こんにちわ、クセのつよい映像制作会社「トビガスマル」です。
Final Cut Proで編集を始めた方から、
本当によく聞かれる質問があります。
「縦文字って、どうやるんですか?」
テロップを入れ始めて、 横書きにはだいぶ慣れてきたころ。
「和風のタイトルを出したい」 「雰囲気のある縦文字を入れたい」 「映画っぽく、縦に文字を流したい」
そう思って調べ始めると、 多くの人が同じところで手が止まります。
Final Cut Proって、縦書きできないの?
縦文字にする正式な方法はあるの?
結論から言うと、
Final Cut Proには「縦書きボタン」はありません。
だからこそ、
・無理やり改行してみる ・回転させてみる ・でも、なんか不格好になる
という遠回りを、多くの人が一度は経験します。
私たちトビガスマルも、 現場や講座、個別相談の中で、
「縦文字で詰まりました」 「正しいやり方が分からないです」
という相談を、 本当に何度も受けてきました。
この記事では、
Final Cut Proで縦文字(縦書き)を作るための 「現実的な3つの方法」
を、
- 何ができて
- 何ができなくて
- どこで割り切るべきか
をはっきりさせながら解説します。
「これが正解です」と一つに決めつけるのではなく、
用途ごとに、ちゃんと使える選択肢
を整理するのが、この記事の目的です。
Final Cut Proを触り始めたばかりの方も、 すでに編集に慣れてきた方も。
縦文字で無駄に時間を溶かさないために 、 まずは全体像から見ていきましょう。
目次
結論|縦文字は「何を優先するか」で作り方が変わる
Final Cut Proで縦文字をやろうとして、 混乱する一番の原因はシンプルです。
「縦書きはこうやる」という唯一の正解がない
からです。
Final Cut Proには、 WordやInDesignのような 正式な縦書き機能は用意されていません。
その代わりに、
目的ごとに“現実的な逃げ道”がいくつか用意されている
というのが、実際のところです。
まずは全体像を、 かなり雑にまとめるとこうなります。
- とにかく早く入れたい
→ Final Cut Proだけで、改行+回転で縦っぽく見せる - 仕事でも使う・何度も使う
→ Motionで「本物の縦書き」を作ってテンプレ化 - 見た目を最優先したい
→ 縦書き文字を画像(PNG)にして読み込む
どれが正しい、ではありません。
「いまの自分の編集に、どれが一番合っているか」
それを選べるかどうかで、 作業時間も、ストレスも、大きく変わります。
実際、
「縦文字がうまくいかない」
と相談を受けて話を聞いてみると、
・急ぎなのに、完璧な縦書きを目指していた
・一度きりなのに、テンプレ化しようとしていた
・修正が来るのに、画像で作ってしまっていた
といったように、 選択肢のミスマッチが起きていることがほとんどです。
この記事では、 それぞれの方法について
- どうやるのか
- どこまでできるのか
- どこで割り切るべきか
を、 実際に現場で使われている前提で解説していきます。
まずは一番手軽で、 多くの人が最初に試す方法から見ていきましょう。
次の章では、 Final Cut Proだけで縦文字っぽくする方法を紹介します。
方法① Final Cut Proだけで縦文字っぽくする(改行+回転)
Final Cut Proで縦文字をやろうとしたとき、 ほとんどの人が最初にたどり着く方法が、これです。
「1文字ずつ改行して、縦に並べる」
特別なプラグインも、 Motionも使いません。
まずはこの方法を知っておくと、
「今すぐ縦文字を入れたい」という場面は、だいたい乗り切れます
ただし、 できること・できないことがはっきり分かれる方法でもあります。
基本手順|1文字ずつ改行する
手順はとてもシンプルです。
- タイムラインにベーシックタイトルなどのテキストを追加
- テキスト入力欄に、1文字ずつ改行して文字を入れる
たとえば「トビガスマル」と縦に出したい場合は、
ト
ビ
ガ
ス
マ
ル
という形になります。
この時点で、 画面上はすでに「縦文字っぽい」状態になります。
回転が必要になるケース
縦方向の見せ方によっては、 そのままだと向きが不自然に感じることがあります。
その場合は、
- テキストクリップを選択
- インスペクタの変形(Transform)
- 回転を90°(または-90°)
これで、 右から読む縦文字/左から読む縦文字 といった調整が可能です。
和風タイトルや、 画面端に縦で配置したいときは、 この回転を使うことが多くなります。
行間・字間を調整して「それっぽく」見せる
改行しただけだと、
「文字が詰まりすぎている」 「間延びして見える」
と感じることがあります。
その場合は、
- 行間
- トラッキング(字間)
を調整します。
ここで重要なのは、
「縦書きとして正しいか」より「映像として読めるか」
という視点です。
この方法は、 あくまで縦書き“風”。
完璧を目指しすぎると、 ここで時間が溶けます。
この方法でできること
改行+回転の方法が向いているのは、 こんなケースです。
- とにかく急ぎで縦文字を入れたい
- 1〜2語程度の短いタイトル
- 雰囲気が出ればOKなテロップ
- 今回限りの編集
「今すぐ縦文字がほしい」
この要望には、 かなり高い確率で応えてくれます。
この方法の限界(よくある詰まりポイント)
一方で、 この方法には明確な限界があります。
- 句読点(、。)が縦書きの位置にならない
- 長音(ー)が横向きのまま
- カッコや記号が不自然
- 2行以上の縦書きがほぼ破綻する
ここで多くの人が、
「なんか汚いな……」
と感じ始めます。
この違和感は、 センスの問題ではありません。
Final Cut Proが“縦書き前提で作られていない”
それだけの話です。
割り切りポイント|ここで悩みすぎない
この方法で大事なのは、
「これは応急処置だ」と理解して使うこと
です。
もし、
- 縦文字を何度も使う
- クライアントワークで使う
- 見た目の違和感が気になる
このどれかに当てはまったら、 次の方法に進んだほうが、 結果的に早く、きれいに仕上がります。
次の章では、
Motionを使って「ちゃんとした縦書き」を作る方法
を紹介します。
「ここから一段レベルを上げたい人向け」の話です。
方法② Motionで「本物の縦書き」を作る(おすすめ)
Final Cut Proで縦文字をきちんと使いたいなら、 結論として、この方法が一番安定します。
Motionを使って、縦書き用のタイトルを作る
「え、Motion……?」
そう感じた方もいるかもしれません。
ただ、安心してください。
難しいアニメーションを作る必要はありません
やることは、 縦書きができるテキストを一度作って、テンプレ化する。 それだけです。
なぜMotionを使うと縦書きが成立するのか
Final Cut ProとMotionの一番の違いは、
テキストのレイアウト制御ができるかどうか
です。
Motionでは、 テキストの設定で
文字を「縦方向に流す」ことを前提にしたレイアウト
が用意されています。
そのため、
- 句読点の位置
- 長音(ー)の向き
- 記号の配置
が、 縦書きとして自然な形になります。
ここが、 改行+回転とは決定的に違う点です。
最短手順|縦書きタイトルを作ってFCPで使うまで
「ざっくり全体像」を先に書きます。
- Motionを起動
- 新規プロジェクト → Final Cut タイトルを選択
- テキストを追加
- テキスト設定で縦書きレイアウトに切り替え
- 保存して公開
- Final Cut Proでタイトルとして使用
一つずつ見ていきます。
① Motionで「Final Cut タイトル」を作る
Motionを起動したら、 新規プロジェクト作成時に
「Final Cut タイトル」
を選びます。
ここを間違えて 通常のモーションプロジェクトを作ると、 FCPから呼び出せません。
最初に用途を「タイトル」にする。 これだけは忘れないでください。
② テキストを追加して縦書きに切り替える
テキストを追加したら、 インスペクタのテキスト設定を開きます。
ここで、
レイアウトを縦方向(縦書き)に変更
します。
この瞬間、
「あ、これが縦書きか」
と感じるはずです。
改行していないのに、 自然に縦に流れる。
この時点で、 改行+回転とは別物だと分かります。
③ アンカーポイントと位置を調整する
縦書きに切り替えた直後、
「文字が画面外に行った」 「どこにあるか分からない」
と感じることがあります。
これは、 アンカーポイントが原因です。
アンカーポイントを中央寄りに調整し、 位置を画面内に戻してください。
ここは一度慣れれば、 数秒で終わる作業です。
④ テンプレ化して保存する
縦書きができたら、
そのまま保存して公開
します。
すると、 Final Cut Pro側の
「タイトル」一覧に表示
されるようになります。
これで、
普通のタイトルと同じ感覚で、縦書きが使える
状態になります。
この方法の強み|なぜおすすめなのか
Motion縦書きが強い理由は、
- 縦書きとして自然
- 修正に強い
- 何度でも使い回せる
からです。
特に、
「文言修正が来る可能性がある」
現場では、 この差が致命的になります。
画像で作ってしまうと、 修正=作り直し。
Motionテンプレなら、 テキストを差し替えるだけです。
どんな人に向いているか
Motion縦書きが向いているのは、 こんな人です。
- 縦文字を何度も使う
- 仕事・案件で使う
- 見た目の違和感を減らしたい
- 編集時間を短縮したい
逆に、
「今回限り」 「とにかく今すぐ」
という場合は、 方法①で十分です。
次の章では、
「見た目を最優先したいときの逃げ道」
縦書き文字を画像(PNG)で使う方法
を紹介します。
方法③ 縦書きを画像(PNG)で読み込む(見た目最優先)
Final Cut Proで縦文字を扱う中で、 実は一番“見た目が安定する”方法があります。
それが、
縦書き文字を、最初から画像として作ってしまう
というやり方です。
「え、テキストじゃないの?」
そう思うかもしれませんが、 現場ではこの方法が選ばれることも、かなり多いです。
なぜPNG縦書きが選ばれるのか
理由はとてもシンプルです。
縦書きとしての見た目を、100%コントロールできる
から。
テキスト機能で縦書きを頑張ると、
- 句読点の位置が微妙
- 縦中横(数字)が不自然
- フォントによって崩れ方が違う
といった問題が出がちです。
一方、画像なら、
- 字間
- 行間
- 記号の位置
- デザインバランス
すべてを見た目基準で決められます。
PNG縦文字の作り方(ざっくり)
作り方は、Final Cut Proの外で行います。
- 縦書きができるツールで文字を作成
- 背景を透明にしてPNGで書き出し
- Final Cut Proに読み込む
使われることが多いのは、
- Illustrator
- Photoshop
- 縦書き対応の文字ジェネレーター
です。
Final Cut Pro側では、
「ただの画像素材」
として扱うだけなので、 動作も安定します。
使うときのコツ|解像度は大きめに
PNG縦書きで一番やりがちな失敗が、
解像度不足
です。
小さい画像を作ってしまうと、 拡大したときに文字が甘くなります。
基本は、
「大きめに作って、縮小して使う」
が安全です。
4K案件でも使う可能性があるなら、 縦3000px以上で作っておくと安心です。
アニメーションとの相性
PNG縦文字は、
- フェードイン/アウト
- 位置移動
- スケール変化
といった、 シンプルなアニメーションとの相性がとても良いです。
逆に、
1文字ずつ出す テキストを差し替える
といったことは苦手です。
この方法の弱点(重要)
PNG縦書きには、 明確な弱点があります。
- 後から文言修正が来ると作り直し
- 言い回し変更に弱い
- 量産には向かない
そのため、
「修正が来ない前提」で使う
のが鉄則です。
どんな場面に向いているか
PNG縦書きが向いているのは、 こんなケースです。
- タイトルロゴ的な縦文字
- 映画・CMなど、見た目重視
- 文字数が少ない
- 文言が確定している
逆に、
- テロップが頻繁に変わる
- シリーズ物で流用したい
場合は、 Motion縦書きの方が向いています。
割り切りができれば、最強の方法
PNG縦書きは、
「編集しやすさ」を捨てて 「見た目の完成度」を取りにいく方法
です。
割り切りさえできれば、 縦文字で悩む時間は一気に減ります。
次の章では、
縦文字で多くの人がつまずくポイント
を、現場あるあるとしてまとめます。
縦文字でよくある詰まりポイント(現場あるある)
Final Cut Proで縦文字を扱うと、 ほぼ全員が同じところで詰まります。
これはスキル不足ではなく、 ソフトの特性によるものです。
句読点・長音(ー)・カッコが変になる
改行+回転で縦文字を作った場合、
- 「、」「。」が横書き前提の位置になる
- 「ー」が横向きのまま
- ()や「」のバランスが崩れる
といった違和感が必ず出ます。
これは縦書きとして正しくないのではなく、 そもそも縦書きを想定していない機能を使っているためです。
ここで無理に直そうとすると、 時間だけが溶けます。
「これは限界だな」と判断して、 MotionかPNGに切り替えるのが正解
です。
縦書きにしたら文字が消えた/変な場所に飛んだ
Motionで縦書きに切り替えた瞬間、
「文字が消えた?」
と感じることがあります。
多くの場合、
- アンカーポイントが画面外にある
- 表示位置がずれている
だけです。
落ち着いて、
アンカーポイントを中央付近に戻す → 位置を調整
これで解決するケースがほとんどです。
毎回作るのが面倒になる
縦文字を何度か使うと、
「また改行するのか……」
という気持ちになります。
ここで重要なのは、
“面倒だと感じた時点で、やり方が合っていない”
というサインだということ。
縦文字を今後も使うなら、 Motionでテンプレ化したほうが 確実に楽です。
FAQ|Final Cut Proの縦文字でよくある質問
Final Cut Proだけで、正しい縦書きはできますか?
基本的には難しいです。 改行+回転で「縦文字っぽく」見せることはできますが、 句読点や記号まで含めた正しい縦書きにはなりません。
きれいにやりたい場合は、 Motionを使うか、PNG画像として作る方法がおすすめです。
縦文字を毎回使うなら、どの方法が一番楽ですか?
Motionで縦書きタイトルをテンプレ化する方法です。
一度作ってしまえば、 Final Cut Proのタイトルとして呼び出せるので、 横書きテロップと同じ感覚で使えます。
Motionが使えない場合の代替手段はありますか?
見た目を優先するなら、 縦書き文字をPNG画像で作って読み込む方法があります。
ただし、 文言修正が来ると作り直しになるため、 修正が出ない前提で使うのがポイントです。
縦文字を入れると、映像が素人っぽく見えませんか?
使い方次第です。
文字数を絞り、 画面の余白を意識して配置すれば、 縦文字は雰囲気を引き締める要素になります。
逆に、情報量が多い縦文字は読みにくくなりがちなので注意が必要です。
まとめ|縦文字は「最速」か「正攻法」かを最初に決める
Final Cut Proで縦文字を扱うとき、 一番大切なのは、
「どこまで求めるか」を最初に決めること
です。
- とにかく急ぎ・一回きり
→ 改行+回転で縦文字っぽく - 仕事・継続運用
→ Motionで縦書きテンプレを作る - 見た目最優先
→ 縦書きPNGとして読み込む
縦文字は、
「できる/できない」
ではなく、
「用途に合ったやり方を選べるか」
で、 ストレスの量が決まります。
Final Cut Proを触り始めたばかりの方ほど、 縦文字で無駄に悩みがちですが、
仕組みを知ってしまえば、 選択肢は意外とシンプル
です。
この記事が、 「縦文字どうしよう……」で 手が止まる時間を減らす助けになれば嬉しいです。
トビガスマルでは、 編集初心者のつまずきポイントや、 現場で本当に使われているワークフローも含めて、 映像制作の相談を受けています。
「これ、どうやるのが正解?」 そんな疑問が出たら、 いつでも気軽に聞いてください。
2025.10.23
そこで鍵になるのがショートカットキー。 覚えて使いこなせば、同じ作業を半分以下の時間でこなせるうえ、編集のリズムも崩れません。 まさに、“指が動くほど速くなる”クリエイティブ時短術です。 本記事では、 Final Cut Proで絶対に覚えておきたい基本ショートカットキー一覧 ...
特に、大きなプロジェクトを扱う人や、長期的に編集を続ける人は要注意。実は、Final Cut Proが自動的に生成するレンダリングファイルやバックアップファイルが、思いのほかディスクを占領してしまうんです。 そこで今回は、最新情報も踏まえつつ、Final Cut Proで容量不足になりがち...
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