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機材レビュー

EOS R1を動画現場でどう活かすか|導入から1年使い倒したプロの実戦レビュー

代表社員 廣瀬高之

こんにちわ、クセのツヨい映像制作会社「トビガスマル」代表の廣瀬です。

Canon EOS R1 は、多くの人が「静止画のフラッグシップ」と認識しています。
確かにスペック表だけを見ると、スポーツ・報道向けの“写真機”のように思えるかもしれません。

──しかし、じつはR1、動画現場でも笑っちゃうほど強い一面を持っているんです。

トビガスマルでは、R1 を導入してちょうど1年。
企業VP、イベント記録、学校撮影、リアルタイム案件、ロケのワンオペなど、
あらゆる現場で使い倒してきました。

その結果わかったのは、R1は“動画機ではないのに動画で刺さる瞬間が確実にある”ということ。

・AFの粘りが編集コストを激減させる
・弱光や逆光での被写体保持力が異常に高い
・6K RAW や 4K120p が実務で意外と便利
・一体型ボディのタフさがロケで圧倒的な安心感を生む

こうした要素が積み重なり、R1は「動画メインの制作会社が導入しても価値がある」カメラだと確信しました。

この記事では、導入1年のリアルな経験をもとに、EOS R1を動画現場で“どう活かすか”を徹底的に解説します。

“スペック表ではわからないR1の本質”を、現場目線でお伝えしていきます。


EOS R1は“写真機”ではない? 1年使って見えた動画機としての本質

EOS R1の情報が出た当初、多くのクリエイターがこう言いました。
「R1は写真のフラッグシップ。動画はオマケでしょ?」

正直、私も導入する前は同じ印象でした。
でも、1年間あらゆる現場で使い続けて分かったのは──

R1は“動画機ではない”のに、動画現場で想像以上に使える。

この矛盾のような事実こそ、R1の本質です。

● 理由①:R1のAFは“動画向けにチューニングされている”と感じる瞬間が多い

R1のAFは、写真のための高速性能と思われがちですが、実際には動画でも異常に強い。

・被写体認識の精度
・背景に引っ張られにくい粘り
・動物/人物/乗り物の追従性
・AFの移動速度の自然さ

特にAF速度の“滑らかさ”はR5 IIやR3より好印象で、
人物ドキュメンタリー・走りながらのBロールでもフォーカスが破綻しにくい。

「AFが迷わない=編集で使えるカットが増える」
このメリットは、動画制作会社としては絶大です。

● 理由②:ローリングシャッターの少なさが、映像の“質”を底上げする

R1は stacked センサーの読み出し速度が速く、
ローリングシャッター(歪み)が非常に少ないのが特徴。

・横パンが多いイベント撮影
・ドローン的な動きの地上ショット
・望遠での追従撮影

こうしたシーンで、R1の「歪まなさ」は明確な武器になります。
1年通して最も恩恵を感じたポイントの一つです。

● 理由③:R1の“タフさ”は動画撮影でこそ真価を発揮する

動画撮影の現場は、いつも綺麗なスタジオだけではありません。

・炎天下の運動会
・海辺のロケ
・大雨の設営撤収中
・長時間のワンオペ撮影

R1は一体型ボディ+強力な防塵防滴のおかげで、
「機材トラブルで撮れない」リスクが極端に少ない。

これ、映像制作会社にとっては“保険以上の価値”があります。
クライアントの前で、カメラが壊れる可能性を最小限にできる──
これだけで1台持ち出す意味がある。

● 理由④:グリップ一体型=“縦動画”にも地味に強い

ショート動画の需要が爆発している今、
「縦動画を安定して撮れる」ことは立派な武器です。

R1は縦グリ一体型なので、縦動画を撮る時の手持ち安定性が抜群。
R5系より重心が安定し、パンニング・フォローカットも滑らかです。

● 結論:EOS R1は“動画機ではないのに動画で強い”という異色の存在

スペック表で見ると動画専用機には見えません。
でも現場で使うと、
「動画撮影に必要な要素」が異常に高い次元で揃っているという事実に気づきます。

R1は動画を撮るためのカメラではありません。
しかし、動画現場でこれほど頼れるカメラもなかなかない。

1年使って出た結論はただひとつ。

EOS R1は“動画現場の保険であり武器”。

ここから先の章では、R1を具体的にどう活かすかを徹底的に解説していきます。

トビガスマルがR1を導入した理由(動画制作会社の目線)

正直に言えば、EOS R1は「動画用カメラ」としては高すぎるし、重すぎるし、オーバースペックです。
動画制作会社としては、R5 II や C70、FX3 などの方が現実的な選択肢です。

──それでも、トビガスマルはR1を導入しました。

その理由は、スペック表ではなく“現場のリアル”にあります。

・R1に求めたのは「絶対に外さない」信頼性

動画制作には「やり直しがきかない瞬間」があります。
子どもドキュメンタリー、企業の式典、イベント本番、スポーツの決定的瞬間……。

こういう時に必要なのは、画素数でもログの階調でもなく、
“フォーカスを外さない機材”です。

R1は、
・AFの粘り
・被写体認識の正確性
・読み出し速度の速さ
・極限環境での耐久性
これらが「動画現場でも信頼できるレベル」にあります。

トビガスマルにとってR1は、
“絶対に失敗できない現場”用の保険カメラとして導入した側面が大きいです。

・R5 / R6 / C70 / FX3 では埋めきれなかった“穴”

もちろん、トビガスマルにはRシリーズ・シネマカメラ・ソニー機も揃っています。
それぞれに役割がありますが、「決定的に弱い部分」も存在します。

R5 / R6: 動画は優秀だが、AFの保持力と耐久性で不安が残る
C70: 運用が安定して神機だが、瞬間のAF追従力ではR1に軍配
FX3: 高感度と動画は強いが、動体の追従性はCanonが有利

つまり、どれも優秀なのに、
「絶対に外せない瞬間」で100%信頼できる存在ではなかった

その“穴”を埋めるためのピースとして、R1が完璧にハマりました。

・静止画ではなく“動画運用”前提の導入判断だった

実はトビガスマルでは、R1を静止画メインとして購入したわけではありません。

むしろ、
「動画現場の歩留まりを改善するため」
に導入したのが正直なところです。

・編集で“使えないカット”を減らす
・AFの精度でロケのストレスを減らす
・現場の安定性を高める(熱暴走・故障リスクの低減)
・望遠Bロールの破綻を防ぐ

こうした要素が、**長期的な制作品質と効率に直結すると判断**しました。

● 結論:R1導入は“贅沢ではなく必要性”だった

R1は確かに高価なカメラです。
しかし、1年使って感じるのは、
「トビガスマルにとっては必要な投資だった」ということ。

・AFの外さなさ
・タフさ
・信頼性
・ロケ中の安心感
・撮影の歩留まり改善

これらの要素は、スペック表にもCMOSの型番にも記載されません。
でも、“現場で結果を出すカメラ”とは、そういう部分に価値があります。

R1導入は、トビガスマルの現場クオリティを一段上げてくれた判断でした。

R1を動画現場で活かすポイント(1年使ってわかった強み)

EOS R1は静止画機として設計されていますが、1年間動画現場で使い倒して感じたのは、
「動画制作会社だからこそ引き出せる“動画の強み”がいくつもある」ということでした。

ここでは、R1を動画用途で活用するうえで最も価値を感じたポイントを紹介します。

① AF性能が動画現場の“編集コスト”を下げる

R1のAFは、動画において「ミスカットを減らす力」が圧倒的です。

ドキュメンタリーのワンオペや、子ども・動物・スポーツ・イベントなど、
「どんな動きをするか分からない被写体」への対応力が異常に高い。

・被写体を見失わない
・背景に引っ張られにくい
・フォーカス移動が自然で滑らか

特に人物の横移動・手前への急接近・人混みの中での顔認識など、
“他のカメラでは不安が出る場面”でR1は外しにくい。

その結果、編集でカットを捨てる量が明確に減りました。
これは現場レベルでは最強のメリットです。

② 高速読み出し×低ローリングシャッターのメリット

R1の裏面照射 stacked CMOS は、読み出し速度が非常に速く、
ローリングシャッター歪みが小さいのが大きな武器です。

動画で特に効くのは以下のような場面:

  • 横パンの多いイベント記録
  • 手持ちでの動きの速い移動ショット
  • 望遠100-300mmでの人物追従
  • 建物や電柱など“縦のライン”が多い場所の撮影

一般的なミラーレスでは歪むシーンでも、R1はかなり安定します。
「画が強い=素材として優秀」なので、映像全体のクオリティが底上げされます。

③ 動物・人物・乗り物認識が“動画でも強い”理由

R1の被写体認識は静止画だけでなく、動画でも高い精度を発揮します。

・人間の顔・頭部をロストしにくい
・動物撮影で目に吸い付くように追従する
・乗り物(車・バイク・自転車)も認識が優秀

特に印象的なのは、「人混みの中でも狙った人物だけを追い続ける粘り」です。

インタビュー撮影中に後ろを人が横切っても、
R1はほぼ「抜けない」。
これは他機だと意外と弱い部分で、R1の信頼感につながっています。

④ 視線入力AFは動画撮影の実務で使えるのか?

R1の特徴的な機能である視線入力AF
動画で使うのは難しいと思われがちですが、1年使って分かった答えはこうです。

「シーンとレンズが合えば、普通に使える」

おすすめの場面は:

  • 被写体が複数いるシーンで“狙う人物を素早く指定”したいとき
  • 子どもの運動会など、動きがランダムな時
  • 望遠で一瞬の表情を拾いたい時

ただし、ジンバル使用時や長時間撮影では、目の疲れが出るため
視線入力を“常用する”というより、
ピンポイントで使える“切り札”という位置づけが最適です。

⑤ 一体型ボディの剛性と信頼性がロケで効く

R1は縦グリ一体型の大型ボディですが、
この形状は動画でもメリットが大きいです。

・手持ち時のブレが少ない
・縦動画(ショート動画)の安定感が抜群
・熱耐性が高く、長時間収録で安心
・雨・砂・粉塵にも強い

特に屋外イベントやスポーツ大会など、
「絶対に止められない長時間撮影」でR1のタフさは真価を発揮します。

● 結論:R1の動画性能は“数値では測れない強さ”が詰まっている

6K RAW や 4K120p といったスペック以上に、
R1は動画撮影に必要な“本質的な強さ”を持っています。

・AFの信頼性
・ローリングシャッター耐性
・被写体認識の強さ
・タフネス
・素材としての安定性

これらはスペック表では判断できず、
現場で使い倒して初めて分かる価値です。

R1は“動画専用機”ではありません。
しかし“動画現場で結果を出せる機材”であることは、1年使った今なら断言できます。

動画設定の最適解|R1を動画用に仕上げるセッティング

EOS R1は静止画フラッグシップですが、動画設定を詰めれば
シネマ機顔負けの“扱いやすさ”と“安定性”を発揮します。

ここでは、トビガスマルが実際の現場で使ってきた
「R1動画設定のベストプラクティス」を共有します。

・6K RAW / 4K120p / 4K60p の使い分け

R1の動画は “何を撮るか” でモードを切り替えると効率が上がります。

▼ 6K RAW(高品質・編集余力MAX)

  • 商品プロモーション
  • シネマティック演出のあるBロール
  • 望遠での質感重視のカット

階調・色の余裕が段違いですが、容量が重いのがデメリット。
プロ用案件・作品撮りに適しています。

▼ 4K120p(高速スロー)

  • ダンス・スポーツ・動物の動き
  • イベントの印象カット
  • シネマティックな“手持ちスロー”

R1の4K120pは歪みが少なく、AFの粘りも強いので、
「スローが簡単に美しい」という強みがあります。

▼ 4K60p(汎用)

  • 企業イベント・式典
  • ドキュメンタリー
  • ロケのワンオペ

編集の扱いやすさ × 現場の安定性のバランスが最強。
トビガスマルでは最も使用頻度の高いモードです。

・シャッタースピード設定の基準

動画で最も重要な要素のひとつが “シャッタースピード”。
R1はシャッター精度が高いので、ここを詰めると映像が一気に映画っぽくなります。

▼ 基本ルール:フレームレートの2倍

  • 24p → 1/50秒
  • 30p → 1/60秒
  • 60p → 1/125秒
  • 120p → 1/250秒

この設定が“自然なモーションブラー”を作ります。
屋外ではNDフィルター必須です。

・AF追従速度・感度の調整ポイント

R1のAFは強力ですが、そのまま使うと少し速すぎることがあります。
動画ではAFは“滑らかさ”が命なので、以下を推奨します。

▼ トビガスマルおすすめ動画AF設定

  • AF速度:-1〜0(ややゆっくり)
  • 追従感度:-1(粘る設定)
  • 顔+瞳認識:ON
  • 被写体認識:人物 or 動物

こうすると、フォーカス送りが自然で映画的になります。
「ヌルいフォーカスの動き」がR1で簡単に作れるのは大きなメリットです。

・手ブレ補正の種類と“使ってはいけないシーン”

R1のIBIS(ボディ内手ブレ補正)は強力です。
しかし動画用途では使い方を間違えると逆に揺れます

▼ 手ブレ補正の使い分け

  • 手持ち歩き撮影 → ON(標準)
  • 望遠100mm以上 → ON(協調ISが優秀)
  • 三脚・ジンバル → OFF(暴れやすい)

ジンバル使用時はIBISを切らないと「ブルブル揺れ」が発生します。
ここは現場で一番ミスが起きやすいポイントなので要注意。

・ログ撮影(Canon Log 3 / RAW)の運用ノウハウ

R1の色はCanonらしく非常に扱いやすいですが、
Log3にするとダイナミックレンジが一気に広くなります。

▼ Log3が効く場面

  • 逆光のインタビュー
  • 屋外のロケ
  • 白い服 × 黒い背景などの高コントラスト

RAWは編集耐性が高いものの、容量が重いため、
「重要なBロール」だけ切り替えるのが現実的です。

● 結論:R1は“設定と考え方次第”で動画機として化ける

R1は動画専用機ではありませんが、
適切な設定を行うことで驚くほど扱いやすい動画カメラになります。

・モードの使い分け
・AF速度の調整
・ログ/RAWの判断
・手ブレ補正の理解

これらを押さえるだけで、R1の動画性能は“別物”になります。
現場での信頼性と合わせて、R1は動画制作にも十分導入する価値のある1台です。

R1を動画現場に入れるなら“こう使う”がベスト【実戦例】

1年間R1を使い込んではっきり分かったのは、
「R1を動画現場でどう運用するか」がパフォーマンスのすべてを決めるということ。

ここでは、実際にトビガスマルが現場で発見した
R1 × 動画 の最適な立ち位置を紹介します。

① Bロール専用の“高速AFクリップ”要員として使う

R1は、とにかく動く被写体に強い
そのため、Bロール収集で以下のようなシーンで大活躍します。

  • 子ども・動物のランダムな動き
  • 走りながらのドキュメンタリー撮影
  • イベント中の“決定的瞬間”の切り取り
  • 逆光や複雑な背景での人物追従

R1のAFは、
「ピントが合っている素材だけを量産できる」ため、
編集で使えるカットが増え、全体の映像品質が底上げされます。

② 一発撮りロケ(子ども・動物・イベント=撮り直し不可)

R1の真骨頂は、「一度しかチャンスがない現場」です。

・卒園式の入場シーン
・学校現場の行事
・動物や自然ドキュメンタリー
・式典・表彰・ステージイベント

こうした場面では、
「外さないこと」=最大の品質向上です。

R1はどんな光でも追従し、揺れても迷わず、突然動き出しても外しません。
撮り直しが効かない現場では、R1ほど安心して任せられるカメラは稀です。

③ 望遠寄りのシネマティック撮影(RF100-300mmなど)

R1 × 望遠レンズの組み合わせは、動画でこそ真価を発揮します。

特に RF100-300mm F2.8 などの中望遠〜望遠ズームは、
「AF・画質・追従・手ブレ」 のすべてが安定。
R1なら、動く被写体を望遠で確実にフォーカスし続けられます。

望遠Bロールで使うと、
・背景のボケ質が綺麗
・フォーカスが外れない
・素材の質がシネマ寄りになる

R1は望遠動画の安定性で、他機種を明確に引き離しています。

④ サブカメラにしない“逆にメインでの運用方法”

動画現場ではR5 IIやC70をメイン、R1をサブに…という運用が一般的ですが、
トビガスマルの結論は少し違います。

R1は“サブにしないほうがいいカメラ”。

理由はシンプルで、
「外しにくいAF」+「安定した画」+「信頼性」
が、メインカメラにふさわしいからです。

▼ メインで使うと輝く現場

  • イベント記録(常に動きがある)
  • スポーツ大会やダンス撮影
  • 動的な企業VP(工場・製造現場など)
  • 望遠主体のロケ(自然・学校・式典)

“撮る量が多く、失敗が許されない撮影”は、R1をメインに据える価値があります。

● R1は「常に持ち出す」カメラではなく「決めに行くカメラ」

1年使って分かったのは、R1は
「万能機」ではなく「スペシャリスト」だということ。

・動く被写体が多い現場
・ミスが許されない本番
・望遠主体の撮影
・屋外の長時間ロケ

この4つの条件が揃うと、R1は他のどのカメラよりも信頼できます。

そしてR1を動画現場に導入する最大の価値は、
「リスクを減らし、歩留まりを上げ、作品全体を底上げする」
という点にあります。

どんなにスペックが高くても、現場で“外す”カメラに価値はありません。
R1はその真逆を行く、“成功確率を最大化するカメラ”です。

R1と組むと最強になるレンズ・アクセサリー

R1の動画性能は、
「どのレンズ・アクセサリーと組むか」で劇的に変わります。

ここでは、1年間の実戦を経て
「これはR1との相性が抜群」
と断言できる機材だけを厳選して紹介します。

・RF100-300mm F2.8 L IS USM(望遠動画最強)


望遠動画を撮るなら、間違いなくコレ。
R1のAF性能と追従性が100%活きる、まさに“最強の組み合わせ”です。

▼ こういう現場で圧勝

  • スポーツ・ダンスイベント
  • 運動会・学校行事
  • 自然・動物ドキュメンタリー
  • 工場・製造ラインなどの企業VP

R1の低ローリングシャッター × RF100-300mm の光学性能は、
「望遠動画を別格のクオリティにする」組み合わせです。

・RF70-200mm F2.8 L IS USM(万能ズーム)


機動力と画質のバランスが最強。
どんな現場でも頼れる、R1の“準標準ズーム”と言っていいレンズです。

▼ このレンズが輝く場面

  • 記録映像(式典・講演・セミナー)
  • インタビューの引き・寄り
  • ステージイベントのBロール

R1のAF精度と組み合わせると、70–200mm がまるで“最速AFレンズ”のように振る舞います。

・RF24-70mm F2.8 L IS USM(動画の標準仕事レンズ)


企業VP・ロケ・ウェディング・イベント、すべてに対応できる“動画万能レンズ”。

R1の手ブレ補正と協調ISで、手持ち動画が想像以上に安定します。

▼ 特に強いシーン

  • 手持ち歩きのBロール
  • 会場内の状況カットの収集
  • 企業の工場・オフィスのロケ

R1ユーザーなら、ほぼ必須の一本です。

・RF15-35mm F2.8 L IS USM(広角の最適解)


広角動画を撮るなら、これが最も実戦的。
R1のAFと広角の協調が非常に自然で、破綻が少ないです。

▼ 活躍シーン

  • イベントの空気感を伝えるワイドショット
  • 建築・不動産動画
  • 巨大空間での歩き撮り

R1で扱う広角動画の“安心感”を最大化できます。


【アクセサリー編】R1の動画性能をさらに引き上げる機材


・NDフィルター(動画の必需品)

R1は明るいレンズを使うことが多いので、
屋外ではシャッタースピードを固定するためにNDは必須です。

▼ 推奨

  • 可変ND(高品質タイプ)
  • シネマND(1/4, 1/8, 1/16)

R1 × F2.8レンズはNDなしでは撮影になりません。

・外部モニター(ピーキング・波形表示)

R1は動画アシストが少なめなので、
外部モニターを足すと「動画機」へ進化します。

  • 波形モニター(露出管理が楽)
  • フォーカスピーキング強化
  • LUT適用モニタリング

Log撮影が一気に扱いやすくなります。

・外部マイク(録音品質の底上げ)

R1は内蔵マイクが弱いので、動画撮影では外部マイク必須です。

▼ 用途別

  • インタビュー:ショットガンマイク
  • 現場記録:カメラ上マイク
  • 動きの多いロケ:ワイヤレスピンマイク


・大容量CFexpress Type B(信頼性のコア)

6K RAWや4K120pの撮影では、カードの速さと容量が安定性を左右します。
高品質カードを選ぶだけで、R1は動画の信頼性が段違いに上がります。

● 結論:R1は“相棒選び”で動画機として完成する

R1単体でも優秀ですが、
レンズ・アクセサリー選びで“動画最適化”が完成します。

・望遠動画 → RF100-300mm
・万能ロケ → RF24-70mm / 70-200mm
・広角演出 → RF15-35mm
・Log運用 → NDフィルター+外部モニター
・長尺撮影 → 高耐久CFexpressカード

これらを組み合わせることで、R1は
「動画専用機ではないのに動画で勝てるカメラ」
へと進化します。

結論|R1は動画機ではない。でも“動画現場で刺さる瞬間”がある

EOS R1を1年間、動画現場で使い倒して分かったこと。

それは、R1は決して「動画専用カメラ」ではないという事実です。
しかし同時に、
“動画現場を確実に救う瞬間があるカメラ”
だということも、揺るぎない真実でした。

・R1の価値は「スペック」ではなく「外さない力」

R1は数値上の動画スペックだけを見れば、他のシネマ機の方が上です。
でも、現場で本当に大切なのはスペックではありません。

・フォーカスを外さない
・ローリングシャッターが少なく、画が安定する
・追従し続ける被写体認識
・過酷な環境でも止まらない信頼性

これらはすべて、“撮影の成功率を上げる力”です。
そして動画制作の現場ほど、この力が求められる仕事はありません。

・R1は動画現場の“守護神”であり“切り札”である

イベント、式典、学校、スポーツ、ドキュメンタリー、工場ロケ……。
撮り直しがきかず、瞬間を逃せない現場では、R1は圧倒的な武器です。

R1を現場に持っていくということは、

「ミスの確率を限りなくゼロに近づける」

ということ。

他のどんな動画機にもない価値が、ここにあります。

・R1は“万能の動画機”ではない。だからこそ輝く

確かにR1は万能ではありません。
動画アシストは最小限、重量は重く、RAWは巨大。
動画専用機とは明確に役割が違います。

でもだからこそ、R1が刺さる現場があります。
そして、その瞬間には他のカメラでは代替できません。

● 1年使った上での最終結論

R1は、“動画も最強”のカメラではありません。
しかし、“動画現場で確実に結果を出すカメラ”です。

・外さないAF
・低歪みの美しい画
・高い耐久性
・被写体認識の粘り
・望遠動画の安定性

これらはR1だからこそ得られる武器であり、
動画制作会社にとっては現場の成果を左右する決定的な差になります。

結局のところ──
R1は、動画現場の“成功率”を最大化するためのカメラ。

だからトビガスマルは、これからもR1を使い続けます。
動画機ではない。
でも、動画現場で最も信頼できる。

それがEOS R1の真の価値です。


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