
こんにちわ、クセノツヨイ映像制作会社「トビガスマル」代表の廣瀬です。
「撮影した動画ファイルが mov形式 で保存されていたけれど、
なぜか再生できない…」そんな経験はありませんか?
特にiPhoneや一眼カメラで撮影した映像は、標準でmov形式になることが多いため、
パソコンやスマホに取り込んだときに「音は出るけど映像が映らない」
「そもそもファイルが開けない」といったトラブルが頻発します。
実はこの現象、機材やソフトの不具合ではなく、再生環境とファイル形式の相性によるケースが大半。
つまり原因さえ分かれば、慌てずに対処できるものがほとんどなんです。
この記事では、映像制作の現場で実際によく寄せられる相談をベースに、
「movが再生できないときの原因と対処法」を徹底解説します。
さらに、PC・スマホ別の再生方法、mp4への変換手順、チェックリストまでまとめました。
「再生できないファイルはもうお手上げ…」と思っている方も大丈夫。
この記事を読めば、自分の環境に合った解決策がきっと見つかります。
映像制作を仕事にしている私だからこそお伝えできる、
「現場で役立つ実用的なmov対策」をお届けします。
目次
movファイルとは?特徴と基本知識
mov形式の特徴
mov(.mov) は、Appleが開発した動画ファイル形式で、
QuickTime(クイックタイム)というソフトウェアをベースに広まりました。
特徴は以下の通りです:
・高画質な動画や音声を保持できる
・複数の映像トラックや音声トラックを含められる
・編集ソフトとの互換性が高い(特にMac環境)
つまり、movは「映像制作や編集に向いた高品質フォーマット」なのです。
その一方で、ファイルサイズが大きい、再生環境によっては非対応といった弱点もあります。
よく使われる場面
日常的にmov形式が登場するシーンは少なくありません。
・iPhoneやiPadで撮影した動画(デフォルトがmov保存)
・一眼カメラやドローンの撮影素材
・映像制作ソフト(Final Cut Pro、Premiere Proなど)で書き出す映像
特にApple製品との親和性が高く、業務レベルの映像制作でも採用されることが多い形式です。
しかし、WindowsやAndroidでは標準対応していない場合もあり、
「撮った動画が再生できない!」という混乱が生じやすいのです。
movファイルが再生できない主な原因
① コーデックが対応していない
movはコンテナ形式と呼ばれ、中にさまざまな種類の映像・音声データを入れられる構造です。
例えば「H.264」や「HEVC(H.265)」などのコーデックで圧縮されている場合、
再生ソフトがそのコーデックに対応していないと映らないことがあります。
② プレーヤーが非対応
Windows標準の「Windows Media Player」や、古いAndroid端末などでは、
mov形式をサポートしていないケースがあります。
そのため、別の再生プレーヤーを使うだけで解決することも多いのです。
③ Windows・Macの環境差
MacではQuickTimeが標準で入っているためmovは問題なく再生できますが、
Windows環境では別途ソフトを導入しないと再生できないことが少なくありません。
この環境差が「再生できない」トラブルの典型例です。
④ スマホでの再生制限
iPhoneやiPadで撮影したmovを、Androidスマホに送ったら再生できない…
これはOS間の標準対応の違いによるものです。
また、古いスマホでは処理能力が足りず、音声だけ再生されて映像が映らないケースもあります。
⑤ ファイル自体が破損している
撮影中に電源が落ちたり、コピー中にエラーが出たりすると、
movファイル自体が破損して再生できなくなることがあります。
この場合はプレーヤーを変えても改善せず、
ファイル修復ソフトや再撮影が必要になるケースも。
movファイルを再生する方法
VLCメディアプレーヤーを使う
VLCメディアプレーヤーは無料で利用でき、ほぼ全ての動画形式に対応している万能プレーヤーです。
WindowsでもMacでも使えるため、movが再生できない場合に最初に試すのに最適。
インストールして開くだけで、追加のコーデック設定なしで再生可能なのが強みです。
QuickTimeをインストールする
Macには標準で入っているQuickTime Playerは、movの再生に最も適しています。
Windows版も提供されており、インストールすればmovをスムーズに再生可能。
特にAppleデバイスで撮影した動画は、QuickTimeなら撮影時の画質や音声を忠実に再現できます。
Windows標準アプリでの対応
最新のWindows10/11では、「映画 & テレビ」アプリでmovが再生できる場合があります。
ただし、コーデックが合わないとエラーが出るため、万能ではありません。
安定性を求めるならVLCやQuickTimeの導入をおすすめします。
スマホでの再生方法
iPhone・iPadでは標準アプリでmovが問題なく再生できます。
一方、Android端末ではmovに対応していない場合もあるため、
MX PlayerやVLC for Androidといったアプリを導入するとスムーズです。
もし再生がカクつく場合は、スマホの性能不足や容量不足の可能性もあります。
その場合はPCに移して再生するのが安心です。
movファイルを変換して解決する
mp4に変換するメリット
movが再生できない時、最も簡単で確実なのがmp4形式に変換することです。
mp4はほぼ全てのデバイス・プレーヤーで対応しており、
「互換性の高い万能形式」といえます。
また、画質を保ったままファイルサイズを小さくできるため、
保存や共有のしやすさも向上します。
無料ソフト・オンライン変換サービスの活用
無料で使える変換ソフトやWebサービスを利用すれば、
初心者でも簡単にmov→mp4変換が可能です。
代表的なツール:
・HandBrake(Windows/Mac対応、無料)
・CloudConvert(オンラインで変換可能)
・VLCプレーヤー(実は変換機能も搭載)
ただし、オンラインサービスはアップロードに時間がかかることや、
セキュリティ上の懸念(機密動画の利用には不向き)がある点には注意してください。
編集ソフトで書き出し直す方法
映像編集ソフトをお持ちであれば、
movを読み込み、そのままmp4形式で書き出すのも効果的です。
対応ソフト例:
・Adobe Premiere Pro
・Final Cut Pro
・DaVinci Resolve(無料版あり)
この方法は変換というより「再書き出し」なので、
品質を保ちつつ環境に合った形式にできます。

2025.06.22
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再生できない時に試すべきチェックリスト
プレーヤーを変えてみる
まずは再生ソフトを変更しましょう。
・VLCメディアプレーヤー
・QuickTime Player
・MX Player(Android用)
多くの場合、これだけで解決します。
コーデックを確認する
再生ソフトが対応していないコーデックの場合、
K-Lite Codec Packなどのコーデックを追加インストールすると再生できることがあります。
ただし、不要なものまで入れないよう注意が必要です。
別の端末で試す
PCで再生できない場合は、スマホやタブレットで試してみましょう。
逆にスマホで再生できない場合は、PCに移して確認するのも有効です。
ファイルをコピーし直す
コピー中のエラーでmovが破損していることもあります。
もう一度カメラやiPhoneからPCに再コピーしてみてください。
意外とこれで直るケースも少なくありません。
ファイル修復ソフトを試す
どうしても再生できない場合は、
動画修復ソフト(例:Stellar Repair for Video)を使う方法もあります。
破損したmovファイルを修復できる場合があり、
重要な動画を救出したい時の最後の手段となります。
撮影現場でのトラブルを防ぐポイント
撮影前に記録形式を確認する
カメラやスマホで撮影する前に、
保存形式(mov / mp4)を確認しましょう。
多くの機材では設定画面から変更でき、
互換性を重視するならmp4を選ぶのが安心です。
長時間撮影の際は容量に注意
movは高画質のため、ファイルサイズが大きくなりやすい特徴があります。
SDカードや内蔵ストレージの空き容量が足りないと、
撮影中にファイルが壊れるリスクがあるので要注意です。
電源管理を徹底する
バッテリー切れで撮影が強制終了すると、
movファイルが破損して再生できなくなるケースがよくあります。
撮影前に十分な充電をし、予備バッテリーを用意しておくと安心です。
撮影後はすぐにバックアップ
撮影直後にPCや外付けSSDにコピーして、
二重・三重のバックアップを取る習慣を持ちましょう。
撮影後すぐなら破損が起きても再撮影が可能な場合も多く、
トラブルを最小限に抑えられます。
現場での再生確認を怠らない
「撮ったはずなのに再生できなかった」という悲劇を避けるために、
撮影直後に別端末で試し再生するのがおすすめです。
現場で確認できれば、失敗の早期発見につながります。
プロの映像制作現場でのmov活用事例
映画・CM制作で選ばれる理由
プロの映像現場では、movは標準的なファイル形式として利用されています。
特にAppleのFinal Cut ProやAdobe Premiere Proなどの編集ソフトとの互換性が高く、
映像の質を劣化させずに扱える点が評価されています。
映画やテレビCMなど、最高品質が求められる分野では今も現役です。
企業PRや商品プロモーション映像
企業のプロモーション映像や製品紹介動画でも、mov形式で納品されるケースがあります。
特に映像の細部までこだわるブランディング映像では、
「画質の良さ=ブランドイメージの強化」につながるためです。
ドローンや一眼カメラでの撮影
ドローンやシネマカメラ、一眼レフで撮影された素材もmov形式が多いです。
例えば、DJIのドローンやCanonの一部機種では、
mov形式が標準保存フォーマット。
そのため、プロの現場では「movは当たり前」という認識があります。
最終納品よりも「編集用素材」としての価値
クライアントへの最終納品はmp4など互換性の高い形式に変換されることが多いですが、
編集段階ではmov形式で受け渡すのが主流です。
理由は、編集耐性と画質の保持。
プロにとってmovは「最終的に作品を磨き上げるための原石」のような存在なのです。
FAQ(よくある質問と回答)
Q. movファイルはmp4より優れていますか?
A. 優劣というより用途の違いです。
movは高画質で編集向き、mp4は互換性が高く配布・再生向き。
編集用=mov、公開用=mp4と使い分けるのが一般的です。
Q. movファイルを再生するには有料ソフトが必要ですか?
A. いいえ、必要ありません。
VLCメディアプレーヤーやQuickTime Playerなど、
無料ソフトで再生可能です。
Q. iPhoneで撮ったmovをAndroidで再生できますか?
A. 直接は再生できない場合があります。
その場合はVLC for Androidなど対応アプリを利用するか、
mp4に変換すればスムーズに再生できます。
Q. movファイルが途中で止まるのはなぜですか?
A. 原因は主に以下の通りです:
・PCやスマホの性能不足
・ファイルサイズが大きすぎる
・ファイルが破損している
まずは他のプレーヤーで試す、
それでもダメなら変換や修復を検討してください。
Q. movを再生できない時の一番簡単な解決方法は?
A. 最も手軽なのはVLCメディアプレーヤーを使うことです。
それでも難しい場合は、mp4に変換すればほぼ確実に解決できます。
まとめ|movが再生できないときの最終チェック
ここまで、movファイルが再生できない原因と対処法を解説しました。
ポイントを整理すると以下の通りです:
・movは高画質で編集向きだが、互換性に弱点がある
・再生できない原因は「コーデック非対応」「プレーヤー不足」「端末の違い」「ファイル破損」が多い
・VLCやQuickTimeなど、対応プレーヤーを使えば解決しやすい
・最終手段はmp4への変換がもっとも確実
・撮影現場での予防(形式選択・電源管理・バックアップ)がトラブルを減らす
結局のところ、「mov=編集の原石」であり、
最終的な視聴や配布はmp4に変換するのが王道です。
もし「どうしても再生できない」「重要な動画なのに開けない」という方は、
専門の映像制作会社に相談するのもひとつの方法です。
トビガスマルでは映像制作はもちろん、動画ファイルの変換・修復や運用サポートも承っております。
大切な映像を無駄にせず、しっかり活用するために。
「再生できないmov」で悩んだときは、まず今回のチェックリストを試してみてください。

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