
こんにちわ、合同会社トビガスマル代表の廣瀬です。
動画マーケティングが当たり前になった今、「本編を見せる前に、期待感でユーザーを惹きつける」ための手法として、ティザー動画の活用が注目されています。
実際、私たちが企業やイベントの映像制作を担当する中でも、「まだ詳細は出せないけど、気になる存在になっておきたい」というご相談が増えています。
そんなときに力を発揮するのが、ティザー動画です。
この記事では、ティザー動画とは何か?どんな効果があるのか?という基本から、成功するために欠かせない要素や制作の流れ、実際の活用事例までを徹底解説します。
「何か始まりそう」という“ワクワク”をつくること。
それが、現代の動画マーケティングにおける第一歩になるかもしれません。
目次
ティザー動画とは?その本質とマーケティングにおける役割
ティザー動画とは、本編や正式発表の前に流す“予告・予兆”の映像です。 商品・サービス・イベント・ブランドなど、あらゆる分野で「これから始まる何か」への期待感を高める手段として使われています。
ティザー動画の定義と目的
「tease(じらす)」という言葉の通り、ティザー動画の最大の役割は、すべてを明かさず、あえて“気になる余白”を残すこと。
具体的な目的は:
- 新製品やプロジェクトの存在を匂わせる
- 発表日・発売日までの興味を持続させる
- SNSや口コミで話題化を狙う
つまり、「何これ?気になる」「詳細はまだなの?」という感情を引き出すことがティザー動画の本質です。
PV(プロモーションビデオ)との違い
「ティザー動画とPVの違いって何?」という質問もよくいただきます。 一言でいうなら、
PVは“説明”がメイン、ティザーは“演出”がメイン
プロモーションビデオ(PV)は、商品の特徴・機能・導入効果などをしっかり伝える本編映像。 一方ティザーは、“匂わせる・気にさせる・問いを投げかける”演出が軸になります。
ティザー → PV(本編)という流れをセットで設計するのが理想的です。
なぜティザー動画が重要なのか
情報があふれる今、人の注意を引く“最初の接点”をどうつくるかが非常に重要です。
その入口としてティザー動画は:
- SNSでの話題拡散を促す
- 展示会・リリースイベントで注目を集める
- 正式発表のハードルを下げ、導入の成功率を上げる
たとえるなら、ティザーは映画の予告編。 ネタバレせず、でも「これは観たい」と思わせる技術。 それを、プロモーションにも活かすという発想です。
成功するティザー動画に欠かせない3つの要素
ただ「短くしておけばティザーになる」――というわけではありません。 心を動かすティザー動画には、共通する3つの要素があります。
それは、期待感・インパクト・タイミング。 この3つを意識すれば、短尺でも人を惹きつける“プロローグ”が作れます。
期待感を煽るストーリーテリング
ティザー動画で最も重要なのは「全部は見せないこと」。
あえて説明を省略し、「これは一体なんだろう?」という問いや謎を提示することで、 ユーザーの頭の中に“続きを知りたい”という欲求を生み出します。
おすすめの構成:
- 意味深なシーンやキーワードを見せる
- ナレーションや字幕で問いを投げかける
- 最後に「Coming Soon」や公開日で締める
ティザーとは、情報ではなく感情を引き出す演出だと捉えると、グッと効果的になります。
視覚的なインパクトと独自性
情報が溢れる今、目に止まる“第一印象”を作ることも不可欠です。
特にSNSやイベント会場で流すティザー動画では、最初の3秒が勝負。
以下のような演出が有効です:
- シルエットやモーショングラフィックで“正体不明”の雰囲気
- アップテンポなBGMと大胆なカット編集
- ブランドカラーや世界観を強調したビジュアル
「一瞬で印象に残る」「あとからでも思い出せる」 そんな記憶に残る映像づくりを意識しましょう。
定期的な情報更新と公開日の明示
ティザーは単発で終わらせるのではなく、シリーズ設計にすることで効果が倍増します。
例:
- 第1弾:映像だけのティザー
- 第2弾:キーワードやコンセプトを追加
- 第3弾:公開日や発表会の予告
このようにステップを分けて情報を小出しにしていくことで、ファンやフォロワーの“期待値”を少しずつ高めていくことができます。
その際、「いつ公開されるか」を明示しておくのも大切です。 「近日公開」ではなく○月○日 12:00公開など、明確なカウントダウンを設けることで、注目度も上がります。
効果的なティザー動画の制作手順:4ステップ
ティザー動画は短尺でありながら、演出・タイミング・構成力が問われる映像です。 だからこそ、しっかりとした設計と段取りが成功のカギを握ります。
ここでは、私たちトビガスマルが実際の案件で使っている制作フロー4ステップをご紹介します。
ステップ1:明確な目的とターゲット設定
すべての始まりは、「何のために作るか?」をはっきりさせること。 ティザー動画は、プロモーション全体の中の“導入パート”にあたるため、本編との役割分担も重要です。
例えば:
- 新商品発表の話題化 → 期待感と謎を演出
- 採用サイト公開前 → 雰囲気と企業の空気感を伝える
- イベント告知 → 会場の熱や過去映像を使ってワクワク感を醸成
加えて、誰に見せたいか(若者?企業担当者?既存ユーザー?)を明確にすることで、伝え方・ビジュアル・音の選び方が変わってきます。
ステップ2:構成とシナリオの設計
ティザー動画は、1本30秒〜60秒が一般的。短いからこそ構成力=企画力が問われます。
おすすめ構成例(30秒の場合):
- 0:00〜0:05|意味深な映像・効果音
- 0:06〜0:15|問いかけや象徴的なキーワード
- 0:16〜0:25|断片的な情報・映像の伏線
- 0:26〜0:30|ロゴ+「Coming Soon」+公開日
このように「最後まで見ても全部はわからない」「でも気になる」を狙って構成を組むのがポイントです。
ステップ3:撮影・編集と音楽の選定
ティザー動画では、映像と同じくらい“音楽と編集”が空気をつくる要素になります。
具体的には:
- BGM:インストゥルメンタル中心、ビート感や雰囲気で世界観を演出
- 効果音:文字が出る瞬間や場面転換にアクセントを入れる
- 映像編集:テキストアニメーションやエフェクトを使い、短い中に緩急を
ナレーションはあえて入れないケースも多く、「音で語る」演出が主流です。
ステップ4:配信と効果測定
作って終わりではなく、「どう届けるか」「見られているか」を確認するところまでがティザー動画です。
おすすめの配信方法:
- SNS(X, Instagram, YouTube Shortsなど)でカウントダウン投稿
- 展示会やイベントブースでループ再生
- 公式サイトのメインビジュアルに埋め込む
再生回数・視聴維持率・SNSの反応などを見ながら、本編公開に向けた改善や修正も行っていきます。
ティザー動画の成功事例から学ぶ
ここからは、実際に企業が公開した印象的なティザー動画の活用事例を3つご紹介します。
それぞれの事例で、「どんな目的で作られたか」「どこに期待感を持たせたか」という視点で読み解くと、自社の動画制作にも応用しやすくなります。
事例1:株式会社SUBARU「新型LEVORG」
スバルが2020年に公開した新型LEVORGのティザー映像は、走行シーンを断片的に見せつつ、詳細を一切語らない構成が話題に。
・最初はシルエットのみ → 視覚的なインパクト ・中盤でエンジン音と疾走感 → 五感に訴える ・最後に車名と「近日公開」 → 印象に残す締め
結果的に、YouTube・SNS上でファンの考察が盛り上がり、正式発表前から大きな話題を生んだ好例です。
事例2:バンダイナムコ「Gジェネシリーズ 最新アプリ」
発表されたのは、内容未公開のゲームアプリ。その第一報として公開されたのが、“G”のロゴが浮かび上がる20秒のティザー動画でした。
・詳細ゼロ ・BGMとロゴのみ ・ファンならわかる演出
まさにコア層の反応を引き出すティザーであり、公式発表までの間にSNS上での自主的な拡散と予測投稿を加速させる結果となりました。
事例3:キオクシア「TEZUKA2020プロジェクト」
“もし手塚治虫が現代にいたら”というテーマで始動した映像AI×マンガの実験的プロジェクト。 第1弾ティザーでは、手塚作品風の世界観を映像化し、詳細は一切非公開という構成。
・知っている人には刺さる ・知らない人でも「何これ?」と引き込まれる
結果、国内外のクリエイター・メディアから注目され、文化的な話題づくりに成功しました。
どの事例にも共通するのは:
- すべては見せない
- 視覚+音で印象づける
- ファンや市場に“考察”の余白を残す
ティザー動画は、“熱量の起点”として機能するプロモーション戦略だということが、これらの事例からも見て取れます。
まとめ:ティザー動画で期待感を最大化し、マーケティングを成功へ
ティザー動画は、「情報を伝える動画」ではなく、「感情を動かす動画」。 すべてを語らず、“気になる”“もっと知りたい”という欲望を引き出すことが最大の目的です。
そして、成功するティザーには共通して、
- 視覚・音・構成で期待感を演出するストーリー性
- 第一印象で惹きつけるインパクトあるビジュアル
- 公開日を含めた計画的なリリース設計
この3つの軸を押さえることで、短尺でも“効果のある映像”に仕上げることができます。

私たちトビガスマルでも、製品発表・イベント・採用など、さまざまな分野でティザー動画の企画から制作までご一緒しています。
「まだ何も決まってないけど、何か始まる“空気”をつくりたい」
そんな段階でも、ぜひお気軽にご相談ください。
“語りすぎず、惹きつける”。それが、ティザー動画の真骨頂です。
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