こんにちは、周年といえばトビガスマル。
周年の「進め方」と「伝え方」を考えている、廣瀬です。
企業の周年ムービーというと、これまでの歴史や実績を振り返る映像を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、それも周年動画の大切な役割です。ただ、本当に印象に残る周年ムービーは、単に「何年続いてきたか」を伝えるだけでは終わりません。むしろ、その企業は何のために存在しているのか、そしてその想いを実際にどのような形で社会に届けているのかまで感じられる映像のほうが、見る人の心に残りやすいものです。
ローソンの50周年記念ムービー「マチの幸せのために、できることってなんだろう?」は、まさにその好例だと感じます。このムービーでは、「あなたの笑顔が見たい」という気持ちを出発点に、50年を終わりではなく次のスタートとして描いています。さらに印象的なのは、そのメッセージが言葉だけで終わっていないことです。ローソンは50周年施策全体を「LAWSON 50th マチのハッピー大作戦」として展開し、地域共生コンビニやハピろーの森、三つ星ローソンといった事業も通じて、“マチの幸せのためにできること”を具体的な行動として見せています。
ここに、周年動画としてのおもしろさがあります。周年のタイミングで理念を語る企業は多いですが、その理念が実際の取り組みと地続きになっているケースは意外と多くありません。その点、ローソンの50周年ムービーは、50年の歴史を紹介するだけではなく、「何のために存在しているのか」という問いと、「そのために何をしているのか」という実践が一本の線でつながって見える構造になっています。だからこそ、ただの記念映像ではなく、企業の存在意義そのものを伝えるムービーとして印象に残るのだと思います。
この記事では、ローソンの50周年記念ムービーをもとに、周年動画で“存在意義”をどう伝えるかをトビガスマル視点で読み解いていきます。周年映像を単なる沿革紹介で終わらせず、理念と行動の両方が伝わる映像にするには何が大切なのか。そのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ローソン50周年ムービーは、何を伝えているのか
周年ムービーというと、創業からの歩みや実績を振り返る映像を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、それは周年動画の大切な役割のひとつです。ただ、ローソンの50周年記念ムービーを見ていると、そこで本当に伝えようとしているのは「50年続いてきた事実」そのものではなく、もっと根本的な問いであるように感じます。それが、ローソンは何のために存在しているのかということです。
このムービーが印象的なのは、50周年を“到達点”として誇らしく語るのではなく、「マチの幸せのために、できることってなんだろう?」という問いから始まっているところです。多くの周年動画では、まず歴史や成果が前に出てきます。しかし、この映像では最初に置かれるのが企業の実績ではなく、社会や暮らしに対する視点です。だからこそ、見る側も「50年続いた会社の話」として受け取るのではなく、「この会社は何を大切にしてきたのだろう」と自然に考えながら映像に入っていけます。
この始まり方は、周年ムービーとしてとても強い設計です。なぜなら、周年という節目を、過去を整理するタイミングではなく、企業の原点をあらためて社会に問い直す機会に変えているからです。50周年という大きな区切りを、ただ祝うためではなく、「自分たちはこれからも何を大切にしていくのか」を示すために使っている。そこに、このムービーのトーンがよく表れています。
周年ムービーでは、どうしても「これまで」に重心が寄りがちです。ですが、この映像は「これまで」の整理にとどまらず、「これから」へ視線を伸ばしています。そのため、50周年の記念映像でありながら、懐かしさや達成感よりも、前向きな意志が強く残ります。ここに、ただの歴史紹介ではないおもしろさがあります。
50周年の“実績”ではなく、“問い”から始めている
このムービーの最も特徴的な点は、50周年を実績の積み上げとして語るのではなく、「マチの幸せのために、できることってなんだろう?」という問いから始めていることです。この一文があることで、映像全体の見え方が大きく変わります。企業が一方的に成果を語るのではなく、自分たちの役割を考え続けている姿勢そのものが前に出てくるからです。
問いから始めると、視聴者はただ説明を受ける立場ではなくなります。「この会社は何を考えているのだろう」「自分たちの暮らしにどう関わろうとしているのだろう」と、自然にその先を追いたくなります。周年ムービーとしては、この“見せ方の姿勢”がとても効いています。50年の重みを押し出すのではなく、50年経った今も問い続けている会社として映ることで、企業の印象がより柔らかく、より誠実に伝わります。
周年を“語る場”ではなく、“問い直す場”にしていること。ここが、ローソンの50周年ムービーを特徴づける最初のポイントです。トビガスマル視点で見ても、周年動画を考える企業にとってかなり参考になる入り方だと思います。
「あなたの笑顔が見たい」がメッセージの原点になっている
このムービーでもうひとつ印象的なのが、行動の出発点に置かれている言葉です。それが、「あなたの笑顔が見たい」という気持ちです。企業メッセージというと、どうしても抽象度の高い理念や、整いすぎたスローガンになりがちです。でも、この言葉はとても素直で、人の感情に近い温度を持っています。
だからこそ、この一言が強いのだと思います。地道な取り組みも、新しい挑戦も、何かを変えようとする行動も、その根っこには「笑顔が見たい」という気持ちがある。そう受け取れることで、企業活動全体が急に人間的に見えてきます。大きな言葉で理念を説明するよりも、このくらいシンプルな言葉のほうが、見る人の心には残りやすいのかもしれません。
周年ムービーで大切なのは、立派な言葉を並べることよりも、その会社の原点にある気持ちをどう見つけるかです。「あなたの笑顔が見たい」は、その好例だと感じます。
ここはとても大事なポイントです。周年動画をつくるとき、企業はつい「何を成し遂げたか」を語りたくなります。でも、本当に心に残るのは、その会社が何を大切にしてここまで来たのかという部分です。ローソンのムービーは、「笑顔」という誰にでも伝わる言葉を原点に置いたことで、50年の重みを押しつけがましくなく、それでいて確かなものとして伝えています。
50年を終わりではなく、次のスタートとして描いている
周年ムービーは、ともすると「ここまで頑張ってきました」という総括で終わってしまいがちです。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。ただ、節目の年を単なる振り返りだけで終わらせてしまうと、映像の印象も過去に閉じやすくなります。その点、ローソンの50周年ムービーは、50年を終わりではなく、次のスタートとして描いているところが印象的です。
これは、周年動画として非常に大切な視点です。50年の積み重ねを証明として見せながら、それを未来への宣言につなげているからです。「ここまで来た」ではなく、「ここからまた始まる」と語ることで、映像全体が前向きな力を持ちます。過去を誇るのではなく、過去を土台にしてこれからを語る。だからこそ、見終わったあとに残るのも、達成感より意志のほうです。
周年動画が強くなるのは、過去をきれいに整理したときではなく、その先にある“これから”を見せられたときです。 ローソンのムービーは、50周年を節目として閉じるのではなく、次の50年への出発点として扱っています。その設計があるからこそ、記念映像でありながら、未来へのメッセージとしても機能しているのだと思います。
ローソン50周年ムービーがうまいのは、理念を言葉だけで終わらせていないこと
周年ムービーでは、企業の理念や想いが語られることがよくあります。ただ、見ている側に本当に届くかどうかは、きれいな言葉が並んでいるかでは決まりません。むしろ大切なのは、その言葉が実際の取り組みとつながっているかどうかです。ローソンの50周年ムービーがおもしろいのは、まさにそこです。
このムービーでは、「マチの幸せのために、できることってなんだろう?」という問いが中心に置かれています。ここだけを見ると、企業理念として美しくまとまった言葉に見えるかもしれません。けれど実際には、その言葉が動画の中だけで完結していません。地域共生コンビニ、ハピろーの森、三つ星ローソンといった取り組みが紹介されることで、「マチの幸せ」というテーマが具体的な行動として見えてきます。ここが、このムービーの強さです。
言い換えると、ローソンは50周年にあたって「こんな想いを持っています」と語るだけでなく、「その想いをこういう形で事業にしています」と見せています。理念をスローガンで終わらせず、事業や取り組みで裏づけているからこそ、映像全体のメッセージに説得力が生まれています。周年動画として見ても、これはとても大事な設計です。
周年ムービーの難しさはここにあります。理念を語ること自体はできます。でも、それだけでは「いいことを言っている」で終わってしまうことがある。その言葉が本当に伝わるのは、見る人が「この会社は本当にそう考えているんだな」と感じられたときです。ローソンの事例は、そのために必要なのが“言葉”だけではなく、“行動の見せ方”でもあることを教えてくれます。
“マチの幸せ”というテーマが動画全体の軸になっている
このムービーの中心にあるのは、やはり「マチの幸せ」というテーマです。周年の節目を語るにあたって、企業としての規模や成長を前面に出すのではなく、「マチの幸せのために何ができるか」という視点を置いていることで、動画全体の方向がとても明確になっています。
この軸があるからこそ、映像の中で語られる地道な取り組みも、新しい挑戦も、すべて同じ方向を向いて見えます。もしこのテーマが弱ければ、50周年の歴史紹介と未来への話が別々に見えてしまったかもしれません。でも、“マチの幸せ”が一本通っていることで、過去の積み重ねも、現在の実践も、これからの意思も自然につながります。
周年ムービーでは、何を見せるか以上に、何を軸に束ねるかが重要です。 ローソンのムービーは、その軸がはっきりしているからこそ、短い中でもメッセージが散らばらずに残ります。
地域共生コンビニ、ハピろーの森、三つ星ローソンが言葉の裏付けになっている
このムービーがただの理念映像に見えない理由のひとつは、実際の事業や取り組みがしっかり入っていることです。地域共生コンビニ、ハピろーの森、三つ星ローソンといった取り組みは、いずれも「マチの幸せ」という言葉を具体的な形で支える材料になっています。
ここで大事なのは、事業紹介そのものが主役になっていないことです。単なる実績紹介のように見せるのではなく、「こういう想いがあるから、こういう取り組みをしている」という流れの中で出てくるため、事業そのものが理念の証明として機能しています。これは、周年ムービーとしてかなりうまい見せ方です。
企業が周年動画で事例や取り組みを入れると、どうしても“実績アピール”に寄ってしまうことがあります。けれどローソンのムービーでは、取り組みが「すごいこと」の証明ではなく、「そう考えている会社であること」の証明になっています。だから押しつけがましくなりにくく、自然に受け取れます。
理念を語るだけでは、見る人の心に残りにくいことがあります。実際の取り組みが入ると、その言葉が“本当にそうなんだ”と伝わりやすくなります。
想いと実践がつながっているから、メッセージに説得力がある
最終的に、このムービーの強さは「想い」と「実践」が分かれていないことにあると思います。企業の周年動画では、理念は理念、事業は事業として別々に語られることが少なくありません。その場合、言葉はきれいでも、どこか宙に浮いた印象になることがあります。
でも、ローソンの50周年ムービーは違います。「あなたの笑顔が見たい」という気持ちがあり、「マチの幸せ」というテーマがあり、それが地域共生コンビニやハピろーの森、三つ星ローソンといった取り組みにもつながっている。だから、メッセージが単なる理想論に見えにくいのです。言葉と行動が一本につながっていることで、企業としての一貫性が見えてきます。
周年ムービーで説得力が生まれるのは、立派な言葉を置いたときではなく、その言葉が実際の動きと結びついたときです。 トビガスマル視点で見ると、ここはとても重要です。周年動画をつくるとき、理念を語ることはできます。でも、その理念がどこで、どう形になっているのかまで見せられるかで、映像の強さは大きく変わります。
ローソンの50周年ムービーは、理念をきれいに語るだけの映像ではありません。言葉と行動の両方をつなぐことで、「この会社は本当にそう考えているのだ」と感じさせています。だからこそ、ただの記念映像ではなく、企業の存在意義を伝える周年ムービーとして印象に残るのだと思います。
なぜローロン50周年ムービーは“企業PR”っぽく見えにくいのか
企業の周年ムービーは、ともすると「会社のアピール映像」に見えてしまうことがあります。もちろん、周年という節目に自社の歩みや考え方を伝えるのは自然なことです。ただ、その伝え方が企業側の視点に寄りすぎると、見る人にとっては“説明を受けている感覚”が強くなり、共感よりも距離感が生まれやすくなります。
その点、ローソンの50周年ムービーは、企業PRのような押し出しの強さがあまり前に出てきません。これは、企業として言いたいことを抑えているからではなく、伝え方の重心が「会社のすごさ」ではなく「生活者との関係」に置かれているからだと思います。何を成し遂げたか、どれだけ大きくなったかを主役にするのではなく、「マチの幸せのために、できることってなんだろう?」という問いを通して、暮らしの中で自分たちがどうありたいかを見せている。だから、企業の話なのに、自分から遠い話として感じにくいのです。
さらに、このムービーは“企業の言葉”をそのまま投げていません。抽象的な理念を押し出すのではなく、「あなたの笑顔が見たい」というような、生活の中に置き換えやすい言葉でメッセージを組み立てています。この翻訳があることで、視聴者は「企業が言いたいこと」を聞くのではなく、「自分にも関係のあること」として受け取りやすくなります。
ここは周年ムービーを考える企業にとってかなり重要なポイントです。言いたいことをたくさん詰め込むほど、映像は企業PRっぽくなりやすい。反対に、「誰にどう届くか」を基準に言葉を整えるほど、メッセージは自然に伝わりやすくなります。ローソンの事例は、そのバランスの取り方がうまいと感じます。
会社のすごさより、生活者との関係を描いている
このムービーが企業PRっぽく見えにくい理由のひとつは、会社そのものを主役にしすぎていないことです。50周年という節目であれば、本来は実績や成長を大きく見せたくなるはずです。どれだけ広がってきたか、どんな挑戦をしてきたか、何を積み重ねてきたか。そうした事実を前面に出す構成もよくあります。
けれど、ローソンのムービーは、その見せ方を少しずらしています。中心にあるのは「50年続いた会社です」という話ではなく、「マチの幸せのために、何ができるだろう」という問いです。つまり、企業そのものより、企業が暮らしとどう関わるかに重心が置かれているのです。この違いは大きいと思います。
視聴者は、企業の歴史を知りたいというより、その会社が自分たちの生活の中でどんな存在なのかを知りたいことが多いものです。ローソンのムービーは、その視点に沿って構成されているからこそ、“会社の紹介”に見えすぎず、“暮らしとの接点を考える映像”として受け取りやすくなっています。
企業の言葉を、暮らしの言葉に置き換えている
企業メッセージが届きにくくなる理由のひとつは、言葉が企業の中だけで完結していることです。理念やビジョンは大切ですが、それが抽象的なままだと、生活者からは少し遠く感じられてしまいます。「社会のため」「未来のため」といった言葉は正しい一方で、どこか輪郭がぼやけやすいからです。
ローソンの50周年ムービーでは、その点がうまく処理されています。「マチの幸せ」という大きなテーマを置きながらも、それを「あなたの笑顔が見たい」という言葉にまで下ろしているからです。この一言があることで、企業理念が生活の中に着地します。視聴者は、抽象的な理想ではなく、自分の身の回りにある感情や体験とつなげて理解できるようになります。
理念をそのまま見せるのではなく、暮らしの言葉に翻訳すること。 これは、周年ムービーに限らず、ブランド映像全体に通じる大切な視点です。トビガスマルらしく言えば、「言いたいこと」を「伝わる言葉」に変える作業が、映像の印象を大きく左右するということです。
企業の言葉は、そのままだと強すぎることがあります。暮らしの言葉に置き換えると、視聴者は“説明”ではなく“実感”として受け取りやすくなります。
“みんなと一緒に”という参加の空気をつくっている
もうひとつ、このムービーが企業PRっぽく見えにくい理由として大きいのが、企業だけで話を完結させていないことです。メッセージの中には、「みんなと一緒にローソンでハピ」のように、生活者が参加する余白があります。これは、企業が何かを“してあげる”という構図ではなく、一緒に日常をつくっていく存在として自分たちを置いている、ということでもあります。
この感覚があると、ムービー全体の印象がかなり変わります。企業が成果や想いを一方的に発表している映像ではなく、「この先の幸せは、ここにいるみんなと一緒につくっていくものだ」という空気が生まれるからです。視聴者は“見せられている側”ではなく、“その輪の中にいる側”として入りやすくなります。
周年ムービーが企業PRっぽく見えにくくなるのは、企業だけが主語ではなくなったときです。 ローソンの事例では、「マチの幸せ」が企業の理想として閉じず、生活者と共有するテーマとして扱われています。だからこそ、押しつけがましさが出にくく、自然に共感が生まれやすいのだと思います。
ローソンの50周年ムービーは、企業が何をしてきたかを伝える映像でありながら、それを企業の都合だけで語っていません。生活者との距離感を意識し、言葉の置き方を工夫し、参加できる空気をつくることで、“企業PR”ではなく“共感できる周年ムービー”として成立させています。ここは、周年映像を考える企業がかなり学べるポイントだと思います。
トビガスマル視点で見る、周年ムービーづくりのヒント
ここまでローソンの50周年ムービーを見てきて感じるのは、この映像が単なる事例紹介にとどまらず、周年ムービーを考える企業にとってかなり実践的なヒントを持っているということです。なぜなら、周年動画でありがちな「沿革紹介」や「実績アピール」に寄りすぎず、企業の原点、理念、取り組み、未来への意志までを一本の流れで見せているからです。
周年ムービーは“何周年かを伝える映像”ではなく、**節目を通して何を伝え直すかを設計する映像**です。周年という機会があるからこそ、企業はこれまでを振り返るだけでなく、「私たちは何のために存在しているのか」「これからどうありたいのか」を社会に向けて言葉にできます。ただ、その設計が曖昧だと、歴史を並べただけの映像や、メッセージだけが浮いた映像になってしまいやすいのも事実です。
ローソンの事例が参考になるのは、そのバランスが取れているからです。問いがあり、原点になる言葉があり、それを支える取り組みがあり、最後には未来へのメッセージがある。この流れがあることで、周年ムービーが「記念の映像」ではなく、「企業のこれからを伝える映像」になっています。
ここでは、ローソンの50周年ムービーから見えてくる、周年ムービーづくりのヒントを4つに整理してみます。
周年の事実より、まず伝えるべきメッセージを決める
周年ムービーをつくるとき、最初に「何周年か」「どんな歴史があるか」を整理する企業は多いと思います。それ自体は必要なことですが、そこから入ると映像の重心がどうしても“事実の説明”に寄りやすくなります。結果として、見た目は整っていても、何を一番伝えたい映像なのかが曖昧になることがあります。
ローソンの50周年ムービーがおもしろいのは、最初に置いているのが「50周年の説明」ではなく、「マチの幸せのために、できることってなんだろう?」という問いであることです。この一文があることで、映像全体の方向が決まっています。何を見せても、何を語っても、最終的にはその問いに戻ってくる。だから、短い映像でも芯がぶれません。
周年ムービーを考える企業にとっても、ここはとても大事です。まず整理したいのは、何周年かではなく、「この節目に、誰に、何を伝えたいのか」です。ここが定まると、沿革、インタビュー、事業紹介、未来メッセージといった要素も選びやすくなります。反対に、ここが曖昧なままだと、素材はたくさんあっても、どこか散らかった映像になりやすくなります。
周年動画は、“記念の事実”を伝える前に、“節目を通して何を言いたいか”を決めることが大切です。 これは、トビガスマルが周年映像を考えるときにも、とても重要だと感じている視点です。
会社の原点になる言葉を見つける
周年ムービーで強い映像になるかどうかは、その会社の原点になる言葉があるかどうかでかなり変わります。企業理念やビジョンがあることはもちろん大切ですが、それだけでは映像の中で生きた言葉にならないこともあります。映像にしたときに強く残るのは、その会社がなぜここまで続いてきたのかを、人の感情に近い言葉で語れるかどうかです。
ローソンの50周年ムービーで言えば、それが「あなたの笑顔が見たい」という言葉でした。この一言があることで、50年の歩みも、マチの幸せというテーマも、すべて人に近い温度で見えてきます。理念をそのまま見せるのではなく、原点にある気持ちまで下ろしているからこそ、見る人の記憶に残りやすくなっています。
周年ムービーづくりでまず探したいのは、この“原点の言葉”です。企業としてのきれいな説明ではなく、なぜこの仕事をしているのか、誰のために続けているのか、その会社らしい言い方で表せる言葉が見つかると、映像全体の軸が一気に強くなります。そこが見つからないまま映像を組むと、整ってはいても、どこか他社にも置き換えられるような印象になりやすいのです。
周年ムービーを強くするのは、立派な表現ではなく、その会社にしか言えない“原点の言葉”です。そこが見つかると、映像全体の芯がはっきりしてきます。
理念を語るだけでなく、実際の取り組みまで見せる
周年ムービーでは、理念や想いを語る場面がよくあります。ただ、それだけでは見る人の心に残りにくいこともあります。なぜなら、きれいな言葉は共感を生みやすい一方で、どこか抽象的に見えてしまうこともあるからです。だからこそ大切なのが、その理念が実際にどんな形で表れているのかまで見せることです。
ローソンの50周年ムービーでは、地域共生コンビニ、ハピろーの森、三つ星ローソンといった取り組みが出てきます。これによって、「マチの幸せ」という言葉が、単なるコピーではなく、本当に行動へ落とし込まれていることが見えてきます。理念と事業がつながっているから、メッセージが浮きません。
周年ムービーを考える企業も、ここはかなり重要です。理念を語るだけで終わらせず、その理念がどこで、どう形になっているのかを見せること。商品でも、サービスでも、社内文化でも、地域との関わりでも構いません。見る人が「この会社は本当にそう考えているんだな」と感じられる材料があるだけで、映像の説得力は大きく変わります。
過去の整理ではなく、未来への約束として設計する
周年ムービーの最後に意識したいのは、過去を振り返って終わるのではなく、その先の未来へどうつなげるかです。周年という節目は、どうしても「ここまでの歩み」を総括する色合いが強くなります。しかし、映像として本当に強くなるのは、その積み重ねを未来への約束に変えられたときです。
ローソンの50周年ムービーでは、50年を終わりではなく次のスタートとして描いています。これがあることで、映像は懐かしさや達成感だけで閉じません。これまでの積み重ねがあるからこそ、これからも続けていく。その意思が見えることで、周年映像が過去の整理ではなく、これからの企業の姿勢を伝えるものになります。
周年ムービーは、過去をきれいにまとめるためのものではなく、未来へどう進むかを見せる場にもできます。 トビガスマル視点で言えば、ここまで設計できると、周年動画はただの記念映像ではなく、企業の次のフェーズを支える映像になります。節目を“締めくくり”ではなく“出発点”として使えるかどうかが、その差を生みます。
ローソンの50周年ムービーは、映像としてきれいにまとまっているだけでなく、周年ムービーをどう設計すれば“伝わる映像”になるのかを考えるうえでも参考になる事例です。記念の年だからつくるのではなく、節目だからこそ伝え直せることがある。その視点を持つだけで、周年ムービーの役割は大きく変わってきます。
まとめ|周年動画は、企業の歴史より“これからの理由”を伝えると強くなる
ローソンの50周年ムービーを見ていてあらためて感じるのは、周年動画は単に歴史を振り返るためのものではない、ということです。もちろん、50年という時間の積み重ねには大きな意味がありますし、それを伝えること自体も周年ムービーの大切な役割です。ただ、本当に印象に残る周年映像は、過去をきれいに並べるだけでは終わりません。そこにあるのは、「この会社は何のために続いてきたのか」「これから何を大切にしていくのか」という、もっと根本的なメッセージです。
今回のローソンのムービーが強かったのは、50周年の事実そのものより、「マチの幸せのために、できることってなんだろう?」という問いを前に置いていたことでした。そして、その問いを言葉だけで終わらせず、地域共生コンビニ、ハピろーの森、三つ星ローソンといった実際の取り組みで支えていたことも大きかったと思います。理念と行動がつながっていたからこそ、映像全体が“きれいな話”で終わらず、企業の存在意義としてしっかり届いていました。
また、企業のすごさを前面に出すのではなく、「あなたの笑顔が見たい」という人に近い言葉を原点にしていたことも印象的です。周年動画は、ともすると企業側の説明になりやすいものですが、このムービーは生活者との関係を軸に置くことで、“企業PRっぽさ”を抑えながら共感を生む映像になっていました。ここには、トビガスマルが周年動画を考えるときにも大切にしたい視点が詰まっているように思います。
周年動画は、「ここまでの歩み」を見せるだけの映像ではありません。むしろ節目だからこそ、その会社がこれからも続いていく理由を言葉にできる場です。どんな想いで続けてきたのか。誰のために存在しているのか。そして、その想いをこれからどう形にしていくのか。そこまで見せられたとき、周年ムービーはただの記念映像ではなく、企業の姿勢そのものを伝える映像になります。
周年動画は、会社の歴史を見せる場であると同時に、会社の“これからの理由”を伝える場にもなる。 ローソンの50周年ムービーは、そのことをとてもわかりやすく示してくれる事例でした。
トビガスマルとしても、周年動画を考えるときに大事なのは、何周年かをきれいに伝えることだけではないと考えています。節目を通して、自社の想いをどう言葉にするか。理念をどう行動とつなげて見せるか。そして、これから先の未来に向けて、どんな約束を映像に込めるか。そうした設計ができると、周年ムービーはぐっと強くなります。
ローソンの事例は、周年映像が単なる振り返りではなく、企業の存在意義をあらためて社会に伝える機会になりうることを教えてくれます。周年動画を検討している企業にとっても、「何を見せるか」だけでなく、「何を伝え直すのか」を考えるきっかけになる一本だと感じました。
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