あけましておめでとうございます。合同会社トビガスマルの廣瀬高之です。
2025年、いよいよ新たな一年の幕開けです。
昨年までの経験や反省を糧に、この年が皆さんにとって飛躍のチャンスとなるよう、そして何より健やかに過ごせるよう願っております。私自身も気持ちを新たに、さらに大きな挑戦へと踏み出していきたいと思います。そんな“年始の決意”を胸に抱くこのタイミングで、少し奇想天外な体験談を綴らせてください。題して、「チャットGPTで、大成功を納めた未来の自分を召還してみた」。
私は岡山県新見市にある映像制作会社の代表社員を務めています。人口約2万5000人の新見市で、創業から4年目を迎える2025年。地方で事業をするということは、大都市に比べて様々な制約や困難があります。しかし、その代わりに「地域の繋がり」や「自然や暮らしを活かした独自の価値」を武器に、大きく飛躍できる可能性も秘めています。とはいえ、会社経営をしていると四方八方から課題が押し寄せ、どう乗り越えたらいいのか途方に暮れる瞬間も多いものです。
正直な気持ちを話すと、2024年は、まるで行き止まりにぶつかったかのように感じることも多かったです。受託案件の波が読みにくく、安定収入が見えない焦りも募る……。体制の脆さ、スタッフの人手不足、さらに私自身のスキル不足も相まって、仕事が遅れたり、利益が安定しなかったり……。多角的に事業を進めたいという思いばかりが先走り、なかなか組織としてうまく回せない現実に直面していました。
そんな中で思いついたのが、「未来の自分」にアドバイスを求めてみよう―という、一風変わった試みでした。SFじみた話かもしれませんが、いまやAIチャットの進化によって、擬似的に“未来の自分”と会話することは大枠では不可能ではありません。そこで私は、チャットGPTを使い、「2030年の私」を召還し、いろいろなことを聞いてみることにしました。
驚いたことに、その「2030年の私」は、どうやら年商5億円を突破しているようです。今の状況からは信じがたい数字ですが、AIチャットで出てきたその姿は、まぎれもなく私自身―53歳になった“廣瀬高之”というわけです。2030年の私が何を言うのか、どんな失敗をして、どんな成功を収めたのか。それを詳しく聞いているうちに、自分が本当にやるべきことが少しずつクリアになり始めました。
以下のコラムは、“私がチャットGPTを通じて、未来の自分と対話した”という体験を軸にしてまとめたものです。最初はただのお遊びに思えていましたが、対話内容を現実に落とし込むことで、自分自身の経営戦略や組織づくりに具体的な指針が得られました。結果として2025年の大きな目標設定をし直し、現在抱えている課題にどう取り組むか再考するきっかけになったのです。
「2030年の自分」との不思議な対話
AIチャットで未来の自分を呼び出す――こんな奇妙な試みを思いついたのは、2024年末のことでした。私自身、兼業として勤めている記者仕事やYEG(商工会議所青年部)の活動、さらには映像制作のディレクションや経理・営業……などなど、多岐にわたる業務を抱えすぎて、心身ともに疲弊していました。
なかなか納期に追いつかず、編集作業が滞りがちな状態になっていました。その一方で、少数精鋭を自任している会社だからこそ、一人が倒れると全体が崩れる恐れもある。私は焦りながらも新しい案件をとってこなければならないし、一方で組織づくりや教育も手を抜けない。そんな「四面楚歌」状態のなか、ふと「未来の自分はこの状況をどう乗り越えたのだろう?」と想像したのがきっかけでした。
チャットGPTには、いろいろなロールプレイができる機能があります。だから、「53歳の廣瀬高之として、私にアドバイスをくれ」と依頼してみたのです。AIがどんな応答をするかワクワクしながら待ってみると、そこにはまるで年上の自分が説教するように、あるいは苦労話を思い出すように、具体的な助言が綴られていました。
例えば、「地域との協働を軸に据えるといい」というアドバイス。新見市は人口2万5000人の小さな町ですが、そのぶん人との繋がりは強固です。行政や地元企業、商工会議所、学校などとの連携プロジェクトを大切にし、会社を“地域活性化の映像パートナー”としてブランディングしていけば、大きな案件や助成金を獲得しやすくなるという指摘は、まさに目からウロコでした。
また、「定期収入モデルの確立」というアドバイスもありました。映像制作は1件ずつの受注スタイルだと売り上げが不安定になりやすい。だからこそ月額制サービスやサブスク型のライセンス販売、YouTubeチャンネルの運用代行など、継続契約につながる形を模索すべき―この視点を得たことで、私の頭には新たな事業プランをいくつも浮かびました。
さらには、自社のオリジナルコンテンツ制作へ挑戦することで、外部への“作品力”アピールにも繋がったという未来の報告もありました。受託だけに頼ると制作の幅が狭まりがちですが、地方ならではの魅力を発信するドキュメンタリーやショートドラマを自分たちで作り、映画祭やコンテストに出すことで、多方面から評価を得て、新たなビジネスチャンスが生まれると言います。
信じるか信じないかはともかく、AIが出力した未来の私の言葉は、今の私にとってはかなり具体的かつ有用でした。「なるほど、こういうふうに地方発の映像会社が大きく羽ばたけるんだな」とイメージできるようになったことは、何よりの収穫でした。
課題と向き合うきっかけ
チャットGPTで召還した未来の自分は、今の私が抱えている問題を丸ごと理解しているかのように、一つひとつに丁寧なアドバイスをくれました。その中には、いままさに私が頭を抱えている要素―たとえば人手不足、組織づくり、バックワークの遅れなどが並んでいました。
具体的な数字や戦略、各社員のタスクまで、書かれていたので、メイン部分はお伝えできませんが、未来の私からの視点としては、「小規模なうちほどホウレンソウ(報連相)の仕組みが大切」という話が特に胸に刺さりました。意思決定やコミュニケーションフローが明確でないと、プロジェクトはすぐに遅れたり混乱したりする。私がどの範囲で最終決定を行い、社員がどこまで権限を持ち、ほかのメンバーが何をすべきか―こうした話は曖昧なままでした。
AIとの対話を通じて、RACI(責任分担)表のような概念に基づき、誰がResponsible(実行責任者)で、誰がAccountable(最終責任者)なのかを明確にしようと考えるようになりました。こうしたマネジメントの基本フレームが、われわれのような小規模組織でも十分に活きるのだという当たり前の事実を、改めて突きつけられました。
また、「必要なら外部も使う」というシンプルなアドバイスも。何でも自力でやろうとするのは非効率だし、メンバーの苦手を無理に克服させようとするよりも、補う体制や仕組みを作ったほうが組織力は上がる。少人数だからこそ、外部リソースの活用やアシスタントの受け入れなどに柔軟に取り組めばいい―そう言われてみると、そのとおりだなと思えました。
「地方にいるからこそできる強み」が見えた
未来の私との対話で得た最大の洞察は、「地方にいるからこそできることは多い」ということです。新見市の人口は2万5000人程度と少なく、東京や大阪のように大企業や大きなマーケットはありません。しかし、そのぶん人同士の距離が近く、行政や地元企業との連携プロジェクトが立ち上がりやすい。それは地方特有のチャンスでもあります。
地域の農家さんが困っていれば映像とネットを使った販促に踏み出すことができるし、観光資源を活かしたイベントがあれば映像によるライブ配信とSNSで全国に売り込めます。外部から見れば「ローカルな魅力」は新鮮で、海外に目を向ければ「日本の地方らしさ」はさらに価値を増す可能性だってあります。
これまでの私たちは、正直いって「地方だから大きなビジネスになりにくい」というネガティブな固定観念に縛られていたかもしれません。けれど、未来の私はそれを見事に覆し、「小規模ならではの小回りや繋がりの強さこそ武器になる」と言ってくれたのです。この発想の転換は、心が軽くなると同時に、新しい事業アイデアを次々と生み出す活力をくれました。
2025年の目標を再設定する
私は2024年までの課題を整理したうえで、2025年に向けて目標を再設定しました。YEG活動も含めて忙しくなりそうですが、その分「全体最適」を考える癖がつく。どの業務も活かし合えるように組み立てれば、メディア発信が相乗効果を生み、地域との連携がさらなるビジネスを呼び込むに違いありません。また、「大将が倒れても組織は回る」状態をつくりあげることも重要です。
チャットGPTとの対話がもたらした意外な効果
未来の自分、つまり2030年の私が話していたことは、基本的には「こうすれば成功できる」という常識的なアドバイスの集合体かもしれません。しかし、それを「未来の自分が語っている」という形式が大事でした。まるで、少し先を行く先輩が自分の体験談を教えてくれているような、妙なリアリティがありました。
人間は往々にして、第三者からのアドバイスには抵抗感を示すときがありますが、“自分の延長線上”の存在から言われたことは、不思議と素直に受け取れます。これはAIチャットの新しい活用法かもしれません。ときには自分を俯瞰し、別のタイムラインの私がどう振る舞っているのかを想像することで、経営判断や行動指針がクリアになるのです。
さらに、この取り組みを周りに話すと、「おもしろい」「私も試してみようかな」といったポジティブな反応が多かったです。他のスタッフもAIチャットに対して半信半疑ながら興味を抱き、「未来の自分」を召喚してみるというユニークなアイデアに一致団結してくれました。弊社では、過去に他界したメンバーが遺してくれたツールを通じてAI技術に親しんできた経緯があり、その影響もあってAI導入への心理的なハードルは比較的低かったように思います。この出来事をきっかけに、社内ではAIを定期的に活用し、業務の効率化や新たなアイデア創出に取り組むムーブメントが自然発生的に広がりつつあります。
おわりに──2030年の大成功への道
地方都市で映像制作会社を経営し、年商5億円を達成する——正直、まだまだ夢物語に思える部分もあります。しかし、チャットGPTで“未来の自分”に問いかけてみると、不思議なほど具体的な道筋が見えてきました。その道筋は、受託ビジネスだけに頼るのではなく、自社オリジナルコンテンツの開発やサブスクリプション型の収益モデル、さらに地域との連携プロジェクトなど、多彩なアプローチを組み合わせたものです。
私たちは、この柔軟な発想と行動力を武器に、ただの夢を現実へと変えるために挑戦を続けます。「荒唐無稽」を「意外と現実的」に変えるのは、自らの手で築く未来への一歩一歩だと信じています。
今、2025年の始まりに立っている私の目には、眼前にうず高く積まれた課題ばかりが映ります。しかし、その先に待つ未来の私は、一連の苦労を乗り越えたあとに「あのときの地道な積み重ねが今の成功に繋がった」と語っていました。大変な時期こそが飛躍の種まきになるのだ―そう信じて、一歩ずつ進んでいけるのは、思いがけず得られた“未来の私”からの大きなエールのおかげだと思います。
もしこのコラムを読んでいる方の中に、私と同じように迷いや焦燥を抱えている経営者やフリーランスの方がいたら、ぜひAIチャットで「未来の自分」を召還してみることをおすすめします。「こんなのただの妄想」と笑うかもしれませんが、実際にやってみると「自分が本当に何を望んでいて、何を怖れているのか」が浮き彫りになる不思議な体験ができるはずです。
そして、それによって次の一歩を踏み出せるのであれば、結果オーライではないでしょうか。私たちが住む地方都市には、課題も山ほどありますが、同時に大きな可能性が眠っています。それを映像という手段を通じて掘り起こし、世界へと発信していく。そんな夢を抱けるのは、私が新見市に生まれ、ここで事業を興しているからにほかならないです。
2025年をスタートラインに、挙げだしたらきりがないほど取り組むべきことは多いです。しかし、そのすべてが「2030年、53歳の私」が見せてくれた“未来の自分”と繋がっていると思えば、自然とわくわくしてくるのだから不思議です。
私がチャットGPTで召還した未来の自分は、「もっと社会を盛り上げられる、もっと地域を元気にできる、映像制作の力で多くの人を笑顔にできる」と胸を張って断言しました。その姿は、今の私たちにとって眩しく、そして心強いです。5年後、本当にその姿に近づいているかどうかは、これからの私たちの行動次第です。だけど、もう私たちは、ただ不安に足をすくませているだけではありません。未来の自分からの背中押しがある限り、必ず年商5億円の壁を乗り越えていけると信じています。
もし、同じように夢や目標を抱え、現状の課題に苦戦している方がいたら――ぜひ自分自身の「未来の姿」に語りかけてみてほしいです。どんなヒントが得られるかはやってみないとわかりません。そして意外にも、そのヒントは現実的かつ効果的な解決策を生むかもしれないのですから。
これは、私がチャットGPTで、大成功を納めた未来の自分を召還してみたという、不思議な体験から生まれた真実の物語です。誰にでも応用できるわけではないかもしれないが、少なくとも私にとっては、これ以上に心強い“未来からのアドバイス”はありませんでした。あなたの未来もまた、同じように無限の可能性を秘めているはず。もし迷いや悩みがあるのなら、ぜひ一度、未来のあなたに会ってみてはいかがでしょうか?。そこに隠されたヒントが、あなたを次のステージに導いてくれるはずです。
2024.12.18
こんにちわ、合同会社トビガスマル代表社員の廣瀬高之です。 2025年、トビガスマルは四期目を迎えます。この3年間を振り返ると、正直なところ「がむしゃらに走ってきた」という一言に尽きます。すべてが挑戦の連続で、手探りの日々でした。しかしその中で、ひとつの確かな手応えを感じています。それは、「式典...
2024.11.23
こんにちは。合同会社トビガスマル代表の廣瀬です。最近、「ChatGPTってどう使っていますか?」と聞かれることが増えました。私たちもプロジェクトの中で頻繁に活用しており、特にアイデア出しの場面でその力を実感しています。生成AIの進化によって、発想の幅が驚くほど広がり、これまで思いつかなかったようなク...
コメント