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容量が減る!?Google Driveの共有フォルダで起きる意外なトラブルと解決策

Google Drive(グーグルドライブ)は、Googleが提供するクラウドストレージサービスです。ファイルをインターネット上に保存し、どこからでもアクセス・共有できる便利さから、多くの企業や個人に利用されています。基本サービスでは無料で15GBまで利用できますが、この容量はGmailやGoogleフォトと共通で使われるため、管理を怠るとすぐいっぱいになってしまうこともあります。企業ユーザーにとって、社内のストレージ管理は頭の痛い問題の一つです。特に人数が多い組織では、誰がどれだけ容量を使っているのか把握しにくく、いつの間にか容量不足に陥るケースも少なくありません。

代表社員 廣瀬高之

こんにちは、映像制作会社トビガスマル代表の廣瀬高之です。映像制作の現場でも、打ち合わせ資料から大容量の動画データまで、Google Driveのお世話になる機会はとても多いですよね。プロジェクトが重なるにつれクラウド上のファイルはあっという間に増えがちで、気がつくと残り容量がギリギリ…なんてお話を耳にすることもしばしばです。

そんな中で、クライアントや同業者から数多くいただく相談が「共有されたフォルダにファイルを追加しただけで、なぜか自分の容量が減っている…」というもの。実はこれ、Google Driveのファイルの“所有者”に関する仕組みに起因するのですが、あまり知られていないんですよね。確かに一見すると不思議な現象に思えます。

本記事では、Google Driveの「他者がシェアしたフォルダに自分がファイルをアップロードすると自分のストレージ容量が消費される」というポイントを中心に、企業ユーザーが陥りやすいストレージ管理の落とし穴と、その解決策をわかりやすく解説していきます。特に映像制作では数GB単位のデータを扱うことも多いため、一度でも容量不足に陥るとスケジュールに大きな影響が出てしまいます。初心者の方にも理解しやすいよう、私自身の経験や映像制作の現場ならではの視点を織り交ぜながらお話ししますので、ぜひ最後までお付き合いください。記事を読み終える頃には、容量不足の不安や共有フォルダの落とし穴に悩まず、効率よくクラウド運用を進めるためのヒントが得られるはずです。

なぜ、共有フォルダに入れたファイルで自分のストレージ容量が減るのか?

Google Driveでは、各ファイルに「所有者(オーナー)」という概念があります。ファイルをアップロードすると、そのアップロードを実行したアカウントがファイルの所有者となり、その人のDrive容量を消費する仕組みになっています。

結果として、「他人のフォルダに入れたのになぜか自分の容量が減る」という状況が起こります。
たとえ「他の人がシェアしたフォルダ」であっても、アップロードを行ったのが自分なら自分の容量が削られてしまうわけです。

この仕様を知らないと、共有フォルダにどんどん大容量の動画や写真を入れているうちにストレージがいっぱいになり、気づいたときには作業が止まってしまう……といった事態に陥りかねません。

共有フォルダは相手のものでも、ファイルは自分の所有物扱い

もう少し仕組みを詳しく見てみましょう。
Google Driveには「マイドライブ(自分のドライブ)」と「共有アイテム」という概念があります。他人から共有してもらったフォルダやファイルは自分のマイドライブには属さず、左メニューの「共有アイテム」からアクセスできます。

しかし、共有フォルダに対してファイルの追加権限(編集権)を持っている場合、自分はそのフォルダ内にファイルをアップロードできます。このときGoogle Driveの裏側では、「その新規ファイルは誰の所有物か?」を判断し、アップロード実行者をオーナーに設定します。そのため、共有フォルダ自体は相手のものでも、フォルダ内に自分が入れたファイルは自分の所有物扱いとなり、自分のストレージ容量から差し引かれるわけです。

対照的に、フォルダの共有元(オーナー)が入れたファイルであれば、その人の容量が減るだけで、閲覧専用で共有を受けている他の参加者の容量には影響しません。繰り返しになりますが、Google Driveでは「ファイルごとに所有者が決まり、その所有者の容量のみ消費する」のが基本ルールです。この点は後述する他社サービスとも比較するとわかりやすいでしょう。

映像制作の現場で陥りやすいGoogle Driveの共有トラブル

私たちの映像制作の世界では、ひとつの撮影データだけでも数GBに及ぶことが珍しくありません。プロジェクト数が増えると同時に、撮影素材や編集用データ、完成動画など膨大なファイルが行き交うようになります。「ちょっとだけ追加で素材をアップする」といった小さな積み重ねが、いつの間にかドライブ容量を圧迫してしまうのです。もし容量不足でアップロードがストップしてしまうと、納期に間に合わないリスクや、クライアントとのやり取りがスムーズに進まない問題が発生してしまいます。こうしたトラブルを避けるためには、Google Driveのファイルオーナーの仕組みを理解し、事前にしっかり運用ルールを整えておくことが重要です。

企業ユーザーはストレージ容量不足による業務停滞に注意を

企業ユーザーにとって最も怖いのは、ストレージ容量不足による業務停滞です。
たとえば社内プロジェクトでメンバー全員にフォルダを共有し、各自が資料をアップロードしていたとします。ある社員だけ早々にGoogle Driveの容量上限に達してしまうと、新しいファイルをアップロードできなくなるだけでなく、場合によってはメール(Gmail)の送受信までできなくなる可能性があります。実際、GoogleアカウントはDriveだけでなくGmailも容量を共有しているため、容量がいっぱいになるとメール送信も停止する仕組みです。企業活動においてメールや資料共有が使えなくなる事態は大きなリスクと言えます。

また、「自分の容量を使っている」という意識がないままファイル共有を行うことで、社員それぞれのGoogle Drive残容量に大きな偏りが出ることもあります。ある人は大量のファイルをアップロードして容量不足、別の人はほとんど容量を使っていない、といったアンバランスです。こうした偏りは企業全体で見るとストレージ資源の無駄につながり、追加ストレージの購入コスト増加を招く恐れもあります。

個人ユーザーにも関係ある? 答えは「YES」

では、この問題は個人ユーザーにも関係あるのでしょうか?答えは「YES」です。たとえば友人同士で写真を共有するために、一人がフォルダを作って他の友人に編集権限を与えたとします。各自が旅行写真や動画をそのフォルダにアップロードすると、アップロードした人それぞれのGoogle Drive容量が消費されます。無料プラン(15GB)の人はすぐにいっぱいになるかもしれません。「友達のフォルダだから安心」と思って大量の写真を入れていたら自分の残り容量がゼロに…なんてことも起こり得ます。個人利用でも、ファイルのオーナー=自分の場合は自分の容量が減る点は同じなので注意が必要です。

解決策:Google Workspaceの活用

この問題を根本的に解決するには、Google Workspace(旧G Suite)の機能を活用することが有効です。
Google Workspaceの企業向けプランでは「共有ドライブ」という仕組みを使うことができます。共有ドライブは通常の「マイドライブ」と異なり、ファイルの所有者が個人ではなくチーム(組織)に設定されます。つまり、共有ドライブ内にアップロードされたファイルはすべて組織の所有物となり、個々のユーザーの容量ではなく、組織全体で用意された共有ストレージを消費します。これなら、誰がファイルをアップロードしても個人のGoogle Drive容量は減りません。

例えば、ある企業がGoogle Workspaceのビジネスプランを導入し、社員向けに合計10TBの共有ストレージを持っているとします(実際にはユーザー数×プラン容量分がプールされます。2TB/ユーザーのプランで10ユーザーなら合計20TBなど)。社員は共有ドライブ上で自由にファイルをやり取りできますが、その容量は10TBの中でやりくりされ、誰か一人の「マイドライブ容量」を圧迫することはありません。管理者から見ると、会社全体でどのくらいストレージを使っているか一元管理できるメリットもあります。必要に応じてストレージ容量を追加購入したり、不要ファイルを削除して全体容量を確保したりといった統合的な管理が可能です。

さらに、社員の異動や退職時にも共有ドライブは威力を発揮します。個人のマイドライブにファイルを保存していると、その人が退職後にファイルの所有権を移す作業が必要ですが、共有ドライブ上のファイルであれば最初から組織所有なので権限移行の手間がありません。このように、Google Workspaceを導入して共有ドライブを活用すれば、ストレージ不足の心配や管理負荷を大幅に軽減できるでしょう。

他の選択肢とOneDriveを比較

クラウドストレージサービスはGoogle Driveだけではありません。他にもさまざまなサービスがあり、それぞれ特徴があります。ここでは代表的な OneDrive, Dropbox, Boxの3つについて、共有時の挙動や機能を比較してみます。

OneDrive(ワンドライブ)

Microsoftが提供するクラウドストレージです。Office製品との親和性が高く、Windowsに標準搭載されているため企業でも導入例が多いです。OneDriveでは共有フォルダに追加されたファイルはフォルダ所有者の容量のみ消費されます。つまり、他人から共有されたOneDriveフォルダ内にファイルをアップロードしても、自分のOneDrive容量は減りません(アップロード先の所有者側でカウントされます)。Microsoft 365(Office 365)利用者には1ユーザーあたり1TBなど大容量が割り当てられるプランもあり、社内の文書をOffice形式で扱うことが多い企業には便利です。ただし、OneDriveの共有は主にリンク共有(閲覧・編集権の付与)という形で、複数人で同じフォルダを同期するDropbox式の共有とは少し概念が異なります。

Dropbox(ドロップボックス)

シンプルなファイル同期・共有サービスとして古くから人気です。個人向け無料プランの容量は2GBと少なめですが、使い勝手の良さからスモールビジネスでも利用されています。注意すべきは共有フォルダの容量計上方法です。Dropboxでは無料版や個人版の場合、共有フォルダ内のファイルサイズは参加メンバー全員の容量として計上されます​。たとえば3人で共有した2GBのフォルダがあれば、各ユーザーの残容量からそれぞれ2GBずつ差し引かれる仕組みです(同じファイルが各人のアカウントに存在するイメージです)。このため、他人のDropboxフォルダに参加する際も自分の空き容量に注意が必要です​。
ただし、Dropbox Business(有料のチームプラン)ではチーム全体で容量を共有するため、同じチーム内のメンバーであればファイルは一度しか容量カウントされません​。大規模な共同作業ではDropboxより前述のGoogle DriveやOneDriveの方が効率的な場合もありますが、Dropboxは操作の簡単さや他サービスとの連携(Slackからのファイル共有等)に優れており、小規模チームや個人同士の素早いファイル共有に適しています。

Box(ボックス)

主に企業向けのクラウドストレージサービスで、セキュリティや権限管理機能が充実している点が特徴です。容量無制限プランもあり、大企業や研究機関で採用されるケースもあります。Boxにおけるファイル共有はGoogle DriveやOneDriveと同様に、ファイル所有者のアカウント容量のみが減少します。他ユーザーと共有したフォルダ内のコンテンツは、閲覧者・編集者として招待された側の容量にはカウントされません。そのため、Dropboxのように「共有相手にも空き容量が必要」という心配はありません。また、Boxは管理者がきめ細かくユーザー権限を設定できるため、社外とのファイル共有や機密データの取り扱いにも向いています。ただし、日本国内での知名度はDropboxやOneDriveに比べるとやや低く、普段使いの簡便さという点ではこれら競合サービスの方が優れる場合もあります。

まとめと推奨アクション

Google Driveで他者とフォルダ共有を行う際は、「誰がそのファイルのオーナーか」によって容量の消費先が決まることを覚えておきましょう。企業でのストレージ管理においては、各ユーザーが無自覚に容量を浪費しないよう社員に周知徹底することが大切です。「共有フォルダに入れたファイルでもアップロードした人の容量を使う」というポイントは新人研修などでも説明し、容量不足によるトラブルを未然に防ぎたいところです。

その上で、社内のストレージ運用を効率化するベストプラクティスとしては、やはり Google Workspaceの導入と共有ドライブの活用 が挙げられます。もし社内でGoogle Driveを頻繁に使って共同作業をしているのであれば、共有ドライブを使うことで容量管理の悩みから解放される可能性が高いです。特に「個々のユーザーに容量割り当てを買い足していくより、組織全体でプールされた大容量を使いたい」といったニーズには、Google Workspaceの仕組みがマッチします。管理者が一元的にストレージを監視できる点も、ガバナンス強化につながるでしょう。

もっとも、最適なソリューションは各企業の状況によって異なります。もし Microsoft 365 を主に利用しているなら、OneDriveやSharePointによるファイル共有の方が自然かもしれません。あるいはプロジェクト単位で社外の人ともやり取りが多い場合、Boxのようなエンタープライズ向けサービスを検討する価値もあります。トビガスマルでは、XDriveというサービスも活用しています。


重要なのは、「誰がどのファイルのオーナーか」を意識したストレージ運用を心がけることです。今回取り上げたGoogle Driveの仕様を理解し、必要に応じて適切なサービスやプランを選択することで、ストレージ不足によるリスクを最小限に抑えることができます。ぜひ自社のファイル共有の実態を見直し、最適なクラウドストレージ運用を検討してみてください。

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