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機材レビュー

YC Onion PINETA Proレビュー|式典・イベント撮影で一脚を使う理由

トビガスマルの道具箱 #01
明日の現場に、持っていくか。
代表社員 廣瀬高之

こんにちは。合同会社トビガスマル代表の廣瀬です。

いきなり結論から言うと、YC Onion PINETA Proは、2025年に買った機材の中でも「買ってよかったものNo.1」でした。

動画撮影では、かなりの頻度でこれを使っています。

理由はいくつかありますが、一番大きいのは単純です。

高さを変えるのが、とにかく速い。

式典、イベント、講演、インタビュー。

現場では「あと10cm上げたい」「今度は少し低くしたい」ということが何度もあります。

三脚なら3本の脚を調整する場面でも、PINETAなら一脚。

この差が、実際の仕事では想像以上に大きかったです。

今回はスペック表を読むだけでは分からない、「仕事道具としてPINETA Proはどうなのか」を現場目線でレビューします。

結論|PINETA Proは「三脚の代わり」ではない。でも持っていく

最初に結論です。

トビガスマルの結論は「持っていく」です。

ただし、

「PINETAがあれば三脚はいらない」

とは思っていません。

三脚には三脚の役割があります。

ライブ配信。

式典全景の長回し。

固定カメラ。

無人撮影。

こうした用途では、今でも三脚を使います。

一方で、

固定したい。でも動きたい。

手持ちほど自由でなくていい。でも三脚ほど場所を取りたくない。

という撮影があります。

そこでPINETA Proが非常に使いやすい。

特に式典やイベントでは、

「ずっと同じ場所で同じ画を撮るカメラ」

ばかりではありません。

登壇者を撮る。

表彰者を撮る。

客席を見る。

場所を少し移動する。

高さを変える。

そのたびに三脚を持ち上げたり、脚を縮めたりする必要がない。

PINETA Proは、三脚より安定しない代わりに、三脚より圧倒的に動きやすい。

私はそこに価値を感じています。

YC Onion PINETA Proとは?

YC OnionのPINETA Proは、カメラ・ビデオ撮影向けのカーボン一脚です。

普通の一脚と大きく違うのが、

  • 素早く高さを変更できる構造
  • 足元に自立ベースを備える
  • ペダル操作によるベース部分の切り替え
  • クイックリリース構造
  • 動画撮影を意識した大型の設計

などです。

メーカー公称では、最大高は約162cm、最大荷重は10kg。

スペックだけを見ると「高機能な一脚」なのですが、実際に使ってみると、この製品の良さは数字よりも、

撮影中の動作が少なくなること

だと感じています。


なぜ動画撮影で一脚を使うようになったのか

以前なら、動画撮影でカメラを安定させるなら三脚、動くなら手持ちやジンバル、という感覚が強くありました。

もちろん、今でも基本は変わりません。

ただ、実際の仕事ではその中間があります。

例えば周年式典。

会場後方から代表挨拶を撮る。

表彰になったので少し横へ移動する。

登壇者が変わったのでカメラ位置を少し上げる。

客席の反応も撮りたい。

懇親会では撮影場所そのものを頻繁に変える。

こうした現場です。

三脚は安定します。

でも、安定する代わりに動きにくい。

手持ちは動きやすい。

でも、長時間になると負担が大きくなります。

その間を埋めてくれたのが一脚でした。

一番よかったのは「高さをすぐ変えられる」こと

PINETA Proを使って一番気に入っているところを一つだけ挙げるなら、

高さ調整の速さです。

これは本当に便利です。

普通の三脚なら、

1本目。

2本目。

3本目。

と脚を調整します。

急いでいると、

「あれ、少し傾いている」

となることもあります。

PINETAは一脚なので、基本的には一本の高さを変えるだけです。

この差は、家で触っているだけだとそれほど大きく感じないかもしれません。

でも現場では違います。

式典ではカメラの高さを意外と頻繁に変える

例えば、ステージ上の登壇者を撮影しているとします。

前の人の頭が入る。

少し高くしたい。

次は座っている人を撮りたい。

少し低くしたい。

撮影場所を移動する。

また高さを変える。

こうしたことを、一日の中で何度も繰り返します。

そのたびに三脚の3本の脚を触るのは、少しずつストレスになります。

PINETA Proなら、

「もう少し高く」がすぐできる。

この小さな差が積み重なります。

機材の性能ではなく「撮影のテンポ」が変わる

PINETA Proを使ったから映像の解像度が上がるわけではありません。

色がきれいになるわけでもありません。

でも、

撮りたいと思ったときに、すぐ撮影状態へ持っていける。

これは仕事道具として非常に大切です。

カメラマンが機材を調整している間にも、現場は進みます。

式典も止まってくれません。

だから私は、画質に直接関係しない機材でも、

撮影までの時間を短くしてくれる道具

には大きな価値があると思っています。

狭い式典会場では三脚より一脚が使いやすい

PINETA Proが便利だと感じるもう一つの場面が、狭い会場です。

ホテルの宴会場。

ホール。

客席通路。

舞台袖。

会議室。

こうした場所では、三脚の3本の脚が意外と場所を取ります。

参加者が歩く。

配膳スタッフが通る。

司会者が移動する。

運営スタッフが行き来する。

そこに大きく三脚を広げると、撮影者自身も気を使います。

一脚なら、占有する床面積をかなり小さくできます。

これは数字には出にくいですが、現場では非常に大きなメリットです。

周年式典の会場選びでも、三脚を置くスペースやカメラ位置の確保は確認しておきたいポイントです。

撮影場所を変えるときが、とにかく楽

式典撮影では、ずっと同じ場所にいるとは限りません。

例えば、

会場後方。

↓

ステージ横。

↓

客席通路。

↓

表彰者の正面。

↓

懇親会会場。

と移動します。

三脚の場合、移動するたびに、

脚を気にする。

周囲へぶつからないようにする。

場合によっては脚を畳む。

新しい場所でもう一度広げる。

という作業が発生します。

一脚の場合は、それがかなりシンプルになります。

持って、移動して、立てる。

この機動力はかなり大きいです。

「固定カメラ」ではなく「追いカメラ」で強い

私はPINETA Proを、

完全固定用のカメラより、撮影者が付くカメラ

に向いていると思っています。

例えば式典なら、

### カメラA

会場後方から全体を撮る。

これは三脚。

### カメラB

登壇者。

表彰。

来賓。

客席。

を追う。

こちらをPINETA。

この組み合わせはかなり使いやすいです。

三脚と一脚を競わせるのではなく、

役割を分ける。

これが一番現実的です。

長時間の動画撮影でも一脚は楽

動画撮影では、一つの場面を数分、場合によっては数十分撮り続けることがあります。

ずっと手持ちだと疲れます。

特に望遠レンズや大型カメラになるほど、腕や肩への負担が大きくなります。

一脚ならカメラの重量を地面へ逃がせます。

それでいて、三脚ほど完全に固定されません。

少し向きを変える。

高さを変える。

撮影位置を変える。

という動きは残せます。

この、

「楽だけど動ける」

というバランスがいい。

望遠撮影と一脚は相性がいい

式典やイベントでは、ステージから距離を取って撮影することがあります。

客席後方から登壇者を撮る。

会場の邪魔にならない位置から表彰者を撮る。

スポーツを撮る。

こうした場面では望遠レンズを使うことも多くなります。

望遠になるほど小さな揺れが目立ちやすくなります。

そのため、手持ちより何かにカメラを預けられる方が楽です。

一方で、被写体が動いたり撮影位置を変えたりするなら、三脚の完全固定が邪魔になることがあります。

ここでも、一脚の立ち位置が見えてきます。

PINETA Proの自立脚は便利。でも「三脚」だと思わない

PINETA Proには足元にベースがあります。

初めて見ると、

「これなら手を離しても大丈夫なのでは?」

と思うかもしれません。

でも、私はここを三脚と同じようには考えない方がいいと思っています。

一脚は一脚です。

自立脚があることで、

カメラを支えやすい。

パンやティルトがしやすい。

立てた状態を保ちやすい。

というメリットはあります。

しかし、

高価なカメラを載せたまま、その場を離れるためのものではない。

というのが私の使い方です。

特に高さを出した状態では、カメラやレンズの重心も高くなります。

人がぶつかる可能性があるイベント会場ならなおさらです。

「自立する」と「放置できる」は違う

ここはPINETA Proを検討している方に一番伝えておきたい部分かもしれません。

自立脚がある。

だから便利。

これは間違いありません。

でも、

三脚と同じ安心感で完全に手を離すための機材ではない。

私はそう考えています。

PINETA Proの良さは、

「三脚の代わりになること」

ではありません。

一脚としての使い勝手を大きく上げていること

だと思います。

ペダル操作が地味に便利

足元の操作を手ではなく足で行えるのも、PINETA Proらしい部分です。

撮影中は両手をカメラ周辺で使います。

右手でカメラ。

左手でレンズや操作部。

その状態で毎回しゃがんで一脚の足元を操作するのは面倒です。

PINETA Proでは、足元のペダルを使ってベース部分を操作できます。

しゃがまなくていい。

文章にすると地味です。

でも、現場で何度も繰り返す動作ほど、こういう小さな改善が効いてきます。

PINETA Proの弱点もある

かなり気に入っている一脚ですが、万能ではありません。

固定撮影なら三脚の方がいい

代表挨拶を30分固定。

ライブ配信。

講演全体。

定点カメラ。

こういった撮影なら、私は三脚を選びます。

人がずっと付いて操作する必要がないからです。

PINETA Proは、

撮影者が操作し続ける前提の方が生きる機材

だと思います。

完全な安定性では三脚に勝てない

当然ですが、3点で大きく支える三脚の方が安定します。

絶対に画角を動かしたくない。

長時間同じ構図を維持したい。

そんな用途では三脚です。

軽量コンパクトだけを求める一脚ではない

PINETA Proは、単純に、

「バッグの隙間に入る超軽量一脚が欲しい」

という人向けの製品ではないと思います。

足元の機構や素早い高さ調整など、仕事での使いやすさを優先した道具です。

そのため私は、

旅行用の一脚というより現場用の一脚

として見ています。

価格だけを見ると安くはない

普通の一脚なら、もっと安い製品があります。

だから、

「一脚なら何でもいい」

という人にはオーバースペックかもしれません。

でも仕事で何度も、

高さを変える。

移動する。

撮影位置を変える。

という人なら、その操作時間の短縮まで含めて考える価値があります。

PINETA Proと三脚、どちらを使う?

私は、この2つを競合する道具とは考えていません。

用途によって使い分けます。

撮影 PINETA Pro 三脚
式典の全景固定 △ ◎
代表挨拶を追う ◎ ○
表彰式 ◎ ○
客席通路から撮影 ◎ △
狭い会場 ◎ △
撮影場所を頻繁に変更 ◎ △
高さを頻繁に変更 ◎ △
無人固定撮影 × ◎
長時間ライブ配信 △ ◎
望遠で被写体を追う ◎ ○

三脚そのものの選び方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

式典撮影なら「三脚+PINETA」が使いやすい

一脚か。

三脚か。

どちらか一つを選ばなければならないわけではありません。

むしろ式典撮影なら、

全景は三脚。

動くカメラはPINETA。

という組み合わせが分かりやすいと思います。

例えば、

カメラ 役割 支持機材
カメラ1 式典全景・保険映像 三脚
カメラ2 登壇者・表彰・アップ PINETA Pro

こうしておけば、全景は確実に残しながら、もう一台で積極的に画を取りにいけます。

PINETA Proだけですべてを撮ろうとするより、こちらの方が仕事では安心です。

トビガスマルの現場評価

ここからは、スペックではなく「明日の仕事に持っていくか」という基準で評価します。

評価項目 評価 現場で感じたこと
現場投入度 ★★★★★ 動画撮影ではかなり高い頻度で使う
設営速度 ★★★★★ 高さ変更が速い。この製品を使う大きな理由
機動力 ★★★★★ 式典・イベントで撮影位置を変えやすい
安定性 ★★★★☆ 一脚として十分。ただし三脚とは役割が違う
持ち運び ★★★☆☆ 超軽量・超コンパクトを目的にする製品ではない
価格納得度 ★★★★☆ 仕事で何度も使うなら操作性に価値を感じる
仕事改善度 ★★★★★ 高さ調整・移動・再設営の手間が減り、撮影のテンポが明らかに良くなった

こんな人にはPINETA Proが向いている

私は、次のような撮影をする人にはかなり相性がいいと思います。

  • 式典撮影をする
  • イベント撮影をする
  • 講演会を撮る
  • ブライダルを撮影する
  • スポーツを撮影する
  • 望遠レンズをよく使う
  • 一人で複数の画を撮る
  • 撮影場所を頻繁に変える
  • 三脚を広げにくい会場で撮る
  • 高さを頻繁に調整する

逆に、

  • ほとんど定点撮影しかしない
  • カメラから離れることが多い
  • ライブ配信の固定カメラとして使いたい
  • とにかく小さく軽い一脚が欲しい

という場合は、他の選択肢の方が合うと思います。

一脚を使って分かったのは「安定性だけが正義ではない」ということ

三脚を選ぶときは、どうしても、

安定するか。

頑丈か。

揺れないか。

という方向で考えます。

もちろん重要です。

ただ、現場で撮影を続けていると、

すぐ動けることも性能

だと感じます。

高さを変える速さ。

位置を変える速さ。

機材を移動する速さ。

撮影を始める速さ。

PINETA Proを使って感じたのは、そこでした。

カメラのスペック表には出ません。

映像の解像度にも出ません。

それでも、

撮れなかった瞬間を減らす。

という意味では、映像の結果に関わる道具です。

トビガスマルの結論|明日の現場に、持っていく

YC Onion PINETA Pro。

トビガスマルの結論は、

持っていく。

です。

2025年に買ってよかった機材を一つ選ぶなら、私はこれを挙げます。

理由は、派手な新機能があるからではありません。

現場で面倒だった動作を減らしてくれたから。

特に、

高さを頻繁に変える。

会場内を移動する。

狭い場所で撮影する。

望遠レンズで登壇者を追う。

という動画撮影では、非常に使いやすい。

一方で、三脚を捨てるつもりはありません。

固定撮影は三脚。

動くならPINETA。

この使い分けです。

「三脚しか選択肢がなかったところへ、仕事で使える一脚という選択肢が増えた」。

私にとってPINETA Proは、そんな道具でした。

「トビガスマルの道具箱」とは

トビガスマルの道具箱

明日の現場に、持っていくか。

カメラ、レンズ、三脚、音響、配信機材、ストレージ。
映像制作会社トビガスマルが、実際の仕事で使っている道具を現場目線で紹介します。

スペック表だけでは分からない。
使って初めて分かる便利さも、困るところもあります。

「これ、仕事で本当に使える?」

その答えを、現場から。


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