
こんにちは。クセノツヨイ映像制作会社トビガスマルの廣瀬です。
今日はPremiere Proを使うクリエイターなら誰もが一度は悩む——
「音楽の長さ、映像にピッタリ合わない問題」をスカッと解決する方法をご紹介します。
今回のテーマは、Premiere Proのエッセンシャルサウンドパネル&リミックスツール。
「無料BGMの探し方が分からない」「曲をフェードアウトで無理やり終わらせてる」「結局手作業で切ってる」そんなあなたにこそ読んでほしい、“音楽編集の決定版”です。
この記事では、
✅ 無料で使える音楽を効率よく探すコツ
✅ 映像に合わせて自然に曲を“伸ばしたり縮めたり”する方法
✅ リミックスツールを使いこなすプロの視点
まで、映像ディレクター視点でがっつり解説します。
音楽編集は、「ただBGMを敷くだけ」の作業じゃありません。
映像の呼吸に合わせて音をデザインすることで、作品の世界観が一段も二段も深くなるんです。
それでは、Premiere Proの音楽編集の世界へ——トビガスマルと一緒に飛び込んでみましょう!
目次
Premiere Proで音楽編集を極める!基本機能と無料BGM活用術
動画の空気感を決めるのは「絵」だけじゃありません。音楽(BGM)は、映像に魂を吹き込む“呼吸”のような存在。 Premiere Proでは、その“呼吸”を操るための強力なツールが標準で搭載されています。
エッセンシャルサウンドパネルとは?
Premiere Proのエッセンシャルサウンドパネルは、音楽や効果音の調整をビジュアルに操作できる超便利機能。 直感的なUIで、「音楽」「ダイアログ」「効果音」「環境音」の4カテゴリに分類し、目的に応じて適切な処理を施せます。
中でも注目なのが、Adobe Stockと直結している点。 Premiereの中でそのままBGMを検索→視聴→ドラッグ&ドロップでタイムラインに追加…というスムーズな導線は、他の編集ソフトにはない強みです。
無料音源の探し方:フィルターを“絞りすぎない”のがコツ
Adobe Stockには2000曲を超える無料BGMが収録されていますが、数が多すぎて迷子になりがち。 そこで重要なのが、絞り込みのしすぎに注意することです。
たとえば「エモーショナル」「お祝い」「インスピレーション」…と複数のムードタグを選ぶと、検索結果が増えることがあります。 これは“AND検索”ではなく“OR検索”に近い仕組みだからです。
まずはムード1つ+ジャンル1つ程度でざっくり検索し、気になる曲をピン止めしていくのが賢いやり方です。
無料楽曲だけを選びたいなら「無料」フィルターにチェック
有料音源が混ざっていると、「これ使いたい!」と思ってもダウンロードできずガッカリ…。 そんな時は、フィルターにある「無料」のチェックボックスをONにしましょう。 これで完全無料&商用利用OKな音源だけが表示されます。
トビガスマルでも、ローカル企業のPR動画や学校イベントムービーなど、予算を抑えたい案件では、この無料フィルターの活用が大活躍しています。
探す前に決めておくと便利なポイント
- ループさせたい?(→「Loop」付き音源)
- 曲の終わりを合わせたい?(→展開系の曲)
- 尺を後から編集する?(→リミックスツール対応前提)
このあたりをざっくり決めておくだけでも、音源探しの迷子時間が大幅に減ります。
ループ曲 vs 展開曲:動画に合った音楽を選ぶ方法
Premiere Proで音楽を編集する前に、まず押さえておきたいのが「どんなタイプの音楽を使うか」という判断です。 BGMには大きく分けて2種類、ループ対応曲と展開型の曲があります。 ここを見誤ると、「あれ?終わらない…」「無理やり感出た…」といった悲劇が起こります。
ループ曲:繰り返しに強い“万能タイプ”
「ループ(loop)」と書かれた音楽ファイルは、終わりと始まりが自然につながるよう設計された曲です。 たとえば30秒のループ曲を4回コピーして並べると、まるで2分の長い曲のように違和感なく繋がります。
こうしたループ曲は、次のようなシーンにおすすめ:
- 社内イベントの記録映像
- セミナーや講演会のBGM
- ゆるやかに長く流したい紹介動画
特に尺が読めないタイプの映像には、ループ曲+フェードアウトという構成が超便利です。
展開曲:ストーリーに寄り添う“演出型”BGM
逆に、「物語に抑揚をつけたい」「映像の終わりと音楽をぴったり合わせたい」という場合は、イントロ→盛り上がり→アウトロの構成を持った“展開曲”が向いています。
展開曲のおすすめ活用シーン:
- 商品やサービスのティザー動画
- エモーショナルな採用インタビュー
- プロモーションムービーのクロージング
こうした曲は「終わりの余韻」まで含めて編集することで、映像全体の印象がグッと引き締まります。
検索テク:マイナス「ループ」で展開曲だけを抽出
Adobe Stockで展開曲を探すときは、検索欄に「-loop」と入力してみてください。 これで「loop」という文字列が含まれるファイル名を除外でき、展開曲だけをリストアップすることが可能です。
例:
corporate -loop
→ ビジネス系の展開曲だけ抽出
これ、地味にめちゃくちゃ使える裏ワザなので、ぜひ覚えておいてください。
Premiere Proのリミックスツールで音楽を自由自在に編集
「映像に合わせて音楽を調整したいけど、うまくいかない…」 そんなあなたの悩みを解決してくれるのが、Premiere Proの“リミックスツール”です。
音楽の波形をAIが解析し、自然なつながりで曲を“切ったり”“伸ばしたり”してくれるこの機能は、音楽編集の救世主とも言える存在。 でも、ちょっとクセもあるんです。ここからは、実際の操作方法と合わせて、「うまく使うコツ」まで紹介していきます。
リミックスツールの使い方:3ステップでOK
- ツールバーでリップルツールを長押し → 「リミックスツール(音符マーク)」を選択
- 編集したい音楽クリップを選び、端をドラッグして伸縮
- Premiereが波形を解析し、自動的に“つなぎ目”を計算
結果、まるで人が編集したような滑らかさで、音楽の尺を変更してくれます。
セグメントとバリエーション:リミックスの精度を上げるカギ
Premiereはただ切るだけじゃありません。リミックスツールには、「セグメント」と「バリエーション」という2つの設定項目があります。
- セグメント:編集点の数をコントロール(少なめ=大きなまとまり/多め=細かく編集)
- バリエーション:曲調に合わせた編集傾向(低=メロディ重視/高=リズム重視)
曲の構成を保ちたいときはセグメントを「少なめ」に、 リズムを崩さずに細かく編集したいときは「多め」に設定してみましょう。
音楽を“守る”技:編集点の保護
「このサビはどうしても残したい」「この静かな部分だけは絶対必要!」 そんなときに役立つのが、編集点の保護(プロテクト)です。
- 対象の音楽に対して、コマンド+K(またはCtrl+K)で“編集点”を入れる
- その前後のセクションはPremiereがリミックス編集しないように保護
- あとはリミックスツールで全体を調整
つまり、守りたいところだけ“固定”して、それ以外を自由に変えるというわけ。 これで「ガチャ編集」だったリミックスツールが、“狙ったとおりの編集”に近づきます。
実践テクニック:リミックスツールでここまでできる!
「便利そうなのは分かったけど、実際どんなふうに使えるの?」 そんな声にお応えして、ここでは実際の映像編集シーンで役立つリミックスツールの活用例を紹介します。
▶ 1. 映像の長さに“きっちり”合わせる
例えば、60秒の会社紹介動画を作っていて、「いい曲なんだけど尺が65秒しかない…」という場合。 普通なら、「ちょっと切ってフェードアウトかな…」となりがちですが、
リミックスツールなら、曲の自然な展開を保ったまま60秒に調整可能。 「テンポはそのまま/盛り上がりもそのまま/しかも自然」──これが地味にすごい。
▶ 2. サビや静かなパートだけ“保護”して再構成
とある事例:採用インタビュー映像で、「このインサート映像には静かなピアノがほしい。でも曲全体は長すぎる…」
そんなときは、静かなパートの前後に編集点(K)を打って“ここは絶対変えない”よう保護。 その後、リミックスで全体を圧縮。結果、「使いたい部分はそのまま」+「他はPremiere任せ」という理想的編集が完成。
▶ 3. 展開のある曲で“締めカット”に合わせる
映像のエンディングで、「ロゴがフェードインして、静かに終わる」みたいな演出、よくありますよね。 このとき、「曲の終わりが合わないからフェードアウトでごまかす…」ではもったいない!
展開曲(マイナスloop検索で発見)を使い、リミックスでピタッとエンディングに合わせると、 視聴者に「締まった印象」を残せます。これはブランディングにも効果大。
▶ 4. 逆に“リミックスを使わない”判断も大事
正直、リミックスは万能じゃありません。 複雑なクラシック曲や、感情の起伏が強いBGMでは、リミックスが“うまくいかない”ことも。
そんなときは、あえて人力で切ってフェードイン/アウトで演出したほうがナチュラル。 トビガスマルでは、「リミックスが微妙だったら手でやる」の精神でやってます。
このように、Premiere Proのリミックスツールは「自動」×「直感」×「こだわり」が混ざる、編集者の“相棒”のような存在。
次章では、このツールをどう“トビガスマル流”で使いこなすか?音楽編集に込める想いと現場のコツをお届けします。
トビガスマル流・音楽編集の極意:大事なのは“違和感のなさ”
私たちトビガスマルが映像をつくるとき、音楽編集で一番大事にしていること。 それは——視聴者が「音楽を意識しない」状態をつくることです。
派手な演出より、違和感のない“自然な音の流れ”が、映像全体の完成度を底上げするんです。
▶ 音楽は“空気”をつくる
映像の中で音楽は、ナレーションやテロップと違って直接的な情報は伝えません。 でも、「空気感」や「世界観」を演出するという点では、最も強力なツールのひとつです。
つまり、“音が違和感なく存在している”ことが、最も良い状態。 これは、BGMが主張しすぎず/薄すぎず/映像と呼吸が合っていることが重要です。
▶ 自動だけに頼らず“映像ディレクターの耳”を活かす
リミックスツールは確かに便利です。でも、ツールに100%頼ると「ん?今つながり方変だったな」と感じさせることも。
そんなときは、自分の“耳”と“感覚”で手を加えるのが、プロの仕事。 波形だけじゃなく、映像の“動き”と音の“強弱”がシンクロしているかにこだわります。
トビガスマルでは、動画のジャンルに応じて、あえて手作業で小節単位の調整をすることも多いです。
▶ 視聴者に“気づかれず、印象を残す”音づくり
理想の音楽編集とは、視聴者がBGMの存在に気づかないのに、見終わったあとに「なんか良かったな」と感じる状態。 つまり「無意識に印象に残る音づかい」こそがベストなんです。
これは編集者として、「映像に溶ける音楽」を選び、つなげ、調整するという繊細な作業の積み重ねでしか生まれません。
【保存版】おすすめ無料BGMサイト5選(Adobe以外)
Premiere Proの中だけでBGMを探すのも良いですが、Adobe以外の無料音楽サイトも併用すれば、もっと選択肢が広がります。
トビガスマルが実際に現場で使っているサイトを厳選してご紹介します。
1. DOVA-SYNDROME(ドヴァ・シンドローム)
日本語対応で、ムード・尺・楽器別に検索しやすいのが魅力。
情緒系、和風系、ジングルなど、映像制作者のツボを押さえたラインナップです。
2. YouTubeオーディオライブラリ
「YouTube専用だけど無料&商用利用OK」な音源が豊富。ループ対応曲も多く、シンプルなBGMを探している人には鉄板です。
3. 甘茶の音楽工房
和の情緒、優しさ、懐かしさ……「泣けるBGM」を探すならココ!
地方の観光PRや学校の記録映像に抜群の相性です。
4. Bensound
海外サイトですが、商用利用OK(クレジット必須)でオシャレ系・アコースティック系が得意。
インバウンド動画や英語字幕付き動画にもぴったりです。
5. MusMus
クレジット表記で無料利用可能。
シンセ・ループ系に強く、近未来/サイバー/ゲーム系の案件にも対応可能。
よくある質問:音楽編集でつまづくポイントQ&A
ここでは、Premiere Proで音楽編集をするときによく寄せられる“つまずきポイント”を、トビガスマル流の視点で解決します。初心者から中級者まで、制作現場で「あるある」な悩みに答えます。
Q1:リミックスツールが使えない(グレーアウトしてる)
まずはそのBGMがエッセンシャルサウンドで「音楽」としてタグ付けされているか確認を。
使うには、音楽クリップを選択 → エッセンシャルサウンドパネル →「音楽」に設定する必要があります。
Q2:リミックスすると違和感のあるつながりになる
リミックスの自動編集は便利ですが万能ではありません。
この場合は、セグメント数を減らす(=編集点を減らす)、または保護したいフレーズに編集点を打って守る方法が効果的です。
Q3:音楽のフェードイン・フェードアウトがうまくできない
タイムライン上でBGMクリップの上下にマウスを当てて「白い線(オーディオレベル)」をドラッグすれば、簡単に音量のキーフレームが作れます。
また、エッセンシャルサウンド → フェード → 自動化もおすすめです。
Q4:BGMがナレーションを邪魔してしまう
この問題には「ダッキング」機能が最適解です。エッセンシャルサウンドでBGMを「音楽」、ナレーションを「ダイアログ」に設定すれば、自動的にBGM音量を調整してくれます。
ナレーションが話している間は音量が下がり、止まると自然に戻る——まさに“自動ミキサー”!
まとめ:Premiere Proの音楽編集で映像を“完成形”に近づけよう
映像の完成度を左右する“音”。中でもBGMの編集は、空気を操る魔法のようなものです。 Premiere Proのエッセンシャルサウンドパネルとリミックスツールをうまく使えば、誰でも映像にぴったりの音楽を実現できます。
▼ 今日の学びポイントを振り返ろう
- 🔍 無料BGMを効率よく探すなら:フィルターは“絞りすぎない”が正解
- 🔁 長尺対応はループ曲、締めたいときは展開曲
- 🛠 リミックスツールで尺合わせが超簡単:でも「編集点の保護」がプロの技!
- 👂 違和感のなさがすべて:視聴者の“耳”より先に、ディレクターの感覚を
最初はうまくいかなくても大丈夫。音楽編集は経験値で上手くなります。
だからこそ、まずはツールに触れ、自分なりの流儀を作っていくことが大切です。
トビガスマルは、音楽編集でも“クセツヨく”
トビガスマルでは、PR動画・採用ムービー・周年記念映像など、 あらゆるジャンルの「音」に真剣に向き合い、映像に“違和感ゼロのBGM”を仕込むことを大事にしています。
「音楽ってこんなに印象を変えるんだ」 そんなふうに思ってもらえる動画づくり、あなたと一緒にできたらうれしいです。

動画編集でBGMに悩んだときは、この記事に立ち返ってください。
そして、「Premiere Proで音がうまくいかない…」と感じたら、私たちに相談してもらえたら本望です。

2025.05.30
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