
こんにちわ、クセノツヨイ映像制作会社「トビガスマル」代表の廣瀬です。
撮影現場でドローンを飛ばしていると、「あれ、映像が水平じゃない?」「写真がちょっと傾いてる…」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
特にDJIのMavic 3 Pro Classicを使っていると、機体は絶好調なのに映像が微妙に斜めになる現象が起きることがあります。
これは故障ではなく、多くの場合はジンバルやセンサーのキャリブレーションの誤差が原因です。
つまり、正しく調整すれば改善できるケースがほとんど。
この記事では、Mavic 3 Pro Classicで水平が撮れなくなる原因と、現場でできる修正方法をわかりやすく解説します。
さらに、トビガスマル流の「現場で役立つ即対応テク」もご紹介。
これを読めば、次のフライトから「地平線が傾いてる!」なんて焦らず、まっすぐで気持ちいい映像が撮れるようになりますよ。
目次
なぜMavic 3 Pro Classicの水平が傾くのか?
よくある原因① ジンバルキャリブレーションのズレ
Mavic 3 Pro Classicのカメラは3軸ジンバルで精密に制御されています。
しかし、長期間の使用や持ち運び時の振動・衝撃で、ジンバルの基準値が少しずれてしまうことがあります。
この場合、映像がわずかに斜めに見えてしまいますが、キャリブレーションを行うことで元の水平を取り戻せます。
よくある原因② IMU(慣性計測装置)の誤差
ドローン内部にはIMU(Inertial Measurement Unit/慣性計測装置)と呼ばれるセンサーがあり、機体の姿勢や傾きを常に検知しています。
このIMUが気温差や地磁気の影響を受けると、水平検知そのものが少しずれてしまうことがあります。
特に夏場の炎天下や冬場の低温下など、極端な環境ではIMUの誤差が出やすいです。
よくある原因③ 飛行中の環境要因
風が強い日や急な姿勢変更をしたとき、映像が一瞬傾いて見えることがあります。
これは機体の制御が追いつかない一時的な現象で、必ずしも故障ではありません。
ただし、飛行のたびに傾きが続く場合は、ジンバルやIMUの調整が必要と判断すべきです。
修正方法|水平を直す手順
1. ジンバルキャリブレーション
最も基本的な修正方法はジンバルキャリブレーションです。
DJI Flyアプリの「設定」→「コントロール」→「ジンバルキャリブレーション」から実行できます。
平らで安定した場所にドローンを置き、指示に従えば数分で完了。
軽度の傾きはこれだけで解決することが多いです。
2. ジンバル水平調整(微調整)
撮影直前に「ちょっと水平が怪しい」と思ったら、ジンバル水平調整がおすすめです。
アプリの「カメラ」設定 →「ジンバル」→「水平調整」で、画面を見ながら左右に微調整が可能。
これは現場ですぐ使える応急処置で、本番前に必ず確認しておくと安心です。
3. IMUキャリブレーション
水平の傾きが頻発する場合は、IMUキャリブレーションを行いましょう。
アプリの「安全」メニューから実行できます。
室温20℃前後の安定した環境で、机の上に機体を置き、指示に従って6面のポジションを取ることでリセットされます。
これにより、センサーの基準値がリフレッシュされます。
4. ファームウェア更新
最新のファームウェアで改善される場合もあります。
DJI Flyアプリの「機体情報」からファームウェア更新を確認してください。
アップデートでジンバル制御の最適化が入ることがあり、症状が自然に解消するケースもあります。
症状を見分けるチェックポイント
一時的な傾きか?恒常的なズレか?
Mavic 3 Pro Classicの水平が傾くといっても、
すべてが「故障」や「センサー異常」ではありません。
例えば、飛行中だけ一瞬傾く場合は、風や急な機体姿勢による一時的な現象です。
これはほとんど問題なく、フライトが安定すれば自然に戻ります。
一方、毎回のフライトで常に斜めになる場合は、
ジンバルやIMUの基準値がズレているサインです。
この場合はキャリブレーションが必須です。
撮影後の映像で確認する方法
飛行中は気づきにくくても、撮影後の映像を確認すれば症状の違いがはっきり分かります。
・一時的な傾き → 動画の一部だけ水平が崩れている
・恒常的なズレ → 写真や動画のすべてで水平が斜め
後者の場合は機体の調整が必要です。
もし確認が難しいときは、地平線や建物の直線を基準に見比べると分かりやすいです。
それでも直らないときの対処
ジンバルの物理的ズレ
キャリブレーションや水平調整をしても改善しない場合、
ジンバルそのものが物理的にずれている可能性があります。
長期使用や輸送時の衝撃によって、内部パーツが微妙に歪むこともあるのです。
この場合はユーザーができる調整には限界があり、無理に触ると故障につながるリスクもあります。
DJIサポートに依頼するケース
自己調整で改善しない場合は、DJI公式サポートに修理を依頼するのが最も確実です。
保証期間内であれば無償修理や交換になる場合もあります。
DJIの修理は事前にWebから申し込み、指定の窓口に発送する流れです。
現場でどうしても水平が取れないまま使い続けるのはリスクが大きいため、
早めの点検・修理をおすすめします。
撮影現場での実践アドバイス
即対応できる「水平調整」
現場で「地平線が微妙に傾いている…」と気づいたら、
まずはジンバル水平調整を実行しましょう。
DJI Flyアプリで数秒あればできるため、最速かつ現場で使える応急処置です。
特に式典やイベント撮影のように「一発勝負」の場面では、
本番前に必ずチェックしておくのがプロの鉄則です。
移動後はキャリブレーションを習慣化
ドローンは移動の衝撃や気温差でセンサーがずれやすい機材です。
車や飛行機で長距離移動したあとや、季節の変わり目には、
ジンバルキャリブレーションを習慣的に実施することをおすすめします。
これだけで撮影の安定感が格段に上がり、編集で余計な補正をする必要も減ります。
予備機・予備映像の確保
万が一水平がどうしても取れない場合に備え、
予備機や別アングルの映像を用意しておくのもプロのリスク管理です。
トビガスマルの現場でも「念のため」のバックアップ映像が
クライアントの安心につながったケースは数多くあります。
撮影現場はやり直しがきかないからこそ、リスクヘッジを仕込んでおくことが大切です。
編集ソフトでの後処理テクニック
Premiere Proでの水平補正方法
もし撮影した映像が斜めだった場合でも、Premiere Proを使えば後処理で修正可能です。
1. タイムライン上で対象のクリップを選択
2. 「エフェクトコントロール」→「回転(Rotation)」を調整
3. 地平線や建物の直線を基準に水平を合わせる
必要に応じて「スケール」を少し拡大すれば、黒い余白を目立たなくできます。
DaVinci Resolveでの回転補正
DaVinci Resolveでも同様に修正可能です。
1. 「インスペクタ」から「回転角度(Rotation Angle)」を微調整
2. ガイド線を表示して、水平ラインを目視で確認
3. 必要に応じてクロップ(拡大)で余白をカット
Resolveはカラーページでの細かなガイド表示が使いやすく、映像の精密な補正に向いています。
写真の場合の補正
写真が傾いている場合は、LightroomやPhotoshopで「変形補正(Transform)」や「角度調整(Angle)」を使えば簡単に修正できます。
とくにLightroomは「自動補正(Auto)」をクリックするだけで、地平線を自動で水平化してくれる便利機能があります。
編集で直す場合の注意点
後処理での補正は便利ですが、画角が狭くなったり画質が劣化するというデメリットがあります。
そのため、基本は撮影前にジンバル調整を行い、編集での補正はあくまで最終手段として考えるのがおすすめです。
傾きを防ぐための予防策
持ち運び・収納時の注意
Mavic 3 Pro Classicは精密なジンバル構造を持っているため、
移動や保管時の取り扱いが水平維持に直結します。
・必ず専用ケースやキャリーに収納する
・車移動ではクッション材を使い、振動を抑える
・保管中はジンバルカバーを装着する
これらを徹底するだけで、ジンバルのズレや劣化を未然に防ぐことができます。
環境に応じたフライト準備
ドローンは外気温や湿度の影響を受けやすいため、
フライト前の環境チェックも大切です。
・夏場や冬場は室温で機体を慣らしてから起動
・強風時は傾きが出やすいため、風速5m以上では慎重に運用
・飛行前に必ずキャリブレーションを確認
ちょっとした準備をすることで、撮影の安定性と信頼性が大きく向上します。
定期的なメンテナンス習慣
キャリブレーションは「不具合が出たときだけ」ではなく、
定期点検の一環として習慣化するのがおすすめです。
・月に1回はジンバルキャリブレーション
・シーズンの変わり目にはIMUキャリブレーション
・ファームウェア更新が出たら必ずチェック
この習慣を持つことで、水平のズレに悩まされるリスクを最小化できます。
まとめ|水平が傾いたら慌てずキャリブレーション
Mavic 3 Pro Classicで映像や写真の水平が傾いてしまう原因は、
ほとんどがジンバルやIMUのセンサー誤差です。
つまり、適切にキャリブレーションすれば解決できるケースが大半です。
今回ご紹介した修正手順をもう一度まとめると——
・ジンバルキャリブレーションで基準値をリセット
・ジンバル水平調整で現場での即対応
・IMUキャリブレーションでセンサーの誤差を修正
・ファームウェア更新で最新制御にアップデート
これらを試しても直らない場合は、物理的なジンバルのズレが考えられます。
その場合は無理に使い続けず、DJIサポートに相談するのが安心です。
現場で「傾いてる!」と焦る前に、
キャリブレーション=ドローンの点検習慣として取り入れておくと、
いつでもまっすぐで美しい映像が残せます。
クセノツヨイ我々トビガスマルとしては——
「映像がナナメってても個性かも?」なんて言いません(笑)。
やっぱり水平はプロの信頼。
次のフライトからは、慌てず落ち着いてキャリブレーションしてみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q. Mavic 3 Pro Classicで水平が傾くのは故障ですか?
A. ほとんどの場合、ジンバルやIMUの誤差によるものです。
キャリブレーションを行えば改善するケースが大半で、必ずしも故障ではありません。
Q. ジンバルキャリブレーションとIMUキャリブレーション、どちらを先にすれば良いですか?
A. まずはジンバルキャリブレーションをおすすめします。
改善しない場合はIMUキャリブレーションを追加で実行すると効果的です。
Q. 撮影中に傾いたとき、すぐ直す方法はありますか?
A. はい、ジンバル水平調整(微調整)を使えば現場で数秒で修正できます。
撮影前に必ず確認する習慣をつけると安心です。
Q. キャリブレーションはどのくらいの頻度でやるべきですか?
A. 長距離移動のあとや季節の変わり目には実施をおすすめします。
通常のフライトでは必要ありませんが、違和感を覚えたらすぐに実行するのがベストです。
Q. どうしても直らない場合はどうしたらいいですか?
A. ジンバルの物理的なズレや故障が疑われるため、DJI公式サポートに依頼してください。
保証期間内であれば無償修理や交換になることもあります。

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