゃになった、管理画面にアクセスできない…そんなときは工場出荷時リセットで初期化しましょう。
やり方は簡単です:
- Slate AXの背面(または底面)にある「RESET」ボタンを10秒以上長押し
- LEDが点滅し始めたら指を離す
- 数十秒後、自動的に再起動され、初期状態に戻ります
※パスワードやSSID設定、VPN設定などすべて初期化されるのでご注意ください。
Slate AXは基本的に安定動作しますが、環境によっては相性や制限が発生することも。 そんなときは焦らず、ひとつずつ設定を確認していけば解決するケースがほとんどです。
まとめ
GL-AXT1800 Slate AXは、「旅先でも、自宅のような安心・快適なネット環境を持ち歩きたい」そんなニーズにぴったりのトラベルルーターです。
手のひらサイズながら、Wi-Fi 6対応の高速通信、VPNクライアント&サーバー機能、USBストレージによる簡易NAS、さらには広告ブロック(AdGuard Home)まで搭載という、まさに“全部入り”のネットワークハブ。
リモートワーカーにとっては、Slate AXがあるだけで「どこでも自宅レベルの作業環境」が手に入り、出張先や現場でのネット不安を大きく減らすことができます。
もちろん、どんな機器にも慣れが必要ですが、Slate AXは管理画面もわかりやすく、初期設定もシンプル。カスタマイズ性も高いため、「ネットワークの自由度」を求めるユーザーにとっては、非常に頼れる1台です。
ちょっとマニアックな印象を持たれがちですが、このコンパクトな筐体に詰まった機能は、使ってみると手放せなくなります。

トビガスマルでは、映像制作やライブ配信の現場でもSlate AXを活用しています。
「こういう使い方できる?」「現場用にカスタマイズしてほしい」など、実務目線での導入相談もお気軽にどうぞ。
プロの現場で選ばれるルーター、あなたの現場にも1台いかがですか?

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