こんにちは。合同会社トビガスマル代表の廣瀬です。
動画制作の現場では、撮影や編集と同じくらい大切にしていることがあります。
それが、著作権や利用許諾の確認です。
「この音楽は使っても大丈夫か」
「昔の写真を周年動画に入れてよいか」
「式典で流した映像をYouTubeにも公開できるか」
「会場で流したBGMがアーカイブに残っても問題ないか」
「SNS用に再編集して広告配信してもよいか」
動画を作っていると、こうした確認が必ず出てきます。
動画の著作権というと、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、実際の制作現場で大切なのは、法律用語を暗記することではありません。
大切なのは、誰かが作った素材を使うときに、その使い方が許されているかを確認することです。
音楽、写真、イラスト、ロゴ、映像素材、フォント、ナレーション、過去のテレビ映像、SNS投稿、生成AIで作った画像や音声。
動画には、さまざまな素材が組み合わさります。
だからこそ、著作権の確認は、公開直前に慌てて行うものではなく、企画段階から考えておくべきものです。
この記事では、動画制作やライブ配信、周年動画、Web CM、SNS動画を作るときに、著作権で失敗しないための基本的な考え方を、制作現場の視点でまとめます。
目次
動画制作で著作権確認が大切な理由
動画は、たくさんの素材の集合体です。
撮影した映像だけでなく、BGM、効果音、写真、テロップ、ロゴ、資料、ナレーション、インタビュー、会場で流す映像など、多くの要素が組み合わさって一本の動画になります。
その中に、他者が権利を持っている素材が含まれている場合、利用方法によっては許諾が必要になることがあります。
つまり、「ネットにあったから使える」「短い秒数だから大丈夫」「クレジットを書けば大丈夫」というものではありません。
特に企業動画や周年動画、Web CMのように商用・広報目的で使う動画では、素材の権利確認がとても重要になります。
動画の著作権でよく確認が必要になる素材
動画制作で特に確認が必要になるのは、次のような素材です。
- BGM・効果音
- 写真・画像
- イラスト・アイコン
- ロゴ・キャラクター
- 既存の動画・テレビ映像
- 過去の式典映像
- スライド資料・図表
- フォント
- ナレーション・音声
- 生成AIで作成した画像・音楽・映像
これらは、それぞれ権利の考え方が少しずつ違います。
特に注意したいのは、制作時に使えることと、公開・広告配信に使えることは別だという点です。
たとえば、社内確認用には使えても、Web公開や広告配信には使えない素材があります。
式典会場での上映は可能でも、YouTube公開やSNS広告には別の許諾が必要になる場合もあります。
そのため、動画を作るときは、最初に「どこで使う動画なのか」を決めておくことが大切です。
音楽利用で特に注意したいこと
動画制作で最も相談が多いのが、音楽です。
BGMが変わるだけで、動画の印象は大きく変わります。
周年動画では感動的にしたい。
Web CMでは印象に残るリズムにしたい。
式典オープニングでは高揚感を出したい。
そう考えると、音楽選びはとても重要です。
ただし、音楽には複数の権利が関わります。
作詞・作曲に関する著作権。
音源を制作したレコード会社やアーティストなどの著作隣接権。
演奏や録音に関する権利。
これらを整理しないまま使うと、公開後にトラブルになる可能性があります。
JASRAC管理楽曲なら何でも自由に使えるわけではない
ただし、これで何でも自由に使えるわけではありません。
つまり、企業の周年動画、Web CM、SNS広告動画で音楽を使う場合は、かなり慎重に確認する必要があります。
式典上映とWeb公開では、必要な確認が変わる
周年式典では、会場で動画を上映することがあります。
その場だけで上映する動画なのか。
後日YouTubeに公開するのか。
SNSにも投稿するのか。
広告として配信するのか。
この違いによって、使える音楽が変わる場合があります。
現場でよくあるのが、式典用に作った動画を、あとから「せっかくだからSNSにも載せたい」となるケースです。
しかし、最初に会場上映だけを前提に音楽を選んでいると、Web公開や広告利用に対応できないことがあります。
そのため、トビガスマルでは、周年動画やWeb CMを制作する際、できるだけ最初に利用範囲を確認するようにしています。
写真・過去映像を使うときの注意点
周年動画では、過去の写真や昔の映像を使うことがよくあります。
創業当時の写真。
昔の店舗や工場の写真。
歴代社長や社員の集合写真。
過去のイベント映像。
地域活動の記録写真。
こうした素材は、周年動画にとって非常に大切です。
しかし、ここでも確認が必要です。
写真を撮った人の権利
写真には、撮影者の著作権が関係します。
会社に保管されていた写真であっても、誰が撮影した写真なのか、利用してよい範囲はどうなっているのかを確認した方が安全です。
特に、写真館、広告会社、別の制作会社、新聞社、雑誌社などが撮影した写真は、勝手に動画へ使用できない場合があります。
写っている人への配慮
写真や映像には、著作権だけでなく、肖像権やプライバシーへの配慮も必要です。
社員、OB・OG、お客様、来賓、地域の方、子どもが写っている場合、公開範囲によっては確認が必要になることがあります。
社内上映なら問題になりにくい写真でも、Web公開や広告配信では慎重に扱うべきです。
古い素材ほど、権利関係が分かりにくい
昔の写真や映像は、誰が撮影したのか、どこまで使ってよいのかが分かりにくいことがあります。
その場合は、素材の出所を整理し、リスクが高いものは無理に使わない判断も必要です。
周年動画では、どうしても使いたい写真がある場合もあります。
ただ、公開後にトラブルになるよりは、使用範囲を限定したり、別の素材に差し替えたりする方が良い場合もあります。
背景への写り込みにも注意する
動画撮影では、背景にさまざまなものが写ります。
ポスター、絵画、キャラクターグッズ、テレビ画面、看板、雑誌、パソコン画面、資料、商品パッケージ。
これらの中には、著作権や商標権、肖像権に関係するものがあります。
たとえば、インタビュー撮影の背景に、他社キャラクターのポスターが大きく写っている。
オフィス撮影で、パソコン画面に社外秘資料や他社サービスの画面が映っている。
店舗紹介動画で、BGMとして店内に流れている有線放送の音楽が収録されている。
こうしたことは、現場で意外と起こります。
撮影時点では気づかなくても、編集や公開前の確認で問題になる場合があります。
撮影前に背景を整理する
一番良い対策は、撮影前に背景を確認することです。
映したくないものは片付ける。
ポスターやキャラクター商品を外す。
パソコン画面は閉じる。
資料や名簿は写らないようにする。
店内BGMが入る場合は止めるか、収録音声に入らないようにする。
このような準備をしておくことで、編集時の修正やモザイク処理を減らせます。
フォントやテンプレートにも利用規約がある
意外と見落とされがちなのが、フォントやテンプレートの利用規約です。
動画編集ソフトやデザインツールでは、多くのフォント、テンプレート、アイコン、モーショングラフィックス素材が使えます。
しかし、それぞれ商用利用の可否や利用条件が異なる場合があります。
特に、Web CMや企業PR動画、SNS広告動画では、商用利用が可能かどうかを確認する必要があります。
無料素材だからといって、商用利用や広告利用が自由とは限りません。
動画制作では、映像や音楽だけでなく、テロップやデザイン素材にも注意が必要です。
生成AI素材を使うときの注意点
最近は、生成AIで画像、音声、BGM、動画素材を作ることも増えています。
便利な一方で、利用規約や権利関係には注意が必要です。
生成AIで作った素材が商用利用できるのか。
広告に使えるのか。
第三者の著作物や人物に似すぎていないか。
使用したツールの規約上、どこまで利用できるのか。
こうした点を確認する必要があります。
特に、企業のWeb CMや周年動画、採用動画のように長く公開されるものでは、AI素材の利用範囲を記録しておくことをおすすめします。
ライブ配信・アーカイブ配信での著作権
ライブ配信では、当日その場で流した音楽や映像が、そのまま配信・録画に残ることがあります。
ここが、通常の会場イベントと大きく違う点です。
会場内で流すだけなら問題になりにくいものでも、ライブ配信やアーカイブ公開では確認が必要になる場合があります。
会場BGMが配信に乗る
式典やイベントでは、開場中や登壇時にBGMを流すことがあります。
その音が配信に乗ると、配信動画の一部として公開されます。
そのため、会場では問題ないと思っていたBGMでも、配信後に著作権の申し立てや収益化制限、公開制限がかかる場合があります。
アーカイブ公開まで考えて音楽を選ぶ
ライブ配信では、当日だけでなく、後日アーカイブとして残すかどうかも重要です。
ライブ配信だけなら使いやすい素材でも、アーカイブ公開や広告利用では条件が変わる場合があります。
そのため、配信前に次のことを確認しておくと安心です。
- ライブ配信だけなのか
- アーカイブを残すのか
- 限定公開なのか一般公開なのか
- SNSに切り抜きを投稿するのか
- 広告配信にも使うのか
公開範囲が広がるほど、権利確認も慎重に行う必要があります。
動画制作で著作権トラブルを防ぐチェックリスト
動画制作や配信の前には、以下の項目を確認しておくと安心です。
- 使用するBGMの利用範囲を確認したか
- 効果音や音源素材の商用利用が可能か確認したか
- 写真・過去映像の撮影者や利用許諾を確認したか
- 写っている人の公開範囲に問題がないか確認したか
- ロゴ・キャラクター・ポスターなどが背景に大きく写っていないか
- 店内BGMや会場BGMが収録・配信に入っていないか
- フォントやテンプレートの商用利用条件を確認したか
- 生成AI素材の利用規約を確認したか
- 式典上映、Web公開、SNS投稿、広告配信の利用範囲を整理したか
- 納品後にクライアント側で二次利用する範囲を決めたか
- 契約書や見積書に利用範囲を明記したか
このチェックリストで特に重要なのは、最後の「利用範囲」です。
動画は、一度作るとさまざまな場所で使いたくなります。
しかし、最初に想定していなかった使い方をすると、素材の権利条件に合わない場合があります。
だからこそ、制作前に「どこで、いつまで、何に使うのか」を整理しておくことが重要です。
契約書・見積書に利用範囲を明記する
動画制作では、著作権そのものだけでなく、納品後の利用範囲も重要です。
たとえば、次のような項目です。
- 式典会場で上映する
- 自社Webサイトに掲載する
- YouTubeに公開する
- InstagramやTikTokに投稿する
- SNS広告として配信する
- 展示会や営業資料として使う
- テレビCMやWeb CMへ再編集する
- 社内研修や採用活動に使う
これらは、同じ動画でも利用条件が変わる場合があります。
制作会社側と依頼者側で認識が違うと、後からトラブルになりやすい部分です。
トビガスマルでは、動画の目的や公開先を伺いながら、できるだけ利用範囲を整理するようにしています。
周年動画で特に気をつけたい著作権
周年動画は、著作権確認が特に重要なジャンルです。
なぜなら、過去の素材を多く使うからです。
昔の写真。
古い映像。
社歌やBGM。
過去のテレビ取材映像。
新聞記事。
パンフレット。
歴代ロゴ。
社員やOB・OGの集合写真。
これらを使うことで、周年動画は深みが出ます。
しかし、素材ごとに権利や利用範囲を確認する必要があります。
昔のテレビ映像や新聞記事は要注意
周年動画で「昔テレビに出たときの映像を使いたい」「新聞記事を映したい」というご相談があります。
しかし、テレビ局や新聞社が制作した映像・記事・写真には、それぞれ権利があります。
会社に録画データや切り抜きが残っていても、自由に動画へ使用できるとは限りません。
使いたい場合は、権利者への確認が必要になることがあります。
社歌・校歌・団体歌にも権利確認が必要な場合がある
周年式典では、社歌や校歌、団体歌を使う場合があります。
古くからある曲でも、作詞者・作曲者・音源制作者の権利が残っている場合があります。
会場で歌うだけなのか、動画に収録するのか、YouTubeに公開するのかによっても確認内容が変わります。
過去素材は、最初に一覧化する
周年動画では、素材が多くなりやすいため、最初に素材リストを作ることをおすすめします。
- 素材名
- 種類
- 撮影者・作成者
- 提供元
- 使用可否
- 使用範囲
- 確認が必要な点
このように整理しておくと、制作途中で迷いにくくなります。
著作権でよくあるご相談
Q. フリー素材なら何に使っても大丈夫ですか?
A. いいえ。フリー素材でも、商用利用、広告利用、改変、再配布、クレジット表記の有無など、利用条件が決まっている場合があります。必ず素材サイトや配布元の利用規約を確認する必要があります。
Q. クレジット表記をすれば音楽や写真を使えますか?
A. クレジット表記だけで使えるとは限りません。権利者が許可している範囲で利用する必要があります。表記が必要な素材もありますが、表記すれば無断利用が許されるわけではありません。
Q. 式典で流した動画をYouTubeにも公開できますか?
A. 可能な場合もありますが、使用している音楽、写真、映像、出演者、会場BGMなどの利用範囲を確認する必要があります。式典上映だけを前提に作った動画は、Web公開に対応していない素材が含まれている場合があります。
Q. YouTubeで著作権の申し立てが来たら削除しないといけませんか?
A. 内容によります。JASRACは、YouTubeでJASRAC管理楽曲が含まれている場合に「著作権の申し立て」の通知が届くことがあり、これは著作権侵害を主張するものではないため、動画を削除する必要はない場合があると案内しています。ただし、申し立ての内容や利用方法によって対応が変わるため、通知内容を確認する必要があります。:contentReference[oaicite:6]{index=6}
Q. 生成AIで作った画像や音楽は商用動画に使えますか?
A. 使用した生成AIツールの利用規約によります。商用利用が可能な場合でも、第三者の著作物や人物に似すぎていないか、広告利用が認められているか、素材の出所を記録できるかを確認することをおすすめします。
まとめ|著作権対策は、動画制作の最初から考える
動画の著作権対策は、公開直前に慌てて確認するものではありません。
企画、撮影、編集、納品、公開、広告配信、アーカイブ活用。
それぞれの段階で、必要な確認があります。
特に、周年動画、Web CM、SNS広告動画、ライブ配信では、音楽、写真、過去映像、出演者、会場BGM、フォント、テンプレートなど、多くの素材が関わります。
大切なのは、すべてを怖がって使わないことではありません。
権利を確認し、使える範囲を整理し、必要に応じて許諾を取り、安全に活用することです。
著作権に配慮することは、表現を制限するためではなく、安心して動画を公開し、長く活用するための準備です。
トビガスマルでは、動画制作の企画段階から、使用素材や公開範囲を確認しながら、安心して使える動画づくりをサポートしています。
著作権に配慮した動画制作をご検討中の方へ
トビガスマルでは、岡山県新見市を拠点に、周年動画、Web CM、企業PR動画、SNS動画、ライブ配信・アーカイブ動画の制作を行っています。
- 周年式典で上映する動画
- YouTubeやSNSで公開する企業PR動画
- Web CM・SNS広告動画
- 過去写真や古い映像を使った周年動画
- 式典や講演会のライブ配信・アーカイブ制作
- 音楽・写真・素材の利用範囲を確認した動画制作
「昔の写真を周年動画に使いたい」
「式典用動画をYouTubeにも公開したい」
「広告に使える音楽を選びたい」
「著作権が不安なので、制作前に相談したい」
そのような段階からご相談いただけます。
大切な動画を、安心して公開し、長く活用できる形で一緒に設計していきましょう。
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