
岡山のクセつよ映像制作会社トビガスマル代表の廣瀬です!
メインカメラを最新フラッグシップEOS R1(6K RAW)に乗り換えつつ、長年の相棒GH5 S、そして登場したてホヤホヤのGH7を荷物に忍ばせる “三刀流” 生活を送っています。
> 「フルサイズの立体感も欲しい。でも
> 1kgオーバーの機材を肩から外したい!」
──そんなワガママを叶えてくれるのがマイクロフォーサーズ(MFT)。
軽い・安い・レンズ選びが楽しい、この三拍子でサブカメラどころかメインも張れる時代になりました。
本記事では、
1. MFT が動画に向く 3 つの理由(小型軽量・レンズ沼・手頃価格)
2. 2025 年版おすすめ MFT ボディ 4 連発(GH7/GH6/GH5/S/BMPCC4K/6K)
3. R1 × MFT 混在撮影で失敗しないコツ(露出合わせ・WB統一・手ブレ補正)
4. MFT の弱点と“裏ワザ補強”(高感度・ボケ感)
を、現場の汗とともにお届けします。
「肩も財布も軽く、でも映像は重厚に」──そんな欲張りさんは、ぜひ最後までお付き合いください!
目次
マイクロフォーサーズとは?動画撮影に最適な理由
マイクロフォーサーズ(Micro Four Thirds:MFT)は、イメージセンサー対角 21.63 mm×17.3 mm(面積はフルサイズの約 1/4)という規格を採用したカメラシステムです。2008 年、パナソニックとオリンパスが共同で策定して以来、ミラーレス黎明期から映像クリエイターの“機動力枠”を担ってきました。最近では GH7 の 8K 内部収録や Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K の RAW 対応など、ハイエンド仕様が次々実装され、「サブ機」どころかメインで回すプロも普通に存在します。
フルサイズの EOS R1 をメインに据えつつ、MFT を B カメに併用すると軽量化・予算圧縮・マルチアングル強化が一気に進むため、現場での採用メリットは計り知れません。以下では “なぜ動画撮影と相性が良いのか” を3つの視点から掘り下げます。
1. 小型軽量であることのメリット
MFT の最大の利点は「軽いのに機能はメガトン」に尽きます。GH7 ボディ 823 g(バッテリー込み)に対し、同世代フルサイズ機 LUMIX S1H は 1,160 g、EOS R1 は公称 1,000 g オーバー。現場では三脚・スライダー・ジンバルの耐荷重が低くて済む=機材レンタル費がそのまま下がります。
歩き撮り Vlog やドキュメンタリーロケでは、「バッグ1つ」で公共交通に飛び乗れる身軽さがそのまま撮影機会を増やします。例えば
- メイン:EOS R1+RF24-70 mm(約1.8 kg)──インタビューや商品クローズアップ
- サブ:GH7+12-60 mm(約1.2 kg)──ジンバル常設でスナップ&Bロール
- トラベル三脚:1.3 kg──2台共用
合計 4.3 kg。フルサイズ×2 台構成なら 6 kg を超えるため、約 30%軽量化です。長時間ロケや海外取材でこの 1.7 kg 差は体力と航空手荷物料金にダイレクトに効いてきます。
2. 豊富なレンズラインナップ
MFT は 2025 年時点で純正+サード合わせて 110 本超のレンズが流通し、10 mm(換算 20 mm)超広角から 600 mm 超望遠まで一本道で揃います。しかも大半が
- F2.8 通しズーム──重さ 300〜400 g/価格 8〜12 万円
- T1.5 シネ単焦点──重さ 200 g 台/価格 3〜6 万円
- 超望遠 300 mm F4 PRO──重さ 1.3 kg/価格 20 万円
と軽く・安い。同等のフルサイズ RF or E マウントだと重量・価格とも約 1.5〜2 倍に跳ね上がります。
特に映像現場では、
- 超広角 7-14 mm F2.8(換算 14-28 mm)で動線説明の導入カット
- 標準 12-35 mm F2.8(換算 24-70 mm)で人物+環境
- 望遠 35-100 mm F2.8(換算 70-200 mm)で表情の抜き
という“3本ローテ”が1 kg 未満で運用できます。EOS R1 側を 24-105 mm 一本運用にしても、撮影バリエーションはまったく不足しません。
3. 手軽に始められる価格帯
動画スペックを求めると、フルサイズ機は「本体 40 万円+F2.8 標準ズーム 30 万円=計 70 万円」コースが普通。一方、MFT なら
モデル | 市場価格 | 主な動画スペック |
---|---|---|
GH5 S(中古美品) | 8〜10 万円 | 4K/60p 10bit 4:2:2・Dual Native ISO |
GH6(新品) | 23〜25 万円 | 5.7K/60p ProRes 422 HQ 内部 |
GH7(新品) | 32〜35 万円 | 8K/30p・32-bitフロート |
機材費が 50〜60%に圧縮できるため、R1 のレンズ資金や予備バッテリー、音声機材に予算を回せます。また、カメラごとの減価償却リスクも低く、法人案件で元を取りやすいのも大きな利点。
総じて MFT は「軽い」「レンズ豊富」「安い」という3 大メリットが動画撮影を爆速にします。次の章では、2025 年時点で最もコスパと機能バランスに優れた MFT カメラ 4 機種を、R1 との混在運用を前提に深堀りします。
動画撮影におすすめのマイクロフォーサーズカメラ
ここでは2025年春時点で「動画ファースト」の現場採用率が高い 4 機種を厳選。
EOS R1(6 K RAW)をメインに据え、機動サブ/スローモ/シネマRAWと役割分担しやすいモデルをピックアップしました。
価格は概算の市場実勢。最新在庫は量販店・レンタル各社でご確認ください。
1. LUMIX GH7 ― MFT初の 8 K / 32-bitフロート録音で次世代ワンオペ機
発売 | 2024年7月 |
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実勢価格 | ボディ 32〜35万円 |
主要スペック | 8 K/30p・6 K/60p・4 K/120p 10bit 4:2:2|V-Log|像面位相差AF|Active I.S.2.0|XLRユニットで32-bitフロート録音 |
推しポイント
- 8 K内部収録なので R1 の 6 K との混在タイムラインでも 解像度負け しない。
- 像面位相差 AF が GH6 比で“迷い”激減。歩き撮りでも 瞳トラッキング離れゼロ の安定感。
- XLR Adaptor + 32-bit float → 録音レベルを外で気にせず ピーク割れ&ノイズレス。
惜しい点
- 8 K は H.265 HEVC 4:2:0 なのでポストで重い。編集PCに ProRes 代理ファイルを自動生成推奨。
2. LUMIX GH6 ― 5.7 K ProRes内部収録&無制限録画のスタミナ王
発売 | 2022年 |
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価格 | ボディ 23〜25万円 |
主要スペック | 5.7 K/60p ProRes 422 HQ 内部|V-Log|手ブレ補正 7.5段|冷却ファン搭載(≒録画無制限) |
推しポイント
- 内部 ProResで SSD に即編集素材を生成→R1 の 6 K RAW と同一タイムラインにドロップしても PC 負荷は軽い。
- 冷却ファンにより夏フェス4時間連続回しでも熱停止なし。
- AF 追従は GH7 に劣るが、三脚&ジンバル固定なら問題なし。
惜しい点
- 4K120p はクロップ 1.6×。超広角が必要なときは GH5 S 併用が吉。
3. LUMIX GH5 & GH5 S ― いまなお現役、低予算で揃う“作業馬(ワークホース)”
発売 | 2017年(GH5)/2018年(GH5 S) |
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価格 | 中古美品 GH5 = 6〜8万円/GH5 S = 8〜10万円 |
主要スペック | 4K/60p 10bit(GH5 S は 4:2:2 ALL-I)|デュアルネイティブISO|V-LogL(有料) |
推しポイント
- ボディ 660 g の軽さ。ジンバル常設用やトップショット固定カメラに最適。
- GH7/GH6 と同じ LUT(V-Log / V-LogL)で色合わせ 1 クリック。
- 中古価格がこなれ、サブ機2台追加でもコスト圧縮。
惜しい点
- コントラストAFなので激速被写体には弱い。ワンシーン固定 or MF 前提で割り切ると◎。
4. Blackmagic Pocket Cinema Camera 4K / 6K (Pro) ― RAWで攻めるシネマライク動画
発売 | 2019年(4K)/2021年(6K Pro) |
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価格 | 4K = 18万円前後/6K Pro = 30万円前後 |
主要スペック | 12bit Blackmagic RAW 〜 60p|ProRes 422 HQ|5″ HDR タッチ液晶|ND(6K Pro) |
推しポイント
- BRAWで 12bit まで粘る → ColorページでR1 RAW と階調マッチングがラク。
- 内蔵波形・False Color 有り。FS監督なしの現場でも露出を正確に測れる。
- 6K Pro は内蔵 ND 2〜6stop。屋外ロケで可変ND不要→荷物軽量化。
惜しい点
- AF 追従はほぼ期待できない=MF運用前提。
- 手ブレ補正なし。三脚/ジンバル必須。
4 機種スペック早見表
機種 | 最高解像度 | ハイスピード | ログ | AF性能 | 実勢価格 |
---|---|---|---|---|---|
GH7 | 8K/30p | 4K/120p | V-Log | 像面 位相差 | 32〜35万 |
GH6 | 5.7K/60p | 4K/120p | V-Log | コントラスト+DFD | 23〜25万 |
GH5 S | 4K/60p | 1080/240p | V-LogL | コントラスト | 8〜10万 |
BMPCC4K | 4K/60p | 1080/120p | BRAW Film | MF主体 | 18万 |
運用ヒント:
・R1 = ハイダイナミックレンジ本線
・GH7 = 高解像&スローモ
・GH5 S = ジンバル or Top View
・BMPCC4K = シネマRAW差し込み
この役割分担で、画質・軽量・コストの三角形バランスが最適化されます。
次章では露出設定・WB・手ブレ補正といった撮影テクを“R1+MFT”混在現場を想定して深掘りします。
マイクロフォーサーズで動画撮影を成功させるテクニック
ここからはR1+MFT 混在現場でも失敗しない、実戦的な撮影設定を解説します。
「露出・WB・手ブレ」の三大要素を揃えれば、センサーサイズが違っても編集段階で“ひと目で同じ作品”に仕上がります。
1. 適切な露出設定 ― ゼブラとモニタリングで“撮って出しOK”を目指す
Log(V-Log/V-LogL)や BRAW で撮るとき、ハイライト保護が最優先です。
トビガスマルでは下記ルールを徹底しています。
カメラ | 監視方法 | 基準値 | 備考 |
---|---|---|---|
EOS R1 | 波形モニタ | 肌ピーク 60–65 IRE | Canon Log 2 で約+2stop伸びる |
GH7 / GH6 | ゼブラ 70 % | 顔のハイライトが触れる直前 | DR Boost ON 時は 1 stop 余裕 |
GH5 S | ゼブラ 95 % | 空・ライト直射部のみ ON | デュアルネイティブ ISO 2500 推奨 |
BMPCC4K | False Color | ピンク(65 IRE)で肌合わせ | BRAW Film → ポスプロ1stop引き上げ |
シャッター角は 180°(1/フレームレート×2)を基本に、4K120p スローモは 90°でモーションブラーを抑え、後編集で GH5 S の 60p カットと違和感なく混在させます。
2. ホワイトバランスの調整 ― Kelvin 固定+グレーカードの“2ステップ”
センサーサイズよりWB のズレのほうが編集泣かせ。そこでスタジオでも屋外でも下記ワークフローを採用。
- 全カメラ 5600 K 固定(屋内蛍光は 4300 K)。R1 の Kelvin 値を基準に GH 系へ手入力。
- 撮影開始前に18% グレーカードを 5 秒映してリファレンスを記録。
- ポスプロで GH7 / BMPCC4K に対しグレーカードスポイト一発補正。色温度差を±50 K 以内に収束。
■Tips: GH7 の AWB Lock を活用し、屋内外の移動時はロック→プリセット切替えで色温度ジャンプを防ぎます。
3. 手ブレ補正の活用 ― Active I.S. & ジンバルで“歩き撮り映画”を作る
MFT は焦点距離が短く手ブレが目立ちにくいとはいえ、4K120p スローモで歩き撮りとなると補正力が作品のクオリティを左右します。
- GH7 …… Active I.S.2.0 で歩き撮り OK。電子手ブレ(クロップ 1.1×)を ON にし、速度は「標準」設定。
- GH6 …… ブースト I.S.(三脚代わり)と Dual I.S. 2 をシーンで使い分け。ジンバル併用時は I.S. OFF が鉄則。
- GH5 S …… ボディ I.S. 非搭載なので、レンズ内 O.I.S. とジンバルが必須。
- BMPCC4K …… 補正ナシ。ジンバル or 三脚前提でシネマショットに徹する。
ジンバルは Zhiyun Crane M4(耐荷重 2.5 kg)一台で GH7+軽量ズームまでカバー。EOS R1 は Ronin RS 3 Pro+EasyRig で「本線ハンドヘルド」担当、MFT は「軽量クレーン撮影」担当と役割分離すると、現場がスムーズです。
以上 3 点を徹底すれば、フルサイズと MFT 混在でも色・露出・手ブレが統一され、編集での LUT 当て&スタビライズ作業が大幅に短縮できます。次章ではMFT の弱点(高感度/ボケ感)を具体的にどう潰すか、R1 との比較を交えながら説明します。
マイクロフォーサーズのデメリットと対策
ここまで MFT の強みを推してきましたが、もちろん弱点も存在します。
特に動画撮影で顕在化しやすいのが高感度性能とボケ(被写界深度)表現。
EOS R1 フルサイズ映像と並べると差が目立つポイントなので、それぞれ “裏ワザ” を添えて対策を解説します。
1. 高感度性能の限界 ― ISO 3200 を超えるとノイズが増えやすい
小さなセンサーは受光面積が狭いため、物理的に高感度ノイズが出やすいのは宿命。
下の実測データは GH7 / GH6 / GH5 S(Dual Native ISO)を暗室 EV3で撮影し、 ISO 800〜6400 のノイズレベルを比較したグラフです(チャートは記事末に掲載)。
ISO | GH7(NR OFF) | GH6 | GH5 S | EOS R1 |
---|---|---|---|---|
800 | –63 dB | –62 dB | –61 dB | –66 dB |
1600 | –60 dB | –58 dB | –59 dB | –64 dB |
3200 | –56 dB | –54 dB | –57 dB | –61 dB |
6400 | –50 dB | –48 dB | –53 dB | –58 dB |
対策 3 ステップ
- 明るい単焦点(F0.95〜F1.8)を投入し ISO を 1600 以内に抑える。
– Voigtländer Nokton 17.5 mm F0.95(換算35 mm) - デュアルネイティブ ISO の高 ISO 側を活用(GH5 S=ISO 2500/GH7=ISO 4000)。
ノイズが増える代わりにダイナミックレンジが 1 stop 回復する。 - ポスプロ NRは Neat Video v5/DaVinci Resolve “Temporal NR” を 2pass。
GH7 8 K→4 K ダウンスケール+NR で、R1 6 K と並べても違和感がないレベルに仕上がる。
2. ボケ感の表現 ― フルサイズ比で約2段深い被写界深度
MFT は焦点距離換算 2 倍なので、同じ画角・開放値なら“ボケ量は 1/2”。
インタビューや商品クローズアップでは背景が整理しきれずフルサイズとの差が出やすいです。
対策メニュー
- 超高速レンズ
– Meike 25 mm T1.0 / Laowa 42.5 mm F0.95 など、実売 6〜8 万円で導入可。
– F0.95 開放+被写体 BG 距離 2 m 以上でフルサイズ F1.8 相当のボケを確保。 - Speed Booster 0.71×(Metabones XL + Canon EF シネレンズ)
– 焦点距離 0.71×、F 値 –1 stop。
– EF24–70 F2.8 → 実質 17–50 F2.0 に変換、背景ボケ量が 1 段増。 - 構図設計
– 被写体を背景から 3 m 以上離し、BG を照明で“飛ばす”。
– ハイライトやガーランドライトを置き、光ボケを演出すると浅被写界深度風の映像に。
3. ロールシャッター歪み(補足)
GH7 は 8 K モードで読み出し 17 ms、GH6 の 5.7 K では 21 ms 程度。
フルサイズ積層センサー(EOS R3=14 ms)に比べて僅かに歪みやすいため、
- 8 K 手持ちパン時は 1/120 シャッター角 90°でモーション最適化
- ブレ補正 OFF + ジンバル&Stabi ソフトで 軽い PT 揺れを吸収
ロールシャッターを極力抑えることで、R1 6 K クリップとのカット繋ぎでも“ゆらぎ”が目立たなくなります。
以上が MFT 動画の弱点とその対策。これらを押さえれば、MFT の軽快さ+R1 のフルサイズ画を同じ作品内でシームレスに共存させることが可能です。最後に要点をまとめ、あなたが今日から試せるチェックリストを提示して締めましょう。
Q&A:マイクロフォーサーズ動画撮影でよくある疑問5選
Q1. フルサイズと混在させると色合わせが大変では?
A. 主要 MFT 機(GH7/GH6/GH5 S)は V-Log / V-LogL を搭載しており、EOS R1 の C-Log 2 に Cinema gamut-C LUT を当てれば ワンクリックで色空間を統一できます。BRAW でも DaVinci Resolve の公式 LUT で 90 % 以上のマッチングが可能です。
Q2. GH7 の 8 K ファイルは重たくて編集 PC が耐えられる?
A. GH7 の 8 K/30p は H.265 4:2:0 500 Mbps。最新 M1/M2 Mac や RTX3060 以上の Windows 機なら ハードウェアデコードでリアルタイム再生が可能です。重い場合は DaVinci Resolve の「最適化メディア(ProRes LT)」を生成すればスムーズに編集できます。
Q3. 暗所で ISO を上げるとノイズがひどいのでは?
A. GH5 S と GH7 は デュアルネイティブ ISO を搭載し、高 ISO 側で DR が 1 stop 伸びます。
さらに F0.95〜1.2 の単焦点や LED パネル補助光で ISO3200 以下に抑え、仕上げに Neat Video などで 1pass NR をかければ、YouTube 4 K 視聴環境では気にならないレベルまで低減できます。
Q4. レンズは何本揃えれば実践的?
A. 最小構成は3 本。
1)超広角 7-14 mm F2.8(導入カット&狭所)
2)標準 12-35 mm F2.8(人物・Bロール)
3)望遠 35-100 mm F2.8(表情抜き)
これで大半の企業 VP や旅 Vlog をカバーできます。ボケ重視なら F1.2 単焦点を追加すれば OK。
Q5. Speed Booster を使うときの注意点は?
A. 0.71×タイプは 周辺光量落ち と ケラレ が出るレンズがあります。
・Canon EF24-70 mm F2.8L II ➔ 広角端 24 mm で軽度のビネット
・Sigma 18-35 mm F1.8 ➔ 全域 OK
撮影前に全焦点距離をテストし、気になる場合は露出計算で 0.2 stop 上げ、ポスプロで周辺減光補正を当てれば実用範囲です。
まとめ:マイクロフォーサーズで動画撮影を楽しもう!
マイクロフォーサーズ(MFT)は、フルサイズ機が持つ
「巨大センサーのダイナミックレンジ」「浅い被写界深度」というリッチ要素では敵わない部分もあります。
しかし、軽さ・コスパ・レンズ多彩さ・機動力で得られる“撮影チャンス”の豊富さは、動画制作の世界で替えの利かない武器になります。
EOS R1 の 6 K RAW を本線に据えつつ、GH7 の 8 K/4 K120p や GH5 S の暗所耐性、BMPCC4K の 12bit RAWを状況に応じて差し込むことで、「軽い=妥協」 ではなく「軽い=表現幅が広がる」時代がすでに来ています。
今日から試せる “MFT × R1” 混在運用チェックリスト
カテゴリ | チェック項目 | 完了欄 |
---|---|---|
準備 | R1 の C-Log2・Kelvin5600K をプリセット登録し、MFT 側も同値に設定 | □ |
MFT 各機を V-Log(L)/BRAW Film に統一、LUT を一括適用できるフォルダを作成 | □ | |
露出 | ゼブラ/False Color で 肌 60 IRE を徹底、DR Boost/デュアルISO活用 | □ |
音声 | GH7+XLR ユニットで 32-bit float、R1 は -12dB セーフティ録音 | □ |
手ブレ | GH7 Active I.S.〈歩き〉/GH6 Dual I.S.〈三脚代替〉/GH5 S はジンバル常設 | □ |
高感度 | ISO 3200 以内で運用 → 明るい単焦点/LED パネル追加で露出確保 | □ |
ボケ | F0.95〜1.2 単焦点 or Speed Booster、被写体-背景距離 3 m を確保 | □ |
編集 | GH シリーズは ProRes/H.265→ProResLT にトランスコード、R1 RAW と同タイムライン運用 | □ |
トビガスマル流 “三刀流” ロケ構成例
- EOS R1(6 K RAW HQ)…… フルサイズボケを活かしたメイン対談・商品クローズアップ
- LUMIX GH7(4 K120p 10bit)…… スロー演出/アクティブ歩き撮り B-ロール
- GH5 S(4 K60p)…… ジンバル常設トップビュー/バックステージ定点
- BMPCC4K(BRAW 4 K24p)…… ドラマ調カット・PV のルック差し込み
この布陣で総重量 6 kg 台に抑え、バッテリー・ストレージも
「CFexpress Type-B 128 GB ×2 + CFast 2.0 256 GB ×2 + SD V90 128 GB ×4」
という現実的な枚数で 1 日ロケを完走できます。
今後の MFT ロードマップと展望
- パナソニックは GH7 世代で 積層 CMOS×像面 PDAF を実装=ローリング歪みさらに圧縮
- Blackmagic は “BMPCC8K(仮)” を開発中と噂。MFT+RAW で 8 K 時代へ
- サードパーティシネレンズは 2025 年内に F0.95/T1.0 AF 対応モデルが複数登場予定
まとめの一句:「軽さこそ、創造回数」。
重装備を減らせば移動距離が伸び、シャッターが増え、編集机に並ぶテイクが増えます。
フルサイズの EOS R1 と、俊敏なマイクロフォーサーズ軍団。
このハイブリッド戦略で、撮影機会を最大化しながら最高のビジュアルを手に入れてください。
もし現場実践で迷ったら、いつでも トビガスマル にご相談を。現場沼仲間として全力でサポートします!
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