こんにちは。合同会社トビガスマル代表の廣瀬です。
実は私、つい最近になって『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』を初めてプレイしました。
きっかけは、忘年会のお楽しみ抽選会でSwitch2を手に入れたこと。
社内のデザイナーからは、ずっと言われていました。
「ゼルダやってないなんて、人生損してますよ」と。
正直、初代ゼルダ以来ということもあり、
「名作なのは知っているけれど、そこまで?」くらいの気持ちでした。
ところが、実際にプレイしてすぐに気づきました。
これはゲームというより、映像制作の教科書だと。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、通称ブレワイは、2017年に発売されたゲームです。
にもかかわらず、今もなお多くの人に語られ続けています。
グラフィックの解像度だけで見れば、もっと新しいゲームはたくさんあります。
派手なムービーや映画のような演出を持つゲームも数多くあります。
それでもブレワイが特別なのは、単に映像がきれいだからではありません。
プレイヤー自身が、その世界を体験し、感じ、記憶してしまう設計になっているからです。
映像制作の視点で見ると、ブレワイには学ぶべきことがたくさんあります。
説明しすぎないこと。
視線を自然に誘導すること。
音と間を信じること。
世界観を語るのではなく、信じさせること。
これは、企業PR動画、採用動画、周年動画、ブランドムービー、Web CMにもそのまま通じる考え方です。
この記事では、映像制作会社の視点から、ブレワイを“最高の映像教材”だと感じた理由を整理してみます。
目次
- 1 ブレワイが今も語られる理由は、映像の派手さではない
- 2 「選ばせているようで導いている」設計
- 3 ブレワイの“引き算”は、企業映像にも通じる
- 4 企業動画で説明しすぎると、何が起きるか
- 5 ロングショットと余白が、見る人に想像させる
- 6 環境音と間が、感情を作る
- 7 世界観は、説明ではなく一貫性で信じてもらう
- 8 周年動画にも、ブレワイ的な考え方は活きる
- 9 採用動画では、説明よりも“職場にいる感覚”を作る
- 10 ブランドムービーは、答えを押し付けないほうが残る
- 11 ブレワイから学んだ、映像制作のチェックリスト
- 12 トビガスマルが映像づくりで大切にしていること
- 13 まとめ|ブレワイは、説明しすぎない映像設計を教えてくれる
- 14 説明しすぎない映像づくりをご検討中の方へ
ブレワイが今も語られる理由は、映像の派手さではない
ブレワイが発売されたのは2017年です。
今では、より高解像度で、よりリアルなグラフィックのゲームはたくさんあります。
それでもブレワイは、今も「人生で一度は遊ぶべきゲーム」と言われ続けています。
その理由は、映像の派手さではなく、体験の設計にあります。
ブレワイは、プレイヤーに多くを説明しません。
次にどこへ行くべきかを、しつこく指示しません。
長い説明テキストや過剰なチュートリアルでプレイヤーを誘導することも少ないです。
それでも、不思議と迷わない。
なぜなら、世界そのものがプレイヤーを導いているからです。
遠くに見える塔。
登りたくなる高台。
不自然に目を引く地形。
風の音。
夕暮れの光。
こうした要素が、プレイヤーに「次はあそこへ行ってみたい」と思わせます。
これは、映像制作における視線誘導や構成設計ととても近いものがあります。
良い映像は、視聴者に「ここを見てください」と押し付けません。
自然と目が向くように設計されています。
「選ばせているようで導いている」設計
ブレワイの大きな魅力として、自由度の高さがよく語られます。
確かに、どこへ行くのも、何から始めるのもプレイヤー次第です。
しかし、映像制作者の視点で見ると、本当にすごいのは自由そのものではありません。
すごいのは、選ばせているようで、ちゃんと導いていることです。
プレイヤーは、自分で決めているように感じています。
でも実際には、地形、光、音、遠景、建造物の配置によって、自然と行動を促されています。
これは企業動画でも大切な考え方です。
たとえば、企業PR動画で、
「当社の強みは〇〇です」
「私たちは〇〇を大切にしています」
「ぜひお問い合わせください」
とすべて言葉で説明しすぎると、視聴者は受け身になります。
一方で、現場の様子、働く人の表情、道具の使われ方、空気感を丁寧に見せると、視聴者は自分で感じ取ります。
「この会社、誠実そうだな」
「現場の雰囲気がいいな」
「ここで働く人たちは、自分の仕事に誇りを持っていそうだな」
そう感じてもらえたとき、映像は単なる説明を超えます。
ブレワイの“引き算”は、企業映像にも通じる
ブレワイをプレイしていて強く感じたのは、とにかく余計なものが少ないことです。
UIは最低限。
説明テキストも控えめ。
BGMも常に鳴り続けるわけではありません。
次に何をすべきかも、必要以上には示されません。
でも、その引き算によって、世界が強く感じられます。
映像制作の現場でも、企画段階ではどうしても情報を足したくなります。
- 説明テロップを増やす
- ナレーションで補足する
- BGMで感情を盛り上げる
- 実績やサービス内容を全部入れる
- 代表挨拶も社員の声も沿革も商品紹介も入れる
もちろん、必要な情報はあります。
しかし、すべてを入れようとすると、映像は重たくなります。
分かりやすいけれど、記憶に残らない。
情報は多いけれど、感情が動かない。
そういう映像になってしまうことがあります。
ブレワイが教えてくれるのは、足し算ではなく引き算の強さです。
説明を削り、演出を抑え、感じ取る余白を残す。
企業動画や周年動画でも、この考え方はとても大切です。
企業動画で説明しすぎると、何が起きるか
企業PR動画やサービス紹介動画では、伝えたいことがたくさんあります。
会社の歴史。
代表者の想い。
商品やサービスの特徴。
実績。
お客様の声。
社員の雰囲気。
地域との関わり。
どれも大切です。
しかし、それを一本の動画に全部詰め込むと、視聴者は途中で疲れてしまいます。
特にWebやSNSでは、視聴者は最初から最後まで集中して見てくれるとは限りません。
「全部伝える」よりも、「もっと知りたい」と思ってもらう方が大切な場合があります。
ブレワイ的に考えるなら、映像はすべてを説明するものではなく、興味の入口でいい。
詳しい内容は、Webサイト、問い合わせ、資料、採用ページ、式典当日の話、プレスリリースなどで補えばよいのです。
動画は、視聴者がその先へ進みたくなるための体験を作るもの。
そう考えると、映像の作り方は大きく変わります。
ロングショットと余白が、見る人に想像させる
ブレワイの画づくりで印象的なのが、ロングショットの多さです。
遠くまで見渡せる構図。
主人公が小さく見える広大な風景。
まだ行ったことのない場所が、遠くに見えている画。
近づけば分かることを、あえて遠くから見せる。
これによって、プレイヤーは自分から近づきたくなります。
映像制作でも、これはとても大切です。
説明的なアップばかりを積み重ねるより、少し引いた画を入れることで、視聴者は場所や空気を感じられます。
たとえば、周年動画であれば、代表者の言葉だけでなく、社屋の外観、工場の空気、地域の風景、社員が働く後ろ姿を入れる。
採用動画であれば、インタビューの顔アップだけでなく、職場全体の距離感や日常の動きを見せる。
ブランドムービーであれば、商品そのものだけでなく、それが使われる場所や人の時間を見せる。
余白のある画は、視聴者に想像する余地を残します。
そして、その余地が記憶に残ります。
環境音と間が、感情を作る
ブレワイは、常にBGMで感情を盛り上げるゲームではありません。
むしろ、静かな時間が多い。
風の音。
草の揺れ。
足音。
雨の音。
遠くの気配。
そこに、控えめなピアノが入る。
この音の設計が、世界への没入感を生んでいます。
映像制作でも、音楽で感情を押し付けすぎると、かえって浅く感じることがあります。
感動的なBGMを入れれば感動する、というわけではありません。
大切なのは、映像と音の関係です。
式典の緊張感。
工場の機械音。
現場で交わされる短い会話。
講演前の静けさ。
地域の風の音。
こうした音を活かすことで、映像はよりリアルになります。
特に周年動画やブランドムービーでは、BGMを盛ることよりも、言葉の間や現場の音を信じることが大切な場面があります。
世界観は、説明ではなく一貫性で信じてもらう
ブレワイを一通りプレイして強く残った感覚があります。
それは、世界観は「説明」や「設定」で作るものではないということです。
ブレワイは、世界の歴史やルールを長々と説明しません。
それでも、プレイヤーは「この世界は本当に存在している」と感じます。
なぜか。
世界のふるまいが一貫しているからです。
雨が降れば滑る。
雷は危険。
火は燃え広がる。
高い場所から見下ろせば、遠くの世界がちゃんと続いている。
一つひとつは派手ではありません。
でも、嘘がない。
企業映像でも同じです。
「世界観を作り込みたい」というご相談をいただくことがあります。
そのときに大切なのは、装飾を増やすことではありません。
一貫したトーン。
嘘のない画。
過剰でない演出。
言葉と映像がずれていないこと。
社員の表情とナレーションが一致していること。
会社の実態と見せ方に無理がないこと。
これらが揃っていると、人はその映像を信じます。
逆に、作り込みすぎた世界観は、現実とかけ離れると信用されません。
周年動画にも、ブレワイ的な考え方は活きる
トビガスマルでは、周年動画や記念式典の映像制作をご相談いただくことがあります。
周年動画では、どうしても情報を入れたくなります。
創業からの沿革。
歴代代表者。
事業の変遷。
お客様への感謝。
社員の声。
地域との関わり。
これからのビジョン。
すべて大切です。
しかし、それを年表のように並べるだけでは、見ている人の心には残りにくいことがあります。
ブレワイ的に考えるなら、周年動画で大切なのは「全部を説明すること」ではありません。
見た人が、自分の記憶や関わりを重ねられる余白を残すことです。
たとえば、
- 古い写真を少し長めに見せる
- 代表者の言葉のあとに間を置く
- 社員の作業風景を説明なしで見せる
- 地域の風景を挟む
- あえてナレーションを入れない時間を作る
こうした余白があることで、関係者は自分の記憶を重ねます。
「そういえば、この頃は大変だったな」
「この場所でよく仕事をしたな」
「この人にお世話になったな」
周年動画は、情報を伝えるためだけの映像ではありません。
見る人それぞれの記憶を呼び起こす映像でもあります。
採用動画では、説明よりも“職場にいる感覚”を作る
採用動画でも、ブレワイから学べることがあります。
採用動画では、会社説明をしすぎることがあります。
福利厚生。
仕事内容。
教育制度。
休日。
給与。
キャリアステップ。
もちろん、求職者にとって大切な情報です。
しかし、それだけでは職場の空気は伝わりません。
ブレワイが世界を説明する前に「この世界にいる感覚」を体験させてくれるように、採用動画でも、まず職場にいる感覚を作ることが大切です。
朝の出社風景。
現場でのちょっとした会話。
先輩が後輩に教えている様子。
休憩中の表情。
真剣に作業している手元。
こうした画は、会社説明よりも強く伝わることがあります。
求職者は、情報だけでなく、自分がそこで働くイメージを探しています。
だからこそ、採用動画では説明だけでなく、体験の設計が必要です。
ブランドムービーは、答えを押し付けないほうが残る
ブランドムービーでは、会社や団体の世界観を伝えたいというご相談が多くあります。
しかし、ブランドムービーは、答えを押し付けすぎると弱くなります。
「私たちは〇〇な会社です」
「私たちは〇〇を大切にしています」
「私たちの強みは〇〇です」
もちろん、言葉にすることは大切です。
ただ、言葉で全部説明してしまうと、視聴者は考える余地を失います。
ブレワイが「この世界をこう理解してください」と押し付けないように、ブランドムービーも、見る人が自分なりに感じ取れる余白を残した方が深く届くことがあります。
理念を語る前に、空気を見せる。
強みを並べる前に、日常を映す。
実績を語る前に、現場の温度を伝える。
この順番が、結果的にブランドの信頼につながると感じています。
ブレワイから学んだ、映像制作のチェックリスト
ブレワイを映像教材として見たとき、企業動画や周年動画にも活かせるチェックポイントがあります。
- 説明しすぎていないか
- 視聴者が自分で感じ取る余白があるか
- 視線が自然に誘導されているか
- 音楽で感情を押し付けすぎていないか
- 環境音や間を活かせているか
- 世界観に一貫性があるか
- 映像とナレーションがずれていないか
- 情報を入れすぎて記憶に残りにくくなっていないか
- 見た人が次を知りたくなる設計になっているか
- 作り手の都合ではなく、見る人の体験になっているか
このチェックリストは、ゲームだけでなく、企業映像、採用動画、周年動画、Web CMにも使えると思います。
トビガスマルが映像づくりで大切にしていること
私たちトビガスマルが映像を作るとき、常に意識していることがあります。
それは、どこまで説明しないかです。
もちろん、情報は整理します。
伝えるべきことは伝えます。
しかし、すべてを言葉にしてしまうと、映像である意味が薄くなります。
映像には、言葉にしないからこそ伝わるものがあります。
表情。
間。
沈黙。
手の動き。
空気感。
光。
音。
場の緊張。
関係者のまなざし。
こうしたものを信じて残すことで、映像は単なる説明資料ではなく、記憶に残る作品になります。
ブレワイをプレイして、その考え方を改めて確認した気がしました。
まとめ|ブレワイは、説明しすぎない映像設計を教えてくれる
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は、ゲームとして名作であるだけでなく、映像制作の視点でも非常に学びの多い作品でした。
プレイヤーに選ばせているようで導いていること。
説明を削ることで、世界を強く感じさせていること。
ロングショットや余白で、想像する余地を残していること。
環境音と間で、感情を立ち上げていること。
世界観を説明ではなく、一貫性で信じさせていること。
これらは、企業動画や周年動画、採用動画、ブランドムービーにも通じます。
映像は、すべてを説明するためのものではありません。
見る人の中に、何かが残るためのものです。
「分かった」で終わる映像ではなく、「なんだか残っている」映像を作ること。
ブレワイは、その大切さを改めて教えてくれました。
説明しすぎない映像づくりをご検討中の方へ
トビガスマルでは、岡山県新見市を拠点に、企業PR動画、採用動画、周年動画、ブランドムービー、Web CM、式典映像の制作を行っています。
単に情報を詰め込むのではなく、見る人の体験として残る映像を大切にしています。
- 会社の世界観を伝えるブランドムービー
- 周年式典で上映する記念映像
- 採用希望者に職場の空気を伝える採用動画
- サービスの魅力を短く伝えるWeb CM
- 地域や企業の物語を残すドキュメンタリー映像
- 式典後も活用できる周年動画・SNS用短尺動画
「説明ばかりの動画ではなく、印象に残る映像を作りたい」
「会社の世界観をどう伝えればよいか悩んでいる」
「周年動画を、単なる沿革紹介で終わらせたくない」
「採用動画で職場の空気感を伝えたい」
そのような段階からご相談いただけます。
映像を、情報の説明ではなく、記憶に残る体験として一緒に設計していきましょう。
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